東京都の「018サポート」は、都内に18歳以下の子どもがいる世帯に1人あたり月5,000円が給付される制度です。
2023年12月15日までに申請手続きを完了した場合、2024年1月に最大で6万円が給付される予定です。
しかし、生活保護を受給している世帯については、018サポートの給付金を受給すると生活保護費が減額するという課題が指摘されていました。
この記事では、生活保護の収入認定の概要と、018サポートの給付金は収入認定されるのかについて解説します。
【018サポート】子ども1人5,000円をもらうと生活保護費が減る?収入認定から除外の方向へ


【記事執筆】FP
川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
生活保護の収入認定
出典:厚生労働省「生活保護制度」
生活保護は、収入が最低生活費に満たない場合、最低生活費から収入を差し引いた金額が支給されます。
生活保護の算定基準となる最低生活費は、住んでいる地域や世帯の状況によって異なるため、支給額は一律に決まっていません。
生活保護を受けている期間に、新たな収入が発生すると、毎月の生活保護費が減額されます。
生活保護費の算定基礎となる、収入として認定されるものには、年金や児童扶養手当のほか、以下の収入があります。
- 給与、賞与などの勤労収入
- 農業収入
- 自営業収入
- 年金
- 仕送り
- 贈与
- 不動産等の財産による収入
- 役場から受けた手当
- 財産を処分して得た収入
- 保険給付金
- その他の臨時的収入
なお、生活保護の受給要件や手続き方法については、こちらの記事「生活保護はいくらもらえる?知っておきたい手続き方法や受給要件」も参考にしてください。
018サポートは収入認定される?
東京都の018サポートで支給される月5,000円の給付金は、収入として認定する方向で調整が行われていました。
しかし、018サポートの給付金が収入として認定されると、生活保護費が減額されて、結果として世帯の収入は変わりません。
こうした状況を受けて、2023年9月15日に小池都知事が厚生労働省に「緊急要望」を提出し、018サポートの給付金を、生活保護の収入認定から除外することを求めました。
2023年10月11日時点で、018サポートの給付金については収入認定から除外する方向です。
018サポートは、2023年分をまとめて2024年1月に対象世帯へ支給します。
1月に給付金を受け取りたい世帯は、12月15日までに申請しましょう。
申請方法については、こちらの記事「東京都【018サポート】受付開始。子ども1人最大6万円を支給。申請期日は12月15日」を参考にしてください。
- 厚生労働省「生活保護制度」