「教育訓練給付金」は、厚生労働大臣指定の教育訓練を受講した人に、費用の一部を支給する制度です。
雇用保険の加入期間が1年以上あるなど、一定の要件を満たした人が対象となります。
教育訓練給付金は、仕事や講座の種類によって、「一般教育訓練給付金」「特定一般教育訓練給付金」「専門実践教育訓練給付金」の3種類に分けられます。
この記事では、教育訓練給付金を受けるための、対象者や支給額、受講できる講座などについて、解説します。
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一般教育訓練給付金の概要
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」「一般教育訓練の教育訓練給付金の支給申請手続きについて」をもとに作成
初めて一般教育訓練を利用する場合、雇用保険の被保険者期間が通算1年以上あれば、厚生労働省が指定する講座を受講・修了したあとに、給付金を受け取れます。
一般教育訓練は1ヵ月から1年程度での技術取得を目指しています。
指定講座は、厚生労働省の検索サイトから探すことができ、受講したい講座が決まっていれば、当該の教育機関のWebサイトで確認することもできます。
要件を確認し受けたい講座が見つかれば、教育機関に申し込みますが、受講費用は自分で負担する必要があります。
出席率などの基準を満たして受講修了すれば、「教育訓練修了証明書」が発行されます。
受講修了日の翌日から1ヵ月以内に、一般教育訓練給付金の申請手続きを行います。
特定一般教育訓練給付金の概要
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」「特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」に関する支給申請手続きのご案内」をもとに作成
特定一般教育訓練は、資格なしでは業務ができない「業務独占資格」などの取得を目指す人向けの制度です。
速やかに再就職をしたい人や早期のキャリア形成を希望する人が対象となります。
特定一般教育訓練では一般教育訓練とは異なり、受講する前にキャリアコンサルタントによるコンサルティングを受け、ジョブ・カードを交付してもらう必要があります。
特定一般教育訓練は、一般教育訓練と同様、1ヵ月から1年での技術取得を目指しています。
ただし、一般教育訓練よりも、キャリアアップ効果の高い講座が対象になります。
専門実務教育訓練給付金の概要
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」「専門実践教育訓練の給付金のご案内」をもとに作成
専門実務教育訓練は、中長期的なキャリア形成を希望する人向けの制度です。
ほかの教育訓練給付とは異なり、受講中から支給されるのが特徴です。
また特定一般教育訓練と同様、受講する前にキャリアコンサルタントによるコンサルティングを受け、ジョブ・カードを交付してもらう必要があります。
一般教育訓練や特定一般教育訓練が1年以内の講座を想定しているのに対して、専門実務教育訓練は4年以内の中長期的な講座を対象としています。
このように3種類の教育訓練はそれぞれ特徴があり、今後、築いて行くキャリアの方向性で選びます。
要件を満たしているかどうかを含め、詳細はハローワークに問い合わせると確実です。
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- 厚生労働省「一般教育訓練の教育訓練給付金の支給申請手続きについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000558048.pdf
- 厚生労働省「特定一般教育訓練の指定講座を公表しました」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30664.html
- 厚生労働省「専門実践教育訓練の指定講座を公表しました」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30663.html