厚生労働省は、介護保険サービスを受ける人が持つ「紙の介護保険証」の廃止を検討しています。
健康保険証と同じく、介護保険証もマイナンバーカード(以下マイナカード)と一体化する方向です。
この記事では、現行の介護保険証の概要と、紙の介護保険証が廃止される時期について解説します。
2026年度、マイナカードと一体化で紙の介護保険証が廃止へ。マイナカードを持っていない人はどうなる?
マネーFix 編集部
マネーFix 編集部は、FP有資格者や「ビジネス書」や「学習参考書」などさまざまなジャンルの編集経験者で構成されています。わかりやすく確かな情報を発信し「人生におけるお金の決断」の判断基準となる、信頼できるメディアを目指します。
現行の介護保険証
介護保険証は、以下のケースに当てはまる人が保有しています。
- 65歳以上の第1号被保険者全員
- 40歳以上64歳以下の第2号被保険者で特定疾病により介護が必要な人
介護保険証は2024年4月末時点で、約3600万人が保有しています。
内閣府が公表した「高齢社会白書」によると、介護保険制度で要介護または要支援の認定を受けた人は、668万9000人でした。
出典:内閣府「高齢社会白書」
介護保険証は、要介護認定を受ける場合やケアマネジャーによるケアプラン作成、介護事業所のサービスを利用する場合に必要です。
紙の介護保険証は、各自治体から発送されます。
介護の状態や受けるサービス内容に変更があれば、都度、自治体の窓口で保険証を修正する必要があります。
今後、保険証の発送にかかる自治体の負担軽減や利便性向上の観点から、介護保険証をマイナカードと一体化し、紙の介護保険証を廃止する案が検討されています。
紙の介護保険証はいつ廃止?
介護保険証のマイナカードとの一体化は、2026年度以降を予定しています。
マイナカードと一体化することで、以下の手続きを効率化することが検討されています。
- 要介護認定の申請や通知
- ケアマネジャー事業所名の届け出
- ケアプランの作成依頼や提出
- 主治医の意見書情報の取得
- 介護状態やサービス内容の変更届け出
ただし、紙の介護保険証を廃止すると、マイナカードを保有していない人が介護サービスを受けられなくなります。
介護保険サービスの利用者が多い高齢層ほどマイナカードの取得率が低いため、一定期間は紙の介護保険証も利用できるようにする方針です。
政府は、将来的な介護人材の不足や介護サービスの需要が高まることを想定して、ICTの活用を積極的に進めたい狙いがあります。