住宅借入金等特別控除は、一般に住宅ローン控除とよばれています。
令和4年の税制改正によって、控除期間や控除額の計算方式が変わっているため、住宅ローン控除を受けようとしている人は注意が必要です。
また、令和7年までは、入居年によって控除期間や限度額が毎年変わるため、これから住宅取得を考えている場合は確認しておくとよいでしょう。
住宅ローン控除、1年目は確定申告が必要。入居年で控除期間と控除限度額が変わる
これだけは知っておきたい!住宅ローン控除
住宅ローンを組んで、住宅を新築・取得・増改築等した場合に、一定の要件を満たせば、住宅ローン控除を活用することができます。
生命保険料控除や扶養控除、社会保険料控除とは異なり、所得税(住民税)額から控除され、後日還付されます。
住宅ローン控除の手続き
住宅ローン控除の手続きは、会社員・公務員と個人事業主とで異なります。
1.会社員・公務員
- 初年度は、必要書類を添付し、確定申告をする。
- 2年目以降は、税務署から送付される「申告書」と、金融機関から送付される「残高証明書」を勤務先に提出すれば、年末調整で控除される。
2.個人事業主
- 初年度は、必要書類を添付し、確定申告をする。
- 2年目以降は、必要書類のうち「申告書」と「残高証明書」を添付して確定申告をする。
住宅ローン控除の控除期間と控除額
住宅ローン控除は、入居年月日によって控除額や控除期間が異なります。また住宅性能による違いもあります。
平成26年~令和3年に入居している場合、控除期間と控除額は下記の通りです。
出典:国税庁「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除) 」「No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」を参考に作成
令和4年度の税制改正による変更点
令和4年以降に入居している人は、控除期間や控除額(年末残高等の上限)が変わっているため、注意が必要です。
令和4年度の税制改正により、主に以下の点が変更されています。
<主な変更点>
- 控除率が1%から0.7%に
- 所得要件が合計所得金額3,000万円以下から2,000万円以下に
- 住宅性能に、ZEH水準省エネ住宅(※1)と省エネ基準適合住宅(※2)が追加
- 中古住宅の築年数要件は廃止、昭和57年以降に建築された住宅が対象
(※1)断熱等性能等級5以上および一次エネルギー消費量等級6以上の家屋
(※2)断熱等性能等級4以上および一次エネルギー消費量等級4以上の家屋
住宅性能ごとの控除期間と控除額は下表の通りです。
出典:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」を参考に作成
また、消費税増税時に契約をした場合や、新型コロナウィルスの影響で入居が遅れた場合などについては、控除期間や控除額の計算方法が異なります。
いつ契約したか、いつ入居したかによって異なるため、税理士や税務署に確認してみるとよいでしょう。
また、国税庁のホームページでも詳細が記載されているので、参考にしてみてください。
- 国税庁「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除) 」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1212.htm
- 国税庁「No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm
- 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除) 」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm