2023年は、食品やエネルギー価格の高騰が大きく取り上げられた年でした。
物価高によって家計が圧迫された世帯も多かったのではないでしょうか。
この記事では、2023年の物価状況や、2024年以降の物価の見通しについて解説します。
【物価上昇】2024年はどうなるか?4人家族で約15万円の負担増になるかも
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
2023年の物価状況
総務省が調査した「消費者物価指数」によると、生鮮食品を除く総合指標は105.2でした。
2022年の平均値と比べて3.1%上昇しました。
特に価格が上昇した項目は「食品」と「エネルギー」です。
帝国データバンクの調査によると、2023年に値上げした食品は全部で3万2395品目でした。
2022年の2万5768品目を、大きく上回る結果となりました。
エネルギー価格については、ガソリンと電気の値上げが目立ちました
6月には大手電力会社が電気料金を値上げ、ガソリン価格は9月時点で過去最高値を記録しました。
では、こうした状況を踏まえて、2024年の物価はどのように推移すると予想されるのでしょうか。
2024年の物価見通し
帝国データバンクの「『食品主要195社』価格改定動向調査」によると、2024年1~4月の食品値上げは1,596品目と予想されています。
2023年と比べると8割減のペースで、食品値上げは収束する見通しです。
しかし、全体的な物価については、上昇が続くことが予想されています。
また、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が公表した「2024年の日本経済見通し」によると、物価は「緩やかに伸びる」と予想されています。
【日本の消費者物価指数上昇率の予想(2023年同期比)】
- 1~3月:2.4%
- 4~6月:2.4%
- 7~9月:2.2%
- 10~12月:1.8%
出典:三井住友DSアセットマネジメント株式会社「日本の消費者物価指数上昇率の予想」
さらに、株式会社第一生命研究所の調査では、2024年のインフレ率は+2.4%になり、1人あたりの家計負担は2万9000円程度(4人家族の場合14万9000円程度)増加すると試算しています。
このように、物価の上昇は2024年も続くというのが大方の予想となっています。
- 三井住友DSアセットマネジメント株式会社「日本の消費者物価指数上昇率の予想」
- 株式会社第一生命研究所「どうなる?2024年の物価と家計負担!」