サイドFIREとは|必要な資金や失敗しないための注意点を解説

執筆者:マネーFIX 編集部

昨今、経済的自立によって自由な生活を得る、「FIRE」が注目を集めています。

しかし、FIREを実現するためには多くの資金が必要です。

そこで、FIREよりも早く資金を集め、より早期に退職するための手段として注目を集めているのが、「サイドFIRE」です。

この記事では、サイドFIREに必要な金額や資産の作り方などについて解説します。

サイドFIREとFIREの違い

FIREとは、「Financial Independence(経済的自立)」と「Retire Early(早期退職)」の頭文字を取ったものです。

具体的には、資産運用による運用益で生活をし、早期に仕事をやめることを指します。

一方、サイドFIREは、資産収入と労働収入を組み合わせて生計を立てていくという方法です。働くことが前提となっている点が、FIREと異なる点です。

そのため、FIREよりも必要資金が少なく済みます。

サイドFIREするためにはいくら必要?

サイドFIREをするにあたって事前に準備しておくべき資金額は、労働収入がどれだけ得られるかによって変わり、明確な基準はありません。

運用するために必要な資金の算出方法は、FIREの場合と同じです。

FIREの必要資金は、一般的に年間支出の25倍とされています。

その根拠は、「4%ルール」です。

これは米国から発した概念で、米国株式市場の成長率7%と、物価上昇率3%の差を根拠としています。

年間4%の運用益を得て、なおかつ支出を運用益以内に抑えることができれば生計が成り立つという考え方です。

例えば、年間の生活費を360万円(月30万円)とした場合、FIREに必要な資金は9000万円です。

生活費の半分を労働収入によって補っていく場合、必要資金は4500万円になります。

サイドFIREに必要な資金の目安は下表の通りです。


1ヵ月あたりの生活費が10万円の場合
労働収入の割合 資産運用で賄う生活費(月) 資産運用で賄う生活費(年) サイドFIREの必要資金
10% 9万円 108万円 2700万円
30% 7万円 84万円 2100万円
50% 5万円 60万円 1500万円
70% 3万円 36万円 900万円

1ヵ月あたりの生活費が30万円の場合
労働収入の割合 資産運用で賄う生活費(月) 資産運用で賄う生活費(年) サイドFIREの必要資金
10% 27万円 324万円 8100万円
30% 21万円 252万円 6300万円
50% 15万円 180万円 4500万円
70% 9万円 108万円 2700万円

1ヵ月あたりの生活費が50万円の場合
労働収入の割合 資産運用で賄う生活費(月) 資産運用で賄う生活費(年) サイドFIREの必要資金
10% 45万円 540万円 1億3000万円
30% 35万円 420万円 1億500万円
50% 25万円 300万円 7500万円
70% 15万円 180万円 4500万円

サイドFIREに必要な資産の作り方




サイドFIREに必要な資産を作る方法は、以下の通りです。

  1. 投資で増やす
  2. 副業で増やす
  3. できるだけ支出を抑える

投資で増やす

サイドFIREは、資産運用によって生活費を賄うことを前提としています。

預貯金は手堅くお金を貯める方法ですが、日本の預金利息は利率が低く、資産を増やすことには向いていません。

早期に投資を始めて長期的に運用することで、資産を効率よく増やすことができます。

なお、サイドFIREと同時に投資を開始するより、準備の段階から投資経験を積んでおくことをおすすめします。

投資には、「ローリスクローリターン」のものから「ハイリスクハイリターン」のものがあります。

それぞれメリットとデメリットがあるため、一概にどの投資方法が良いとは言えません。

投資方法の特徴をよく理解したうえで、過度なリスクをとることを避け、分散投資を行うことが賢明です。

分散投資の方法として、「コアサテライト戦略」を紹介します。

「コアサテライト戦略」とは、投資資金のうち7~9割をローリスクで着実に増やす「コア資産」、残りの1~3割はリスクを許容したうえでハイリターンを狙う「サテライト資産」に分散する投資方法です。

副業で増やす

サイドFIREに必要な資金をより早く準備するには、本業と並行して副業を行うことも選択肢の一つです。

例えば、副業の月収が5万円だった場合、年間で60万円、10年間で600万円の収入増となります。

副業の収入を積み立てることで、より早くサイドFIREを実現することができます。

副業の収入を毎月預貯金した場合の資産推移は下表の通りです。

副業収入を預貯金した場合
副業の月収 5年後 10年後 15年後 20年後
3万円 180万円 360万円 540万円 720万円
5万円 300万円 600万円 900万円 1200万円
10万円 600万円 1200万円 1800万円 2400万円
15万円 900万円 1800万円 2700万円 3600万円

