5月17日の参院本会議において、改正道路交通法が可決されました。
今回の改正により、自転車で交通違反をすると罰金が科せられることになります。
では、どのような交通違反に対して、いくらの罰金が科せられるのでしょうか。
この記事では、自転車で交通違反した場合に科せられる罰金の内容について解説します。
【自転車】スマホを見ながら運転で罰金1万2000円。道交法改正で自転車も罰金の対象に
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
道路交通法改正の背景
今回の道路交通法改正の背景には、「事故につながる危険な運転」「警告に従わない違反」が増加していることがあります。
警視庁が調査した「自転車の交通指導取締り状況」によると、2023年の検挙件数は、4万4207件でした。
2022年の約1.8倍となっています。
このような状況を受けて、自転車の危険な運転を減少させるという狙いがあります。
罰金の内容と金額は?
改正道路交通法では、16歳以上の人に対して罰金が科せられます。
対象となる違反は112種類です。
代表的な違反例として「イヤホンの使用」「信号無視」「携帯電話の使用」があります。
交通違反をした場合は、5,000~1万2000円程度の罰金が科せられます。
【違反例と罰金の見通し】
- イヤホンの使用:5,000円
- 信号無視:6,000円
- 携帯電話の使用:1万2000円
違反が複数重なった場合、罰金が高くなります。
また、車道を走る自転車を保護する目的で「思いやり規制」が盛り込まれました。
「思いやり」規制は、車道を走る自転車と自動車に、以下のルールを義務付けたものです。
- 自転車:自動車が追い抜く際に十分な間隔がない場合、できる限り左端に寄る
- 自動車:自動車が追い抜く際に十分な間隔がない場合、安全な速度で走行する
「思いやり規制」に違反した場合、以下の罰則が設けられています。
- 自転車側:5万円以下の罰金
- 自動車側:3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金
このように、自転車だけでなく自動車に対しても新たな交通ルールが設けられました。
なお、改正道路交通法は、2026年には適用される見通しです。
すでに導入している自治体もある
自転車の交通違反に対し、すでに罰金を導入している自治体もあります。
罰金が導入されている代表的な違反行為は「イヤホンの使用」です。
イヤホンを使用しながら自転車に乗る行為については、ほとんどの自治体で禁止しています。
東京都をはじめとする多くの自治体では、違反した場合、5万円以下の罰金が科されます。