歳を重ねると足腰が弱くなり、これまで不自由なく過ごしていた家での暮らしに不自由を感じることもあるでしょう。
階段の上り下りだけでなく、トイレやお風呂の段差などを不自由に感じる人もいるかもしれません。
これらの問題を解決するためには、自宅のバリアフリー化が最適ですが、多額の工事費用がかかることが懸念点です。
この記事では、高齢者が住みやすいと感じる家の特徴や、バリアフリー化するうえで利用できる補助金について解説します。
住宅のバリアフリー化で使える補助金。自治体や介護保険から支援が受けられる
マネーFix 編集部
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高齢者が住みやすいと感じる家
株式会社AlbaLinkは、持ち家に住んでいる500人を対象に「高齢者が住みやすい家に関する意識調査」を実施しました。
出典:株式会社AlbaLink「高齢者が住みやすい家に関する意識調査」
高齢者が住みやすい家の特徴については、「バリアフリー化されている」(401人)が最も多く、「ワンフロアで生活可能」(199人)、「使いやすい導線」(65人)と続きました。
高齢者になると足腰が弱り、ちょっとした段差がケガへつながる可能性があります。
安全に日常生活を送るために、バリアフリーを求める人が多いことが伺えます。
上位3つの回答からは、「ケガの心配が少ない安全な暮らしがしたい」という希望が伺えます。
バリアフリー化で使える補助金
住宅をバリアフリー化するのには、多額の費用がかかりますが、自治体や介護保険から補助金が支給される場合があります。
ここでは、一例を紹介します。
千葉県船橋市:住宅バリアフリー・断熱改修支援事業
千葉県船橋市の「住宅バリアフリー・断熱改修支援事業」では、転倒防止やヒートショックを防止するための改修を支援しています。
対象となる工事は以下の通りです。
- 段差の解消
- スロープの設置
- 手すりの設置
- 床の張替え(防滑化)
- トイレの改修
- 風呂の改修
- 引き戸への変更
- 廊下等の拡幅
- いす式階段昇降機の設置
- 断熱改修
助成額は以下の通りです。
- 工事費用の10分の3(合計3万円以上の工事が対象)
- 上限8万円
令和6年度の申請期日は、令和7年1月10日までです。
東京都町田市:住宅バリアフリー化改修工事助成金
東京都町田氏の「住宅バリアフリー化改修工事助成金」は、住みやすい住環境を整えるためにバリアフリー化の工事費用を助成する取り組みです。
申請条件はバリアフリー化工事の施工者や発注者、工事する住宅を持っていてそこに住んでいることなどが挙げられます。
対象の工事は以下の通りです。
- 段差の解消
- スロープの設置
- 手すりの設置
- 床の張替え(防滑化)
- トイレの改修
- 風呂の改修
- エレベーター等の設置
助成額は以下の通りです。
- 住宅のバリアフリー化工事にかかる費用の5分の4
- 上限10万円
申請は6月10日から開始されており、受付は先着順となっています。
毎年申請件数が多い人気の助成金で、市の予算上限に達すると終了します。
介護保険の住宅改修(介護リフォーム)
「住宅改修(介護リフォーム)」は介護保険制度の一環で、要介護・要支援者が利用できるバリアフリー化工事の補助金です。
バリアフリー化にかかる工事費用として、上限20万円までの補助金が支給されます。
対象の工事は、手すりの設置や段差の解消などが挙げられます。
補助金の利用は原則1回のみですが、限度額の範囲内であれば分割して利用できるのが特徴です。
なお、バリアフリー化の費用の捻出には、リフォームローンの利用も有効です。
詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。
- 株式会社AlbaLink「高齢者が住みやすい家に関する意識調査」