7月31日、日銀は政策金利を0.25%程度に引き上げることを決定しました。
マイナス金利政策の解除を実施した3月以降、追加の利上げとなります。
この記事では、金利の引き上げが、生活にどのような影響を与えるかについて解説します。
日銀の追加利上げは生活にどんな影響がある?生命保険が安くなる?
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
金利の上昇が影響するもの
金利が上昇することで影響を受けるのは、以下の通りです。
- 銀行の預金金利
- 住宅ローンの金利
- 生命保険の予定利率
銀行の預金金利
金利が上昇すると、銀行の普通預金の金利が上昇します。
日銀の追加利上げにともない、各銀行が普通預金の金利を引き上げました。
主な銀行の普通預金金利は、以下の通りです。
- 三菱UFJ銀行:年0.1%(2024年9月2日から)
- 三井住友銀行:年0.1%(2024年8月6日から)
- みずほ銀行:年0.1%(2024年9月2日から)
- ゆうちょ銀行:年0.1%(2024年9月2日から)
8月から9月にかけて、普通預金の金利が引き上げられる見通しです。
住宅ローンの金利
日銀の金利が引き上がると、住宅ローンの金利も引き上げられます。
変動金利の指標となる短期プライムレート(短プラ)が、8月末から9月に0.15%引き上げられる見通しです。
短プラが引き上げられると、住宅ローンの変動金利も引き上げられます。
9月に短期プライムレートが引き上げられた場合、10月から適用金利が見直され、1月分のローン支払いから負担額が増加する可能性があります。
為替や物価にも影響
銀行の金利が引き上げられると、為替や物価にも影響します。
一般的に、金利が上昇すると為替は円高に推移します。
7月は1ドル160円台まで円安が進んでいましたが、金利の引き上げが発表されてからは、1ドル140円台後半で推移しています。
為替が円高に推移すると、輸入品や原材料の仕入れコストが下がるため、物価が下がる可能性もあります。
生命保険の予定利率
金利が上昇すると、生命保険の予定利率も引き上げられます。
生命保険の予定利率が引き上げられると、以下のメリットがあります。
- 保険料が安くなる
- 解約返戻率が上昇する
住友生命保険は、一時払い終身保険の予定利率を1.10%から1.25%に引き上げました。
今後、各保険会社が販売する貯蓄性商品の予定利率も引き上がるでしょう。
なお、利上げを機に、生命保険を見直したいと考えている人は「保険スクエアbang!生命保険」などの一括資料請求サービスを利用するのがおすすめです。
このように、銀行の金利が上昇すると日常生活にさまざまな影響が及びます。
日銀は、2025年3月までに追加の利上げをする可能性を示唆しましたが、追加利上げには消極的です。