また、副業で得た収入を投資で運用することで、さらに効率よく資産を増やすことが期待できます。

利回り4%を想定した場合、資産の推移は下表の通りです。

副業収入を投資した場合(利回り4%を想定)
副業の月収 5年後 10年後 15年後 20年後
3万円 199万円 441万円 738万円 1100万円
5万円 331万円 736万円 1230万円 1834万円
10万円 663万円 1472万円 2461万円 3667万円
15万円 994万円 2208万円 3691万円 5501万円

サイドFIREで本格的に取り組みたい仕事を、準備段階から副業にしておくと、仕事の要領を知ることができ、労働収入の見通しも立てやすくなります。

また、スキルが向上すれば仕事を得やすくなるため、サイドFIRE時の収入が安定しやすくなります。

できるだけ支出を抑える

サイドFIREを実現するために、支出を抑えることはとても重要です。支出を抑えればそれだけ早く必要資金を準備することができます。

先述した通り、サイドFIREの必要資金を算出するための根拠は、年間の生活費です。

年間の支出を抑えることができれば、必要とする資金も少なくてすみます。

また、抑えた支出分を投資にあてることによって、サイドFIREまでの年数をさらに短縮することも可能になります。

まずは家計簿をつけて、収支をしっかりと把握するようにしましょう。

そのうえで、以下のような支出を抑える方法があります。

  • 固定費を見直す(通信費・光熱費・住居費など)
  • 外食を減らす
  • コンビニはなるべく使わない
  • ポイントや割引サービスを活用する
  • 保険を見直す
  • 不必要なものは買わない

支出を抑える方法は他にもありますが、重要なことは、自分の生活にとって本当に必要かどうかを見極めることです。

家計簿をつけることで、それがより明確になるでしょう。

サイドFIRE後はどんな仕事をする?

サイドFIRE後の仕事で何をすればよいかは、結論としては「何でもよい」ということになります。

運用益を補う労働収入を得ることができれば、自分のやりたい仕事や働き方を選択することができます。

・アルバイト

アルバイトのメリットは、労働収入が安定する点です。時給が決まっているため、1ヵ月の収入が計算しやすく、確実に収入を得ることができます。

また、さまざまなアルバイトがあるため、自分のやりたい仕事を探しやすいこともメリットです。

・フリーランス

クラウドソーシングの普及によって、フリーランスでも仕事が探しやすくなっています。

事務、ライティング、デザイン、動画編集など、さまざまなジャンルの仕事があるため、自分のスキルや経験を活かして仕事をすることができます。

アルバイトと比較する仕事を得にくい可能性がありますが、サイドFIREの準備段階から副業をしてスキルや実績を積んでおけば、収入が安定しやすくなるでしょう。

・その他

収入を安定しやすくするために、契約社員や派遣社員といった雇用形態を選択することも可能でしょう。

また、サイドFIREをした経験やスキルを活かして、コンサルタントとして企業することも考えられます。

サイドFIREで失敗しないための注意点

サイドFIREで失敗しないための注意点は、以下の3つです。

・労働収入源を確保する

サイドFIREは、働くことを前提にしています。

そのため、サイドFIRE後に労働収入を得る手段を確保しておく必要があります。副業などでスキルや経験の蓄積をしておくことが重要です。

また、病気やけがなどで働けなくなった場合、資産の運用益だけでは生活費を賄いきれないリスクがあるので、健康面にも注意が必要です。

・分散投資でリスクを回避する

例えば、株式投資を行う場合、株価の暴落によって資産が大きく減ってしまうリスクがあります。

投資元本が小さくなればそれに比例して運用益も小さくなるため、生活が成り立たなくなってしまう可能性が否定できません。

対策としては、インデックス投資などなるべくリスクを軽減できる商品を選ぶことが挙げられます。

過度なリスクを取らず、分散投資をしておくとよいでしょう。

・想定外の支出に備える

冠婚葬祭や家電の買い替えなど、生活費以外の支出が増大する可能性があります。

あらゆる支出を想定し、綿密な資金計画を立てておくことが重要です。

まとめ

サイドFIREは、退職後も働くことを前提としているので、FIREより準備資金が少なく、早期の退職を実現することが可能です。

また、その働き方も自由でルールに縛られません。

一方で、サイドFIREの資金を準備するのは簡単ではありませんし、資産運用がうまくいかない場合もあります。

しかし、サイドFIREを目指して準備した資金は、退職する・しないにかかわらず、将来の資産となります。

まずは、どのくらいの資金が必要になるか、シミュレーションするところから始めてみましょう。

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