2024年度から、東京都は給食費の無償化をする区市町村に対して、最大で半額を補助する方針を決めました。
給食費の無償化については、自治体によって実施状況にバラつきがある中、都が支援することで、東京都全体に拡大することを目指しています。
この記事では、2024年1月現在、東京23区で給食費が無償化されている自治体について解説します。
【東京都】給食費の無償化へ。子ども1人あたり約50万円の負担減に
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
給食費が無償化されている自治体
2023年1月に台東区が給食費の完全無償化を実施して以降、ほとんどの自治体が2023年に無償化に踏み切りました。
2024年1月時点で、東京23区内の区立小中学校における給食費は、以下の通りです。
- 有料:渋谷区
- 一部無償化:新宿区、練馬区
- 完全無償化:上記以外
新宿区と練馬区では、第2子以降の給食費が無償化されています。
また渋谷区と新宿区では、2024年4月から給食費を無償化にする見通しです。
そのため、2024年度から給食費が必要な自治体は、23区では練馬区のみになります。
今回、東京都が実施する補助は、給食費を無償化する自治体に対して実施するものです。
また、練馬区のように一部無償化としている自治体が完全無償化に移行できる支援にもなっています。
さらに、これまで多くの自治体が対象外にしていた、特別支援学校の給食費も無償化される見通しです。
では、給食費の無償化によって家庭にはどのような恩恵があるのか、給食費の負担額について確認しましょう。
給食費はいくらかかる?
東京都が公表した「令和4年度 東京都における学校給食の実態」によると、東京都の公立学校における給食費の平均月額は、以下の通りでした。
- 小学校低学年:4,129円
- 小学校中学年:4,431円
- 小学校高学年:4,722円
- 中学校:5,263円
小学校~中学校の9年間で必要な給食費は、以下の通りです。
- 小学校低学年:4,129円×12ヵ月×2年=9万9096円
- 小学校中学年:4,431円×12ヵ月×2年=10万6344円
- 小学校高学年:4,722円×12ヵ月×2年=11万3328円
- 中学校:5,263円×12ヵ月×3年=18万9468円
- 9年間合計=50万8236円
給食費が無償化されると、小中あわせて約50万円の負担減となります。
東京都は給食費の無償化を後押しするために、新たに239億円を予算に盛り込むことになりました。
東京都のほかにも給食費を無償化する自治体が増えています。
全国的に無償化がどこまで広がるのか、注目が集まります。
- 文部科学省「令和3年度学校給食実施状況等調査」