政府は、宅配便の荷物を受け取る際「置き配」を利用した場合に、ポイントを還元する事業を実施することを発表しました。
「物流2024年問題」といわれる、物流業界の人員不足への対策として実施されます。
この記事では、10月から実証事業が開始する、宅配便のポイント還元事業について解説します。
10月から「置き配」や「コンビニ受け取り」でポイント付与。1配送あたり最大5円分
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
10月から実証事業開始
政府は、2024年10月から、荷物を受け取る際に「宅配ボックス」や「置き配」を利用した場合、ポイントを還元する実証事業を開始します。
2024年からドライバーの残業規制が強化されたことを受け、人員が不足し、物流が停滞することが課題となっています。
利用者に「宅配ボックス」や「置き配」を指定してもらうことで、再配達するためのコストを削減することが狙いです。
実証事業には、以下の6社が参加します。
- アマゾン
- 楽天
- LINEヤフー
- ヤマト運輸
- 佐川急便
- 日本郵便
実証事業は、10月から数ヵ月間実施される予定です。
ポイントが付与される条件
ポイントが付与される条件は、再配達率を低下させる受け取り方法を指定した場合です。
具体的には、以下のケースです。
出典:内閣官房「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」
「宅配ボックス」や「置き配」だけでなく、「コンビニ受取」や「ゆとりのある配送日時を指定した場合」も、対象となります。
ただし、事業者によってポイント還元できる内容が異なるので、注意してください。
- アマゾン:非対面等多様な受け取りを活用し、一回で受け取れた場合にポイント還元
- 楽天:日付指定をして一回で受け取れた場合にポイント還元
- LINEヤフー:お届けまで余裕のある日付を選択した場合にポイント還元
ポイントの還元率についても、事業者によって異なる可能性があるため、今後の発表内容を確認してください。
本事業では、国から事業者に、1配送あたり最大5円の補助金が支給されます。
そのため、還元されるポイントも、1配送あたり最大5円分になる見通しです。
内閣官房の資料によると、宅配の再配達率は12%となっています。
政府としては、本事業を実施することで、再配達率を6%に半減させる目標を掲げています。
ポイント還元の事業が再配達率の減少につながるのか、注目が集まります。
- 内閣官房「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」