「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、資産運用が推進されています。
しかし、一定額の預貯金は残しておきたいという人もいるでしょう。
銀行口座に1000万円を超える預金がある場合、銀行が破綻するなどの有事に戻ってこない可能性があります。
大切な自分の資産を守るには、どのような方法があるのでしょうか。
この記事では、年代別の金融資産や貯金額に関する実態と、有事に備えて自分の資産を守る方法について解説します。
1000万円超の預貯金は危険。有事に返ってこない可能性も。知っておきたい、預金保険制度
マネーFix 編集部
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50代以降の平均総資産額は1000万円以上
金融広報中央委員会が公開している「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」によると、年代別の金融商品保有額は下表の通りです。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」をもとに作成
50代以降の平均金融保有額は1000万円を超えています。また、預貯金額は50代から60代で1.5倍以上に増えています。
平均値のため、60代以降になると預貯金額が1000万円を超えている人も一定数いることが伺えます。
1000万円を超える預金は保護されない可能性も
金融機関が破綻したときのために「預金保険制度」があります。
この制度は、預金者が1つの金融機関で保有している預金等を、元本1000万円と利息分まで保護するものです。
しかし、1000万円を超える預金については、その金融機関の資産状況に応じて返金される額が変わるため、返ってこない可能性があります。
保護の対象となるのは「預金」「定期積金」「元本補てん契約のある金銭信託」です。
一方、「外貨預金」「譲渡性預金」「元本補てんのない金銭信託」は保護の対象となりません。
有事に備えて自分の資産を守る方法
金融機関が破綻してしまう場合に備えて、資産を守る方法を3つ紹介します。
預金額は1000万円までに留める
1つの金融機関に預ける預金の額は、1000万円以下にしておきましょう。
万が一金融機関が破綻しても、預金保険制度により確実にお金を守ることができます。
なお、夫婦や親子で同じ銀行に口座を持っている場合、それぞれ個別の預金者として保護されます。
複数の金融機関に分散する
1000万円を超える資産を持っている場合、複数の金融機関に資産を分散して保持するのがおすすめです。
1人の預金者が、破綻した金融機関に複数の口座を持っていた場合、すべての口座の合計金額によって計算されます。
そのため、同じ銀行で口座を分けるのではなく、複数の金融機関で口座を持っておくようにしましょう。
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」