賃貸契約で住み替えを考えている場合、理想の家が見つからなかったり、思いのほか初期費用がかかってしまったりすることもあるでしょう。
一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が「マイホーム借上げ制度」によって提供している賃貸住宅は、初期費用をおさえつつ、自分好みにリフォームすることもできます。
マイホーム借上げ制度を活用すれば、賃貸契約の気軽さで、戸建てや分譲マンションに住むことができます。
この記事では、マイホーム借上げ制度の概要や、メリット・デメリット、利用方法について解説します。
賃貸の気軽さで戸建てや分譲マンションに住み替えも。JTIの賃貸住宅はリフォーム可能で敷金・礼金無
マネーFix 編集部
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マイホーム借上げ制度とは
マイホーム借上げ制度とは、一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)が、シニア(50歳以上)世代が所有する空き家を借上げ、子育て世代などに賃貸する制度です。
JTIは、国のサポートを得てマイホーム借上げ制度等の業務を行っている公的な機関です。
使われていない住宅を借上げて賃貸することによって、資産の有効活用と住宅が循環する社会を目指しています。
メリット
マイホーム借上げ制度の賃貸物件に住むメリットは以下の4点です。
- 良質な住宅を借りることができる
- 一軒家や分譲マンションに住むことができる
- 敷金や礼金がかからない
- リフォームが可能
良質な住宅を借りることができる
JTIの物件は、1981年6月に設定された「新耐震基準」をクリアしています。
1981年より前に建てられた物件についても耐震診断を実施し、必要な場合は工事や補修を行っているため安心して住むことができます。
一軒家や分譲マンションに住むことができる
JTIでは、一軒家や分譲マンションを賃貸物件として貸し出しています。
郊外の暮らしやすい物件や子育てに最適な広い一軒家の取り扱いもあります。
ずっと住み続けるかわからないという場合でも、賃貸契約のままで一軒家や分譲マンションに住むことが可能です。
敷金や礼金がかからない
すべての物件で敷金や礼金が不要なので、初期費用を抑えることができます。
リフォームが可能
物件の所有者にあらかじめ許可を取ることで、物件のリフォームをすることが可能です。
家の骨組みに影響しない部分であれば、畳、建具、壁紙、流し台などすべてが対象です。
通常の賃貸物件だと、リフォームは不可能な場合が多いですが、JTIの物件であれば自分好みの部屋を実現できます。
また、退去の際に原状復帰する必要がない点も大きなメリットです。
デメリット
デメリットは以下の2点です。
- 入居できる期間が決まっている
- 更新保証料が必要
入居できる期間が決まっている
JTIの物件は3年以上の定期賃貸借契約(住む期間を決めての賃貸契約)です。
契約期間終了後も住み続けたい場合は、物件の所有者と再契約をする必要があります。
そのため、再契約ができなければ、契約期間終了後は退去の必要があります。
長く同じ物件に住みたいと考える人にとってはデメリットになるでしょう。
逆に、3年未満の短期間だけ借りたいという場合も、利用することができません。
更新保証料が必要
JTIの賃貸契約は保証人が不要です。
しかし、保証費用として、契約時に月額賃料等の50パーセントが必要になります。
また、毎年更新保証料として1万円が必要になります。
利用方法
利用方法は以下の通りです。
- 物件を探す
- 入居の申し込みをする
- 必要費用を支払う
物件を探す
JTIの協賛事業者(不動産業者)のWebサイト等から、希望の物件を探します。
協賛事業者には、JTIが認可したハウジングライフプランナーが所属しており、制度の利用や住み替え等の相談に対応してくれます。
入居の申し込みをする
内見後、必要書類を提出して入居の申し込みをします。
申し込みに必要な書類は以下の通りです。
- 入居申込書
- 本人確認書
- 収入を証明する書類(収入証明書、確定申告書等)
必要費用を支払う
JTIの審査に通過したら、以下の必要費用の支払いをします。
契約日以降、JTI賃貸住宅に入居が可能となります。
- 入居から口座引き落としが始まるまでの期間の家賃
- 仲介手数料(月額賃料の1ヵ月分)
- 保証会社の保証料(月額賃料の50パーセント。その後は毎年1万円)
- 事務手数料1万1000円(税込)
- 家財保険料
なお、JTIのマイホーム借上げ制度の賃貸住宅は、誰でも利用することができます。
戸建てや分譲マンションに住みたいと考えている人は、検討してみるのもよいかもしれません。
マイホーム借上げ制度を利用して、空き家を貸したい人はこちらの記事「住まない家を放置はもったいない。マイホーム借上げ制度で有効活用できるかも」も参考にしてみてください。