年末調整や確定申告の時期が近づいてきました。
「よくわからずに申請するのを忘れてしまった」などということにならないよう、各種控除の仕組みをおさらいしておきましょう。
この記事では、「生命保険料控除」について、知っておくべきポイントや具体的な計算方法について解説します。
生命保険料控除は「最大12万円」。実際に、控除額をシミュレーションしてみた
これだけは知っておきたい!生命保険料控除
生命保険料控除では、一年間に支払った生命保険料、介護補医療保険料、個人年金保険料の金額に応じて、最大12万円の所得控除を受けることができます。
生命保険料控除の申請方法は下記の通りです。
- 保険会社から送付される控除証明書をもとに、所定の用紙に記入する。
- 会社員や公務員は年末調整、自営業者は確定申告で控除できる。
控除証明書をもとに、所定の用紙に記載されている案内に従って計算すれば、控除額を算出できるようになっています。
生命保険等の控除証明書は、10月中旬から11月上旬にかけて保険会社から順次発送されています。届かない場合は、保険会社に確認をしましょう。
また、控除証明書はWeb上でダウンロードできる場合もあります。
生命保険料控除の詳細
- 一般生命保険料、介護医療保険料、個人保険料の3区分である。
- 各区分最大4万円控除でき、合計で12万円が上限となる。
- 平成23年12月31日以前の契約については、取り扱いが異なる。
- 控除額は所定の算式に当てはめて計算する。
- 契約者が異なっていても、一定の親族のために保険料を支払っていれば対象となる。
生命保険料控除は、「新契約(平成24年1月1日以後の契約)」と「旧契約(平成23年12月31日以前の契約)」で取り扱いが異なります。
それぞれの以下の計算式に当てはめて計算します。
◆新契約(平成24年1月1日以後の契約)
出典:国税庁ホームページ「No.1140 生命保険料控除」(以下同)
<区分>
- 一般生命保険料控除(最高4万円)
- 介護医療保険料控除(最高4万円)
- 個人年金保険料控除(最高4万円)
※どの区分に該当するかは、保険会社から送付される控除証明書で確認しましょう。
◆旧契約(平成23年12月31日以前の契約)
<区分>
- 一般生命保険料控除(最高5万円)
- 個人年金保険料控除(最高5万円)
◆新旧両方の契約がある場合
- 新契約のみで計算(最高4万円)
- 旧契約のみで計算(最高5万円)
- 1と2の合計(最高4万円)
※1~3のうち、最も控除額の大きいものを選択します。
生命保険料控除をシミュレーション
具体的な生命保険料控除額をシミュレーションしてみましょう。
◆新契約のみの場合
<支払額>
- 終身保険(一般生命保険料控除)…72,000円
- 医療保険(介護医療保険料控除)…36,000円
- 個人年金保険(個人年金保険料控除)…120,000円
<控除額>
- 72,000円×1/4+20,000円=38,000円
- 36,000円×1/2+10,000円=28,000円
- 120,000円(>40,000円)→40,000円
1~3を合計すると控除額は、10万6000円となります。
38,000円+28,000円+40,000円=106,000円(<120,000円)
◆新旧両方の契約がある場合
<支払額>
- 新契約:収入保障保険(一般生命保険料控除)…36,000円
- 旧契約:終身保険と医療保険(一般命保険料控除)…60,000円
<控除額>
- 36,000円×1/2+10,000円=28,000円
- 60,000円×1/4+25,000円=40,000円
- 28,000円+40,000円=68,000円(>40,000円)→40,000円
1~3のうち、最も大きいものを選択するので、控除額は4万円となります。
控除額を計算する際に、控除の仕組みについて改めて確認してみましょう。
出典
- 国税庁ホームページ「No.1140 生命保険料控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm