NEXCO東日本、中日本、西日本の3社は、2025年度までに高速道路に設置する電気自動車(EV車)の急速充電器を、約2倍に増やす方針を固めました。
さらに、EV車の利用者に向けて、新たな料金制度を設ける方向で検討を始めました。
この記事では、EV車の利用者に向けた、高速道路の新たな料金制度と、EV車を取り巻く現状について解説します。
【EV車】充電のため高速道路を降りても無料。ガソリン車よりも次世代自動車が恩恵を受けやすくなる
【記事執筆】FP川辺 拓也
3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。
高速道路の新しい料金制度
EV車の充電をするために高速道路から一般道へ降りても、費用がかからない制度が検討されています。
EV車のバッテリーが減って、一度高速道路から降り、一般道にある販売店などで充電する場合を想定しています。
一度高速道路を降りると、再度高速道路に乗る際に新たな料金が発生します。
新しい制度では、充電を目的に一般道に降りても、新たな料金がかからないように調整する方向です。
利便性を高め、EV車での長距離移動を支えることが目的です。
新しい料金制度は2024年度から実施の予定です。
次に、エコカー減税やEV車を取り巻く状況について確認しましょう。
エコカー減税の燃費基準
エコカー減税は、新車登録時や車検時に課される「自動車重量税」が対象で、燃費基準の達成率に応じて減免されます。
減免基準は下図の通りです。
出典:国土交通省「自動車重量税額について 【新車新規登録を受ける場合】」
減免の有無は「2030年度燃費基準達成率」に左右されます。
現行の制度では、「達成率90%以上」で初回の自動車税が免税されます。
さらに性能がよく、「達成率120%以上」の自動車は、2回目の自動車税も免税されます。
2024年1月から予定している、燃費基準引き上げの概要は下表の通りです。
EV車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス車などの次世代自動車は、燃費基準引き上げの対象になっておらず、減免区分は「免税(2回)」のままとなっています。
今後、エコカー減税の恩恵を受けやすい車は、EV車などの次世代自動車になっていくでしょう。
政府は、EV車をはじめとする次世代自動車の普及目標を、2030年に50〜70%へ引き上げる目標を掲げています。(2020年時点のEV車の普及比率は36%)
高速道路の料金制度や、エコカー減税など、EV車が恩恵を受けやすい制度が整いつつあります。
車の買い替えを検討している人は、EV車などの次世代自動車も検討してみてはいかがでしょうか。
なお、こちらの記事「高速道路の料金が安くなるETC割引やマイレージポイントをご紹介!」では、高速道路料金を安くする方法を紹介しています。
興味のある人は、参考にしてみてください。
- 国土交通省「自動車重量税額について 【新車新規登録を受ける場合】」