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2024年度は医療・介護・障害の「トリプル改定」。各種報酬は引き上げ。窓口負担はどう変わる?

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

2024年度は「診療報酬」「介護報酬」「障害福祉サービス等報酬」が同時に改定される年で、「トリプル改定」と呼ばれています。

「トリプル改定」は6年に1度行われるため、注目が集まっています。

この記事では、2024年度に予定されている「トリプル改定」の概要について解説します。

診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬が引き上げ

厚生労働省は、「診療報酬」「介護報酬」「障害福祉サービス等報酬」の引き上げを発表しました。

診療報酬は+0.88%

2024年度は、「診療報酬」が0.88%引き上げられます。

主に医療従事者の賃上げを行うための人件費に充てられます。

特に、看護師や、看護補助者、技師、40歳未満の勤務医や、薬局などに勤務する薬剤師が賃上げの対象です。

介護報酬は+1.59%

介護報酬は1.59%の引き上げとなります。

介護業界では、高齢者で介護が必要な人数が増えている一方で、給与水準の低さを理由とした人材流出や、人手不足が懸念事項でした。

今回の引き上げによって、賃金上昇や待遇の改善につなげる見通しです。

障害福祉サービス等報酬 +1.12%

障害福祉サービス等報酬は1.12%の引き上げとなります。

現在、介護職にかかわる職員への処遇改善を目的に、3つの報酬加算を実施しています。

  • 処遇改善加算
  • 特定処遇改善加算
  • ベースアップ等支援加算

上記の処遇改善を一本化すると、報酬の改定率が1.5%を上回るとされています。

では、診療報酬や介護報酬の改定によって、窓口での負担や社会保険料にどのような影響があるのか確認しましょう。

医療費や手取りにどう影響する?

診療報酬や介護報酬が引き上げられると、患者の負担につながります。

診療報酬の一部は患者が支払うので、引き上げは窓口での負担増となります。

また、介護サービスを利用する場合も、利用者負担として介護報酬の1割を負担します。

そのため、介護報酬が引き上げられれば、介護サービスにかかる負担も増加します。

 出典:厚生労働省「介護報酬について」

さらに、健康保険料や介護保険料といった社会保険料も負担が増えます。

ただし、保険料は都道府県で異なるため、現時点では保険料が増えるかどうかは不明です。

診療報酬や介護報酬の引き上げは、医療従事者や介護職員の処遇改善にもつながりますが、患者や介護サービスを受ける人の経済的な負担にもつながります。

診療報酬は2年、介護報酬と障害福祉サービス等報酬は3年ごとに改定が行われます。

社会保険料などにどう影響が出るか、注目が集まります。

出典
  • 厚生労働省「診療報酬改定について」
  • 厚生労働省「介護報酬について」

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