日本郵便は、2023年10月1日より書留や荷物の配達サービスにおける料金を改定すると発表しました。
今回の改定によって、郵便サービスの料金はどのように変わるのでしょうか。
この記事では、10月から値上げされる郵便サービスの内容を一覧表で紹介し、値上げを実施した背景について解説します。
10月から郵便サービス料が10%程度値上がりへ。2024年には手紙やはがきが値上がりの可能性も
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
2023年10月に値上げされるサービス
2023年10月に値上げされるサービスは、次の3つです。
- 郵便物の特殊取扱料
- 荷物の付加サービス
- 国際郵便料金
「郵便物の特殊取扱料」は、書留や代引料金が該当します。
「荷物の付加サービス」は、ゆうパックやゆうメールの代引料金などです。
値上げされる内容について、一覧表で確認しておきましょう。
郵便物の特殊取扱料
特殊取扱料の改定は、下表の通りです。
出典:日本郵便「郵便物の特殊取扱料の改定、荷物の付加サービスの料金改定および廃止ならびに国際郵便料金の改定」より作成(以下同)
各項目とも、25~60円の幅で値上げされる予定です。
荷物の付加サービス
荷物の付加サービスの改定は、下表の通りです。
値上げが実施される項目に加えて、「本人限定受取」など、利用者が少ない一部のサービスについては廃止されます。
国際郵便料金
国際郵便は、次の項目で値上げが実施されます。
- 書状の料金
- 郵便はがきの料金
- 印刷物の料金(低料印刷物を除く)
- 小型包装物の料金
- 特別郵袋印刷物の料金(低料印刷物を除く)
- 航空優先大量郵便物の料金
- 航空非優先大量郵便物の料金
- 国際eパケットライト郵便物の料金
- 国際郵便料金受取人払の郵便物の料金(書状及び郵便はがきに限る)
- 書留料(特別郵袋印刷物を除く)
- 受取通知書
- 保険料(通常郵便物に限る)
これらの料金は、郵便物を送る地域によって値段が変わります。
例えば、次の条件で郵便物を送る場合、地域ごとの金額は、下表の通りです。
- 定型50グラム以内の書状
- 航空扱いとするもの
出典:日本郵便「郵便物の特殊取扱料の改定、荷物の付加サービスの料金改定および廃止ならびに国際郵便料金の改定 別紙」より作成
郵便サービスの値上げの背景には、郵便の利用者の減少や、航空燃料の価格や人件費といったコストの上昇があります。
日本郵便の発表によると、「郵便物の減少が続き、燃料費などのコストも上昇しているなか、安定した事業を継続するために料金を見直した」としています。
家計への負担はどれくらい?
2024年度以降は、手紙やはがきといった郵便料金の値上げも検討されています。
総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2022年調査)」によると、2022年の郵便料を年齢別に見ると、以下の通りです。
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(2022年調査)」より作成
最も郵便料が高い年齢は、70歳以上で「4,229円」でした。
郵便料は年代が若くなるにつれて減少していることがわかります。
今回の各種料金改定と同様、手紙やはがきの料金が10%程度値上げされた場合、年間で400円程度、負担が増えることが想定されます。
値上げが実施された場合、手紙は約30年ぶり、はがきは6年ぶりの値上げになります。
どの程度の値上がりになるのか、今後の情報に引き続き注目しましょう。
- 日本郵便「郵便物の特殊取扱料の改定、荷物の付加サービスの料金改定および廃止ならびに国際郵便料金の改定」
- 日本郵便「郵便物の特殊取扱料の改定、荷物の付加サービスの料金改定および廃止ならびに国際郵便料金の改定 別紙」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(2022年調査)」