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60歳以上専用の住宅ローン「リ・バース60」の利用者が増加している。月々の返済は「利息のみ」。相続人に債務が残らない

執筆者:マネーFix 編集部

内閣府が実施した「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」(2018年)によると、60代男性の約3割が住まいに関して「不安と感じていることがある」と答えています。

しかし、一般的に高齢になるほど住み替えやリフォーム費用の融資を受けにくくなります。

60歳以上を対象とした住宅ローンとして、利用者が増えているのが「リ・バース60」です。

住宅金融支援機構の発表によると、2022年7~9月の「リ・バース60」の利用実績は前年同期比135.6%となりました。

この記事では、「リ・バース60」の概要や、メリット・デメリットについて解説します。

「リ・バース60」とは

「リ・バース60」は、満60歳以上(※)を対象とした住宅ローンです。(※満50歳以上満60歳未満の人が利用できる商品もあります。)

住宅金融支援機構と提携する金融機関が提供しており、自宅を担保に資金の借り入れができる制度です。

主な特徴は以下の通りです。

  • 毎月の返済は利息のみ
  • 元金は債務者が亡くなったときに担保物件を売却して返済
  • 年金収入のみでも利用可能

一般的な住宅ローンは、毎月元金と利息を返済しますが、リ・バース60の毎月の返済は利息のみです。

元金は債務者が亡くなったときに、相続人が担保物件(住宅、土地)を売却して返済する仕組みです。

また、連帯債務での借り入れも可能です。たとえば夫婦で連帯債務者になった場合、両者が亡くなるまで担保物件に住み続けることができます。

元金を現金で一括返済したり、債務者の存命中に繰り上げ返済したりすることも可能です。

似た名称のものに「リバースモーゲージ」があります。

自宅を担保に資金を借り入れる仕組みは同じですが、「リバースモーゲージ」は老後の生活資金全般を使途としているのが特徴です。

リ・バース60の使途は、住宅の購入やリフォーム、住宅ローンの借り換えなど、住宅に関することに限られます。

融資金額の目安

融資金額の目安を、みずほ銀行のリ・バース60を例に見てみましょう。

融資上限は8000万円です。

融資金額は以下の項目のうち、最も低い金額の範囲としています。

  • 所要資金、入居一時金の100%相当額(建築・購入の場合)
  • 借り入れ中の住宅ローンの残高(借換資金の場合)
  • 担保不動産の評価額の60%以内(長期優良住宅の場合65%以内)

融資の限度額や諸条件は金融機関ごとに異なります。

メリットとデメリット

リ・バース60の主なメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 月々の返済負担が小さい
  • 借り入れに年齢の上限がない

デメリット

  • 生涯、利息の返済が続く
  • 物件売却で債務が返済しきれないことがある

リ・バース60は、元金の繰り上げ返済をしない限り、債務者が亡くなるまで利息を払い続ける必要があります。

また、一般的に変動金利が適用されているので、金利が上がり、支払額が増える可能性もあります。

さらに、担保物件の売却価格が元金に満たなくなり、債務が残ることもあります。

このような事態を考慮して、相続人に債務が残らない「ノンリコース型」と、相続人が債務を引き継ぐ「リコース型」の2種類が設けられています。

「ノンリコース型」の場合は、金利が高くなります。

高齢者でもローンを組むことができる「リ・バース60」ですが、デメリットやリスクを考慮して慎重に選ぶようにしましょう。

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