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政府が第3子の数え方を見直しへ。児童手当拡充で第3子の受給総額は648万円に。ただし、満額受給できるのは「3つ子」の場合のみ。

執筆者:マネーFix 編集部

マネーFix 編集部

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岸田首相は2023年10月26日、児童手当の拡充に関する初回支給を来年12月に開始すると述べました。

児童手当の制度変更によって、第3子の支給額は月3万円に増額されます。

高校卒業まで月3万円の支給が受けられれば、総額648万円となります。

しかし、実際に648万円の支給が受けられるのは、3つ子などのレアなケースのみです。

この記事では、第3子がいる場合の児童手当の受給額をシミュレーションします。

第3子の受給総額が648万円に

現行の児童手当と、2024年から拡充される内容は下表の通りです。

新制度では、高校生まで児童手当の対象になります。

第3子以降については、年齢にかかわらず月3万円になります。

第3子の受給総額は、以下の通りです。

  • 現行制度:270万円
  • 新しい制度:648万円(高校3年まで3万円受給した場合)

満額受給した場合、378万円の大幅増額となります。

しかし、現行制度の第3子の要件を当てはめると、満額受給できる人の条件が大幅に狭くなることが問題視されています。

児童手当拡充による「第3子問題」

現行制度の第3子の要件は、以下の通りです。

「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます。

引用:内閣府「児童手当制度のご案内」

つまり、第1子が高校を卒業すると、第2子が第1子、第3子が第2子に繰り上げられることになります。

この要件を当てはめると、子どもが3人いる場合で、第3子が高校卒業まで3万円を受け取るには「3つ子」である必要があります。

子どもの数は一緒なのに、第1子と第3子の年齢差によって受給総額に差が出てしまうことから、「数え方がおかしい」「不公平」との声が上がっています。

第3子の受給額をシミュレーション

子どもが3人いる場合、第3子の受給額をシミュレーションしてみました。

3つ子の場合
第1子が高校3年生の時点で、第3子は高校3年生です。

この場合の受給額は、高校卒業まで月3万円、受給総額は648万円となります。

3人が1歳違いの場合
第1子が高校を3年生の時点で、第3子は高校1年生です。

この場合の受給額は、高校1年まで月3万円、高校2年以降は月1万円となります。

受給総額は636万円です。

3人が2歳違いの場合
第1子が高校を3年生の時点で、第3子は中学2年生です。

この場合の受給額は、中学2年まで月3万円、中学3年以降は月1万円となります。

受給総額は588万円です。

3人が3歳違いの場合
第1子が高校を3年生の時点で、第3子は小学6年生です。

この場合の受給額は、小学6年まで月3万円、中学1年以降は月1万円となります。

受給総額は540万円です。

第1子と第3子の年齢が近いほど児童手当の拡充による恩恵を受けやすく、年が離れるほど受給総額が減ります。

支給要件の見直しへ

こうした課題を受けて、政府は「子どもとして数える期間」を延長する方向で検討を進めています。

現行制度では「子どもとして数える期間」は高校生までですが、大学生まで延長する方針です。

これによって、第1子が大学を卒業するまでは、第3子が第2子に繰り上がることはありません。

第1子と第3子の年齢差が4歳以内であれば、第3子は児童手当を満額で受け取ることができます。

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児童手当の拡充については、「2024年10月から児童手当が大幅増額」で詳しく解説しています。

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