10月26日に、X(旧ツイッター)で「主婦年金廃止」がトレンド入りしました。
主婦年金廃止について「少子化をさらに加速させるのではないか」「新たな増税案ではないか」など、まざまな声が上がっています。
この記事では、主婦年金の概要や、主婦年金が廃止された場合の影響について解説します。
主婦年金廃止で専業主婦も国民年金保険料の支払いが必要になるかも
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
主婦年金とは?
「主婦年金」とは、会社員や公務員に扶養される配偶者を対象とした年金(第3号被保険者制度)のことです。
出典:日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
会社員や公務員に扶養されている配偶者は、「第3号被保険者」となります。
「第3号被保険者」は国民年金保険料の支払いが不要で、将来的に公的年金も受け取れます。
女性が専業主婦になる傾向があったことを背景に、第3号被保険者として受け取る年金が「主婦年金」と呼ばれていました。
主婦年金について、政府は廃止を含む、制度の見直しを検討しています。
主婦年金の見直し案
政府は、第3号被保険者の国民年金保険料の負担方法について、以下の3つを検討しています。
- 個人で国民年金保険料を支払う
- 厚生年金に加入して厚生年金保険料を支払う
- 将来の公的年金額を減少する
パートタイマーやアルバイトで、収入がある場合は個人で支払えますが、収入のない場合は配偶者が負担する必要があります。
現行制度では、一定の要件を満たして年収106万円を超えた場合、厚生年金への加入が必要になります。
厚生年金に加入する「年収106万円」の基準を引き下げて、厚生年金に切り替えてもらう案も検討されています。
また、保険料は無料のまま、将来給付する年金額を減少する案も検討されています。
主婦年金の廃止で世帯の負担はどうなる?
主婦年金が廃止され、専業主婦も個人で保険料の支払いが必要になった場合、どのくらい負担が増えるのでしょうか。
2023年度の国民年金保険料は、月1万6520円です。
年間約20万円の保険料の支払いが必要になります。
厚生労働省が2022年12月に発表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況 」によると、763万人が第3号被保険者です。
主婦年金については、2024年に年金改正の内容が決定し、早ければ2025年に実施される可能性があります。
主婦年金がどのように見直されるのか、引き続き注目が集まります。
- 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」