政府は、2023年4月に期限を迎える「エコカー減税」を3年間延長する方針を固めました。
エコカー減税の対象となる燃費基準について、現行の基準は2023年末まで据え置きとなり、2024年1月以降、段階的に引き上げられる見通しです。
この記事では、2024年以降、厳格化されるエコカー減税の新基準について解説します。
エコカー減税、燃費基準を段階的に引き上げ。現行基準は2023年末まで据え置きも、2024年以降に厳格化
エコカー減税の燃費基準が段階的に引き上げ
エコカー減税は、燃費や排ガス性能が高い自動車を購入した際、「自動車重量税」が減免される制度です。
自動車重量税は、新車登録や車検の際に課税されますが、燃費基準の達成度に応じて減免されます。
出典:国土交通省「自動車重量税額について 【新車新規登録を受ける場合】」
減免の基準は「2030年度の燃費基準」の達成度が影響しています。
現行の基準では、「達成率90%以上」で初回の自動車税が免税されます。
さらに性能がよく、「達成率120%以上」の自動車は、2回目の自動車税も免税されます。
2024年1月から予定している、燃費基準引き上げの概要は下表の通りです。
電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス車などの次世代自動車は対象になっておらず、減免区分は「免税(2回)」のままです。
エコカー減税の燃費基準の引き上げにより、電気自動車への関心は、今後どれだけ高まるのでしょうか。
電気自動車のネックは価格
株式会社KINTOは、550名を対象に「電気自動車(BEV)への関心度調査2022」の調査を行いました。
出典:株式会社KINTO「電気自動車(BEV)への関心度調査2022」
調査によると、6割以上の人が電気自動車を検討するうえで「車両価格が高い」点を不安に感じています。
通常のガソリン車より割高になる車種もあるので、購入を慎重に検討している人もいるでしょう。
実際の電気自動車の販売価格は以下の通りです。
- 日産「サクラ」:254万8700円~
- 三菱「eKクロスEV モデルP」:293万2600円~
- トヨタ「プリウスPHV」:338万3000円~
- 日産「リーフ」:408万1000円~
- ホンダ「Honda e Advance」:495万円
(※いずれも2022年12月22日現在の税込み価格)
車種によってさまざまな価格帯がありますが、300万円未満で販売されている電気自動車もあるようです。
政府は、現行の基準を2023年末まで延長することについて、半導体不足で納車日が遅くなっている事情を考慮したものと説明しています。
車の買い替えを検討している人は、今回のエコカー減税の制度変更も見据えて車種を検討してみるとよいでしょう。
- 国土交通省「自動車重量税額について 【新車新規登録を受ける場合】」
- 株式会社KINTO「電気自動車(BEV)への関心度調査2022」