2022年は、物価高騰や円安の影響で、家計への負担が増え続けています。
年収と支出のバランスは、今回の物価高や円安でどのように変化したのでしょうか。
この記事では、「Job総研」の調査データをもとに、収入と支出の実態を解説します。
2022年は「収入が上がった」が「支出も増えた」。物価高でも「消費意識が高い」層は7割に
収入と支出の実態は?
Job総研は、20代から50代の男女634人に「2022年 収入と支出の実態調査」を行いました。
出典:Job総研「2022年 収入と支出の実態調査」(以下同)
調査の結果、46.3%が「年収が上がった」と回答しています。
一方で、66.8%が「支出が増えた」と回答しました。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」でも、2022年9月の現金給与総額が「27万5787円」で前年同月比2.1%増となりました。
しかし、実質賃金指数は現金給与総額で「83.6」と、前年同月比で1.3%減少しています。
収入が上がったとしても、物価高やエネルギー価格の高騰で、支出が増え、家計の負担が増加しているのは間違いないようです。
収入と支出の状況は二分化?
次に、収入と支出のバランスについて見てみましょう。
「現在の収入と支出のバランス」については、「収入の方が多い」という回答が60.9%になりました。
支出は増えているものの、収支のバランスでは収入の方が多い人が半数以上という結果でした。
出典:Job総研「2022年 収入と支出の実態調査」より作成
年代別で収入と支出のバランスを見ると、「20代の収入と支出の差」が、中央値で「6.5万円」(全年代中最小)でした。
一方、30代から50代までは、収入と支出の差が中央値で30万円程度でした。20代と比較すると、生活がひっ迫している状況にはないようです。
また、「現在の消費意識」については、67.0%「高い」と回答しています。
支出が増えているものの、7割近くは、消費意識の低下を招くほどの影響は出ていないことが伺えます。
消費意識が低い人に理由を聞くと、50代以外では半数以上が「物価高騰が影響」と回答しました。
今回の調査から、物価高によって、収支のバランスが崩れるほど、家計に影響が出ている層と、深刻な影響が出ている状況にはない層に、二分化していることがわかりました。
まだ生活がひっ迫するほどの影響が出ていない人が多数派のようですが、このまま物価高が続けば、生活や消費意識に影響してくる可能性があります。
余裕のあるうちから、生活設計を検討しておく必要があるでしょう。
- Job総研「2022年 収入と支出の実態調査」https://laibo.jp/info/20221121/