総務省は、2025年10月から、ふるさと納税におけるポイント付与の禁止を発表しました。
これまで、ふるさと納税をする際により多くのポイントがもらえるサイトを利用していた人も、ルール変更後はポイントがもらえなくなります。
この記事では、ふるさと納税のポイント付与禁止の背景や、今後への影響を解説します。
【ふるさと納税ポイント付与禁止】楽天、さとふるの対応はどうなる?
マネーFix 編集部
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ふるさと納税のポイント付与が禁止に
令和6年6月28日、総務省はふるさと納税に関する新たなルールの変更を発表しました。
その中でも特に注目を集めているのが、2025年10月から実施予定のふるさと納税におけるポイント付与の禁止です。
近年、ふるさと納税を扱うポータルサイトのポイント付与合戦が過熱しています。
政府は自治体がサイトへ払う手数料の一部がポイントに使われている可能性があると見ており、ポイント付与の禁止によって、自治体の負担を減らすことが目的です。
ルールの変更により自治体の経費が減り、ふるさと納税の本来の趣旨である地域の発展が期待されます。
ポータルサイト大手2社の対応は?
MoneyFixでは「ふるさと納税に関するアンケート調査」を実施しました。
その結果、利用者数が特に多かったサービスは「楽天ふるさと納税」「さとふる」の2つでした。
それぞれのサービスを利用した理由については、下図の通りです。
楽天ふるさと納税を利用した理由については「ポイント還元率が高いから」(81.4%)が突出して多く、「掲載している自治体数が多いから」(25.1%)と続きました。
さとふるを利用した理由については「掲載している自治体数が多いから」(49.4%)が最も多く、「ポイント還元率が高いから」(44.8%)と続いています。
楽天はポイント還元率の高さが評価されており、さとふるはポイントよりも掲載自治体数が多いことの方が選ばれる理由として大きいことがわかりました。
今回のふるさと納税のポイント付与禁止については、「楽天」と「さとふる」の2社で対応に違いが見られます。
楽天はポイント付与禁止のルール変更に反対し、撤回を求めて署名活動を開始しました。
一方、さとふるは政府の方針に従うとしています。
ポイント付与ができなくなった場合の影響は?
ふるさと納税でポイント付与がされなくなった場合、どれくらい影響があるのか、楽天ふるさと納税を例にシミュレーションしてみました。
【条件】
- 家族構成:夫婦共働き、子ども(0〜15歳)2人
- 付与ポイント:4%
- ポイント内訳:SPU:3%(楽天会員+楽天カード)、5と0のつく日に購入:1%
【年収400万円】
- 寄付上限額:4万3905円
- もらえるポイント:1,756ポイント
【年収600万円】
- 寄付上限額:7万9650円
- もらえるポイント:3,186ポイント
寄付上限額は、年収や家族構成に応じて変わります。
ポイント付与が禁止されると、年収400万円なら1,756ポイント、年収600万円なら3,186ポイントがもらえなくなります。
今回はポイント還元率を4%で試算しましたが、購入する時期や購入方法を工夫すれば10%以上の高還元率を獲得することも可能です。
10%で計算すると、年収600万円の場合、約8,000ポイントがもらえなくなることになります。
ポイント付与がなくなるのは2025年10月からのため、来年の9月までにふるさと納税すれば、寄付額に応じたポイントがもらえます。
各ポータルサイトの今後の動向を注視しつつ、ふるさと納税を活用していきましょう。
- ふるさと納税に関するアンケート
- 【調査実施会社】株式会社ウェブクルー
- 【調査期間】2024年1月19日(金)~2024年1月25日(木)
- 【調査方法】MoneyFixのLINE公式アカウントでのアンケート
- 【調査人数】1,536人