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意外とやりがちなNISAの落とし穴。「夫のお金で投資」は脱税になるかも!?

執筆者:マネーFix 編集部

マネーFix 編集部

マネーFix 編集部は、FP有資格者や「ビジネス書」や「学習参考書」などさまざまなジャンルの編集経験者で構成されています。わかりやすく確かな情報を発信し「人生におけるお金の決断」の判断基準となる、信頼できるメディアを目指します。

新NISAは、投資で得た利益を非課税にできるお得な制度です。

そのため、新NISAを始めたいと考えている人も多くいるでしょう。

しかし、新NISAは正しく使わないと脱税になる可能性があります。

この記事では、新NISAの活用で脱税にならないための注意点を解説します。

新NISAのルール

新NISAは、投資で得た利益を非課税にできる制度です。

本来、株や投資信託などで得た売却益や分配金・配当金には約20%の税金がかかります。

しかし、NISAを利用して得た利益は非課税になります。

新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類があります。

それぞれ年間に投資ができる額が、以下のように決まっています。

  • つみたて投資枠:年間120万円
  • 成長投資枠:年間240万円

この2種類は併用することが可能で、合計すると年間360万円まで、非課税での投資が可能になります。

非課税で保有できる期間は無期限で、非課税保有限度額は、全体で1800万円です。

夫婦間の資金移動は脱税になる可能性あり

新NISAはお得な制度ですが、場合によっては脱税になってしまうケースがあるので注意が必要です。

脱税になってしまうケースとして考えられるのは夫婦間の資金移動です。

例えば、夫がNISA(つみたて投資枠)で月10万円ずつ積立投資しているとします。

新NISAのつみたて投資枠の上限額は1人につき年間120万円までです。

ここで、妻の投資枠も使って積立投資をするために、夫が妻に10万円を渡して、妻のNISA口座でも積立投資をしたとします。

一見、問題なさそうに見えますが、この場合、脱税になる可能性があります。

夫から妻へ、年間120万円渡していることになり、贈与税の対象になるからです。

贈与税とは、年間110万円を超える財産を受け取った場合に、受け取った側に課せられる税金です。

教育費や生活費といった名目で贈与された財産は原則として非課税ですが、貯蓄に充てたり投資の資金として用いたりした場合は課税対象となります。

ただし、年間110万円までの贈与については非課税となります。

したがって、上記の場合、10万円分は贈与税の課税対象となります。

年間110万円の非課税枠を超えた場合は、確定申告をする必要があります。

申告しない場合は脱税になってしまうので注意が必要です。

脱税を回避するためのポイント

脱税を回避するためのポイントは以下の通りです。

  • 原則自分のお金で運用する
  • 資金移動を110万円以内にする

新NISAは原則自分のお金で運用しましょう。

新NISA口座は1人1口座までと決められているため、複数口座の開設はできません。

他人名義での運用(「名義貸し」)は禁止されています。

ただし、専業主婦で収入がなく、それでも新NISAで資産運用を行いたい場合は、夫からの資金移動を年間110万円以下に抑えることが大切です。

年間110万円までの基礎控除があるため、それ以内であれば贈与税の対象にはなりません。

資金に余裕がある夫婦は、年間110万円までの範囲で資金を移動し、夫婦それぞれのNISA口座で運用しましょう。

今回のケースの場合、夫だけの運用であればつみたて投資枠と成長投資枠を併用して、年間360万円までしか運用できません。

しかし、贈与税がかからない範囲で妻へ資金移動することで、夫婦で470万円運用ができるようになります。

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