能登半島地震における地震保険の支払い保険金について、日本損害保険協会が途中結果を公表しています。
地震の発生頻度が他国と比べて多い日本では、地震保険をどのように備えればよいのでしょうか。
この記事では、地震保険の適切な備え方について解説します。
【地震保険】能登半島地震の保険金支払いは約5割が完了。知っておきたい地震保険の仕組みや補償額
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
能登半島地震における地震保険
日本損害保険協会は、能登半島地震における地震保険の支払件数と保険金額を発表しました(2024年1月末時点)。
- 支払件数:約2万5000件
- 保険金額:約205億円
各都道府県の支払保険金額は、以下の通りです。
- 新潟県:約52億円
- 富山県:約64億円
- 石川県:約80億円
- 福井県:約3億5000万円
- その他:約3億5000万円
出典:日本損害保険協会「令和6年能登半島地震に係る地震保険の支払件数・支払保険金等について」
事故受付件数は7万6497件ですが、調査が完了した件数は約3万8533件で、全体の約5割にとどまっています。
地震保険に加入することでと、地震による損害があった場合に保険金が支払われます。
地震保険の概要と適切な備え方について確認しましょう。
地震保険の概要
地震保険は、地震による家屋の倒壊だけでなく、火災や津波が原因での家屋の損害も対象です。
- 地震による家屋の損害
- 地震による火災が原因での家屋の損害
- 地震による津波が原因での家屋の損害
地震保険は、建物や家財にかける火災保険とセットで加入します。
地震保険で支払われる保険金は「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4つに区分されています。
出典:財務省「地震保険制度の概要」
それぞれの支払基準は、以下の通りです。
出典:財務省「地震保険制度の概要」をもとに作成
ただし、「地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害」や「地震等の際の紛失・盗難」などについては、補償の対象外となります。
地震保険の補償額を上げるには
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の50%までしか準備できません。
例えば、火災保険の保険金額が5000万円の場合、地震保険で補償される保険金額の上限は2500万円です。
しかし、特約をつけることで、火災保険の保険金額の100%まで補償できる商品もあります。
- 損害保険ジャパン「地震危険等上乗せ特約」
- 東京海上日動「地震危険等上乗せ補償特約」
- ソニー損保「地震上乗せ特約(全半損時のみ)」
地震はいつ、どこで、どんな規模で起きるかわかりません。
いざというときに備え、火災保険や地震保険を見直してみましょう。
- 日本損害保険協会「令和6年能登半島地震に係る地震保険の支払件数・支払保険金等について」
- 財務省「地震保険制度の概要」