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【円安】1ドル160円超え。バブル以来の記録的な円安が生活にどう影響するか

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

2023年4月29日から、外国為替市場における円相場が激しく動きました。

為替介入の明言はなかったものの、円安の話題が連日にわたって注目されています。

「円安」が続くと、輸入価格やエネルギー価格が上昇し、生活費や旅行費用に影響が出る可能性があります。

この記事では、円安が生活に与える影響について解説します。

なお、旅行に与える影響については、こちらの記事を参考にしてください。

海外産の果物や肉などの食品

円安が進むと、海外産の果物や肉といった食品が値上がりします。

帝国データバンクが調査した「食品の値上げ要因」を見ると、28.9%が「円安」でした。

出典:帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査」

円安になると、海外の食品の輸入コストが増えてしまうため、価格が値上がりします。

実際に、海外産の果物や肉の価格が値上げされ始めています。

帝国データバンクは、1ドル150円台後半の円安水準が長期化すれば、秋にも値上げラッシュがあると予想しています。

電気代やガソリン代のエネルギー

電気代やガソリン代などのエネルギー価格にも、円安が影響します。

日本のエネルギー自給率は12.6%(2022年度)です。

石油・石炭・天然ガスなどの資源が乏しく、海外からの輸入に頼っている日本では、円安によって輸入コストが上がると、ガソリン代や電気代が高くなる可能性があります。

ガソリン代については、政府が補助金による支援をしているため、円安の影響を感じないかもしれません。

しかし、電気代の補助金は5月末で終了する予定です。

補助金が終了すると、6月以降の電気代は、標準家庭で月額1,400円程度増加する見通しです。

このまま円安局面が続けば、負担額はさらに増えるかもしれません。

国産の商品にも影響

円安によって値上がりするものは、海外から輸入する食品やエネルギー価格だけではありません。

国産の商品価格にも、円安が影響します。

日本の場合、原材料を海外から輸入して食品や製品を作っています。

円安によって、海外から原材料を仕入れるコストが高くなっているため、利益を出すには値上げする必要があります。

帝国データバンクが調査した「食品の値上げ要因」を見ると、「原材料高」が90.5%で最も高い割合となりました。

また、前述のように、円安によってエネルギー価格が上昇すれば、輸送コストも増えてさらに値上げされる可能性もあるでしょう。

このように、円安は海外産の果物や肉といった食品やエネルギー価格に影響を及ぼします。

また、国産の商品も、原材料の調達コストが増えているため、価格が高くなる可能性があります。

4月29日の外国為替市場では、一時160円台となり1990年4月以来の水準まで円安が進みました。

その後、低下しているものの、154円台で高止まりが続いています。

歴史的な円安となった為替が今後どのように推移するのか、引き続き注目が集まります。

出典
  • 帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査」

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