政府は2024年3月5日に、マイナンバーに関連する法律の一部を改正する法案を閣議決定しました。
改正法によって、マイナンバーカードを携帯していなくても、スマートフォンがあればさまざまなサービスや手続きが受けられるようになる見通しです。
この記事では、マイナンバー法の改正によって何が変わるのかについて解説します。
マイナカードの紛失リスクが減る。スマホ搭載で本人確認が可能に。2025年夏に導入予定
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
マイナンバー法の改正で変わること
マイナンバー法の改正によって、マイナンバーカードのICチップに記録されている基本情報をスマートフォンに搭載できるようになります。
基本情報とは、以下の項目です。
- 住所
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 顔写真
- マイナンバー
基本情報がスマートフォンに搭載されると、マイナンバーカードを持ち歩かなくても、さまざまな手続きができるようになります。
2024年3月現在、マイナンバーカードをスマホに搭載することで利用できるサービスは、以下の通りです。
- マイナポータルでの申請:子育て支援や引越しの手続きがオンラインで申請可能
- 健康診断情報などの閲覧:薬剤、健診情報、母子健康手帳の自己情報が閲覧可能
- コンビニ交付サービス:住民票の写しをはじめとする市区町村の各種証明書が取得可能
では、マイナンバー法の改正によって、新たにどのような手続きができるのか確認しましょう。
マイナンバーでできるようになること
マイナンバー法改正によって、マイナンバーカードを持つ人の属性情報を、すべてスマートフォンに搭載することができるようになります。
これによって、以下のようなサービスを受けられるようになります。
- インターネットで銀行口座を開設する際の本人確認
- コンビニのセルフレジでの年齢確認
- 健康保険証としての利用
例えば、現在は、銀行や証券口座の開設をする際、マイナンバーカードをスマートフォンで撮影してアップロードする必要があります。
マイナンバーカードの情報がスマートフォンに搭載されると、撮影やアップロードの必要がなくなります。
なお、現在はAndroid端末のみが対象ですが、今後はすべての端末についてマイナカードのスマホ搭載を導入する見通しです。
政府は、2025年夏ごろの導入を予定していますが、具体的な導入時期は未定となっています。