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【国民年金保険料】5年延長、100万円の負担増は見送りへ。厚労省が将来もらえる年金を試算

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

厚生労働省は、公的年金における財政状況の検証結果を7月に公表しました。

財政検証の結果、検討項目だった「国民年金保険料における納付期間の延長」は見送られる見通しです。

この記事では、国民年金保険料の延長案見送りについて解説します。

国民年金保険料の延長案

国民年金保険料については、将来の年金制度を維持するために納付期間を5年間延長するかどうかの検討が行われていました。

国民年金保険料は、自営業者や学生などの「第1号被保険者」が支払います。

加入期間は、原則として20歳以上60歳未満です。

納付期間を5年延長した場合、保険料の支払額はどうなるのでしょうか。

2024年度の納付額は月額1万6980円なので、もし納付期間が5年延長されたら、保険料の負担総額は100万円を超える見込みです。

国民保険料の納付期間延長は、2025年からの実施が検討されていましたが、国民の負担増への反発を懸念し見送りとなりました。

しかし、今後の財政状況によっては、納付期間の延長案が検討項目となる可能性はあるでしょう。

将来の年金受給額は?

今回の検証を受けて、将来受け取れる年金受給額についても公表されました。

賃金水準別の年金月額

賃金別の年金額は、以下の通りです。

出典:厚生労働省「令和6年財政検証関連資料」

夫婦世帯の場合、賃金が40万円だと、年金月額は21.5万円となります。

年金額の将来見通し

経済成長率をもとに、将来の年金額がいくらになるのかについても試算されました。

  • 成長型経済移行・継続ケース(実質賃金上昇率1.5%)
  • 過去30年投影ケース(実質賃金上昇率0.5%)

【成長型経済移行・継続ケース(実質賃金上昇率1.5%)】


【過去30年投影ケース(実質賃金上昇率0.5%)】
 

賃金上昇の伸び率が0.5%を下回ると、公表された結果よりも受給額が下回る可能性があります。

少子高齢化が顕在化する中、公的年金制度の動向に注目が集まります。

出典
  • 厚生労働省「令和6年財政検証関連資料」

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