厚生労働省は、2024年度の最低賃金を1,054円とする方向で正式にとりまとめます。
物価高で大幅な賃上げが必要と判断され、調整を続けてきました。
2024年度の最低賃金は、2023年度から、いくら引き上げられるのでしょうか。
この記事では、最低賃金の引き上げ幅や、各都道府県の2023年度の最低賃金について解説します。
【最低賃金】全国平均1,054円で最終調整。過去最高の引き上げ幅
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
最低賃金の全国加重平均額
2023年度の最低賃金の全国加重平均額は、1,004円でした。
最低賃金は、2002年以降、徐々に増加しています。
2003年の最低賃金は664円なので、この20年で約1.5倍になっています。
2024年度の最低賃金は、1,054円で、前年比5%増、50円の引き上げとなります。
50円の引き上げは過去最高です。
今後、全国平均の最低賃金をベースに、各都道府県の最低賃金が決まります。
地域別の最低賃金【2023年度】
2023年度の各都道府県の最低賃金を確認しましょう。
北海道・東北地方
北海道と東北地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 北海道:960円
- 青森県:898円
- 岩手県:893円
- 宮城県:923円
- 秋田県:897円
- 山形県:900円
- 福島県:900円
都道府県別に見ると、岩手県の最低賃金が最も低くなりました。
2024年度にどこまで引き上げられるのか注目が集まります。
関東地方
関東地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 茨城県:953円
- 栃木県:954円
- 群馬県:935円
- 埼玉県:1,028円
- 千葉県:1,026円
- 東京都:1,113円
- 神奈川県:1,112円
全国で最低賃金が最も高いのは東京都です。
神奈川県が続きました。
北陸・甲信越地方
北陸・甲信越地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 新潟県:931円
- 富山県:948円
- 石川県:933円
- 福井県:931円
- 山梨県:938円
- 長野県:948円
東海地方
東海地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 岐阜県:950円
- 静岡県:984円
- 愛知県:1,027円
- 三重県:973円
東海地方では、愛知県の最低賃金が唯一1,000円を超えています。
近畿地方
近畿地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 滋賀県:967円
- 京都府:1,008円
- 大阪府:1,064円
- 兵庫県:1,001円
- 奈良県:936円
- 和歌山県:929円
大阪府は、東京都、神奈川県に次いで、3番目に最低賃金が高くなっています。
中国地方
中国地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 鳥取県:900円
- 島根県:904円
- 岡山県:932円
- 広島県:970円
- 山口県:928円
四国地方
四国地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 香川県:918円
- 愛媛県:897円
- 高知県:897円
- 徳島県:896円
四国地方では、香川県のみ900円を超えています。
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方の最低賃金は、以下の通りです。
- 福岡県:941円
- 佐賀県:900円
- 長崎県:898円
- 熊本県:898円
- 大分県:899円
- 宮崎県:897円
- 鹿児島県:897円
- 沖縄県:896円
2023年度、全国平均の1,004円を超えた都道府県は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、京都府、大阪府のみとなります。
地域ごとの最低賃金は、10月ごろに決まります。