介護保険料の負担が増えるかも。2024年度に制度改正の動き

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

7月10日に、厚生労働省の専門家部会で、介護保険料の見直しについての議論が行われました。

物価高の影響で先送りにされていましたが、半年ぶりに検討を再開させています。

この記事では、現在検討されている介護保険制度の見直し内容について解説します。

65歳以上の介護にまつわる負担が増える可能性

介護保険制度の見直しが検討されている項目は、次の2つです。

  • 65歳以上の介護保険料の見直し
  • 介護サービスにおける負担割合の見直し

65歳以上の介護保険料の見直し

介護保険料は、40歳から64歳までの世代が支払う保険料と、65歳以上の世代が支払う保険料に分かれています。

今回は、65歳以上の世代が支払う保険料の見直しが検討されています。

保険料の基準となる国の目安を細分化して、高所得者の負担額を引き上げます。

現行制度の基準は9段階ありますが、10段階以上に細分化することが検討されています。

出典:厚生労働省「給付と負担について(参考資料)」(以下同)

2023年度の保険料は、全国平均で6,014円でした。

2000年度からおよそ20年で、負担金額は2倍以上になっています。

現行のサービスを2040年まで続ける場合、保険料の負担は月9,000円程度になると試算されています。

そのため、高齢者どうしで保険料の負担を分け合う方向で、検討が進められています。

介護サービスにおける負担割合の見直し

現行制度では、介護サービスを利用した際の自己負担は原則1割ですが、所得に応じて2割から3割の負担が必要になります。
 
現行制度では、年金やその他の所得額に応じて、負担割合を決めています。

75歳以上が対象となる後期高齢者医療保険の負担が2023年10月から引き上げられる影響で、介護保険も自己負担の割合の引き上げが検討されています。

負担割合が2割から3割に該当する高齢者は、所得水準の上位20%です。

今回の見直しでは、このうち、2割負担をする高齢者の要件を拡大することが検討されています。

仮に、2割負担の対象となる高齢者の要件を拡大させると、2割から3割負担をする高齢者は、所得水準の上位30%まで広がる計算です。

年内に結論か

介護保険制度は、3年に一度、見直しが行われています。

2024年度に改定される内容については、2022年の秋から検討されていました。

しかし、物価高騰の影響を考慮し、「介護保険料の負担が増加した場合に生活が圧迫される」として結論を先送りにしています。

介護保険制度の見直しについては、2023年末までに結論を出す方向で調整が行われています。

どのような形でまとまるのか、注目が集まります。

出典
  • 厚生労働省「給付と負担について(参考資料)」

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