首都圏に住む世帯が地方に移住すると「移住支援金」が給付されます。
政府は、さらなる地方移住を推進するために、2023年度から移住支援金を増額する見通しです。
この記事では、「移住支援金」の現行制度と2023年度の変更点を解説します。
2023年度「移住支援金」が大幅増額。地方移住で子ども1人に100万円を支給。
移住支援金とは
移住支援金とは、2019年からスタートした「地方創生支援事業」における給付金です。
人口減少や地域産業の空洞化が問題視されている地方に、東京圏から移住する世帯を増やす目的で創設されました。
移住支援金の給付額は、2人以上の世帯で最大100万円、単身世帯だと60万円です。さらに、18歳未満の子ども1人につき最大で30万円が加算されます。
例えば、4人家族(配偶者と18歳未満の子ども2人)が移住した場合、給付額は最大で160万円です。
[100万円(2人以上の世帯)]+[30万円(子ども1人目)]+[30万円(子ども2人目)]=160万円
移住支援金は、以下の要件を満たしている人が対象となります。
- 東京23区の在住者または東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)から東京23区へ通勤している者
- 東京圏以外の道府県又は東京圏の条件不利地域への移住者(移住支援事業実施都道府県・市町村に限る)
- 地域の中小企業等への就業やテレワークにより移住前の業務を継続、地域で社会的起業などを実施
出典:地方創世サイト「移住支援金」
さらに、地方で新たに起業をする場合は、移住支援金に加えて、最大200万円の「起業支援金」を受け取ることもできます。
自治体によっては、地方創世移住支援事業を実施しない場合もあります。実施状況については、内閣官房・内閣府総合サイト「地方創世」で確認してください。
地方移住で子ども1人あたり100万円に
2023年度からスタートする支援金は、18歳未満の子ども1人あたりの金額が100万円に増額される見通しです。
例えば、4人家族(配偶者と18歳未満の子ども2人)が移住した場合、現行では最大160万円ですが、2023年度は最大で300万円になります。
[100万円(2人以上の世帯)]+[100万円(子ども1人目)]+[100万円(子ども2人目)]=300万円
政府は「新しい資本主義」の政策の柱でもある「デジタル田園都市国家構想」を推進するために、大胆な増額案を示しました。
2027年度には東京圏から地方への移住者を年間1万人にする目標を掲げており、今後も地方移住への支援策が継続する可能性があります。
「光ファイバーの世帯カバー率99.9%(2027年度)」や「5Gの人口カバー率97%(2025年度)」などの数値目標も閣議決定されており、インフラ面でも地方創世を支援する取り組みが進められる見通しです。
地方への移住を進めるために、今後どのような支援が行われるのか、引き続き注目です。
- 地方創世サイト「移住支援金」