保険の契約をしている人には、10月頃になると保険会社から「保険料控除証明書」が送られてきます。
保険料控除証明書は、年末調整で生命保険料控除を受けるために必要な書類です。
この記事では、年末調整で生命保険料控除を受ける方法について解説します。
年末調整で生命保険料控除を受けるには。妻の保険は控除の対象になる?
マネーFix 編集部
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生命保険料控除の種類
生命保険料控除とは、その年に支払った生命保険料のうち一定の金額が、その年の所得から差し引かれる制度です。
生命保険料控除は以下の3種類に区別されており、保険の種類によって受けられる控除が異なります。
- 一般生命保険料控除:定期保険、収入保障保険、死亡保険など
- 介護医療保険料控除:医療保険やがん保険など
- 個人年金保険料控除:個人年金保険
個人年金保険に関しては、以下に該当したものが対象になります。
- 年金の受取人が保険料もしくは掛金の払込みをする人、またはその配偶者
- 保険料の支払い期間が10年以上
- 年金の支払は、年金受取人の年齢が原則として満60歳になってから支払われ、10年以上の定期または終身の年金
生命保険料控除は2011年12月31日以前に契約した「旧契約」と、2012年1月1日以降に契約した「新契約」に分かれます。
旧契約は一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2種類ですが、新契約は介護医療保険料控除が加わっています。
旧契約か新契約かによって控除額も異なります。
出典:公益財団法人生命保険文化センター「生命保険と税金」(以下同)
生命保険料控除額の求め方
生命保険料控除額は、下表の計算式によって求めることができます。
新契約
3つの控除を合計した控除限度額は、所得税12万円、住民税7万円です。
旧契約
2つの控除を合計した控除限度額は、所得税10万円、住民税7万円です
新契約と旧契約の両方に加入している場合
新契約と旧契約でそれぞれ合計して控除額を計算します。
「新契約にかかる控除額(最高4万円)」「旧契約にかかる控除額(最高5万円)」「新旧併用の控除額(最高4万円)」を計算します。
「旧契約にかかる控除額」と「新旧併用の控除額」のいずれか大きい金額を控除額とします。
控除限度額は、所得税12万円、住民税7万円です。
旧契約か新契約かは、保険料控除証明書に記載されています。
必要書類と年末調整の方法
年末調整で生命保険料控除を受けるために必要な書類は、以下の2点です。
- 給与所得者の保険料控除申告書(保険料控除申告書)
- 生命保険料控除証明書
保険料控除申告書
年末調整の時期になると会社から受け取る書類です。
保険料控除申告書には、以下の内容を記載します。
- 契約している保険会社の名前
- 保険の種類
- 保険期間、年金支払期間
- 保険の契約者
- 保険金の受取人
- 新旧の区分
- 年内に支払った保険料の金額
生命保険料控除証明書
10月以降になると、保険会社から送られてきます。
年末調整の際に保険料控除申告書に添付して会社に提出します。
生命保険料控除でよくある疑問
生命保険料控除を申請する際に、よくある疑問は以下の通りです。
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保険料控除証明書は再発行できますか
保険料控除証明書を紛失してしまった場合は、保険会社に問い合わせることで再発行が可能です。再発行の方法は契約している保険会社によって異なります。
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年末調整で生命保険料控除を申請するのを忘れてしまいました
確定申告で保険料控除を申請することができます。給与所得者で確定申告の必要がない人の還付申告期限は、翌年1月1日から5年間です。
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配偶者が契約している保険は、生命保険料控除の対象になりますか
生命保険料控除の対象になるかどうかは、保険料を払っている人が誰かによって決まります。例えば、保険契約者、被保険者、保険金受取人がすべて妻でも、保険料の支払いを夫がしている場合は、夫が生命保険料控除を受けることができます。
- 公益財団法人生命保険文化センター「生命保険と税金」