インフロント株式会社の調査によると、相続で大変だったことに関して「必要な書類の準備が大変だった」という回答が最も多く挙げられました。
また、故人に生前にやっておいてほしかったこととして、財産をまとめた記録や遺言書の作成という回答が多く挙げられました。
この記事では、相続に関する実態と、生前にやっておくとよい手続きについて解説します。
これをやらないと遺産相続が大変に。生前にやっておきたい「財産の把握」「目録の作成」「贈与」
マネーFix 編集部
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相続に関する実態
インフロント株式会社は、相続経験者441人を対象にアンケート調査を実施しました。
出典:インフロント株式会社「相続に関するアンケート調査」(以下同)
相続が発生した際に最初に何をしたかについては、「インターネット等で情報収集」が最も多く、「家族や友人に相談」、「専門家へ相談」と続きました。
相続で大変だったことについては、「必要な書類の準備が大変だった」が最も多く、「多くの時間をとられたこと」、「やるべきことを理解するための情報収集」と続きました。
約半数の人が、書類の準備が大変だったと回答しています。
生前故人にやっておいてほしかったことについては、「財産をまとめた記録があればよかった」が最も多く、「遺言書を作成してほしかった」、「生前贈与してほしかった」と続きました。(「特になし」を除く)
約3割の人が、「財産をまとめた記録を作ってほしかった」と回答しており、財産の整理が相続において大変な作業だということが伺えます。
相続で事前に必要だとだ感じたものについては、「相続全体のやることを把握すること」が最も多く、「相続についての知識を勉強すること」、「相続財産を把握しておけばよかった」と続きました。
生前にやっておくとよいこと
相続をスムーズに進めるために、生前にやっておくとよいことについて解説します。
遺言書(自筆証書遺言)の作成
自筆証書遺言とは自分で作成する遺言書です。
自筆証書遺言を書く場合、以下の要件に従って書く必要があります。
- すべて自筆で書く:パソコンでの作成や代理人による作成は認められていない。
- 遺言書の作成日を記載する:「○○年○○月○○日」と明確に記載する必要がある。
- 署名と押印が必要:自筆で署名し、押印をする必要がある。印鑑は不明瞭だと無効になる可能性がある。
遺言の内容を実行する手続きを行う「遺言執行者」の指定と、誰に何を相続させるのかを記載することで、相続でやるべきことが明確になります。
また、自筆証書遺言を作成する場合、以下の点に注意が必要です。
- 遺言書は一人1つ
- あいまいな表現はトラブルの元になる
例えば、夫婦で1つの遺言書を作成することはできません。
そのため、「私たちは」というように複数人分の遺言を1つの遺言書にしてしまうと無効になります。
また、「任せる」や「託す」などのあいまいな言葉を使うと、トラブルに発展する可能性があります。
人によって解釈が異なる言葉は使わず、「相続させる」「取得させる」など明確な表現を使うようにします。
財産目録の作成
財産目録とは、負債も含めて保有するすべての財産を種類ごとにまとめ、財産の状況を明らかにした書類のことです。
財産目録を作成することで、相続財産を把握できます。
財産目録は、パソコンを使っての作成や、代理人による作成も可能です。
代理人が作成する場合、各ページに署名押印する必要があります。
財産目録に記載する項目は主に以下の通りです。
- 金融資産:預貯金、現金、有価証券など
- 不動産:土地、建物、山林など
- 動産:自動車、家財、貴金属など
- 負債:ローン、借金など
生前贈与
生前贈与とは、生前に財産を譲ることを指します。
財産を与える側と受け取る側の双方に合意がある場合、生前贈与が成立します。
生前贈与された財産には贈与税がかかり、資産の内容によってかかる税金の種類が異なります。
生前贈与について、詳しくはこちらの記事「生前贈与と相続税の軽減措置を解説」を参考にしてください。
- インフロント株式会社「相続に関するアンケート調査」