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【iDeCo】退職金控除が一律になるかもしれない。現行制度と比較。勤続年数が長いほど損する可能性も

執筆者:マネーFix 編集部

厚生労働省は「社会保障審議会」に、個人型確定拠出年金「iDeCo」の加入対象年齢を「69歳以下」まで引き上げる案を提示しました。(現行は64歳以下)

iDeCoの加入年齢が引き上がると、受け取りにかかる税金にどのような影響があるのでしょうか。

今回提示された「加入対象年齢引き上げ」案に関連する、iDeCoの「退職所得控除」について解説します。

iDeCoの一時金受け取りは「退職所得控除」の対象


iDeCoは老後資金の運用を目的にした制度で、運用資産は一時金で受け取ると「退職所得控除」の対象となります。

退職所得控除を計算する際のポイントが「勤続年数」です。勤続年数によって、退職所得控除額の計算方法が異なります。

  • 勤続年数20年以下:40万円×勤続年数
  • 勤続年数20年以上:800万円+70万円×(勤続年数-20年)


iDeCoの場合、「掛金を拠出した期間」が勤続年数として扱われます。
退職所得控除額がいくらになるか、掛金拠出期間「15年」と「25年」の場合で計算してみましょう。

  • 掛金拠出期間15年:40万円×15年=600万円
  • 掛金拠出期間25年:800万円+70万円×(25年-20年)=1,150万円


このように、掛金の拠出期間が長くなるほど控除される金額も大きくなります。

加入対象年齢が「69歳以下」まで引き上がることで、退職所得控除額を活用するメリットが高まるかもしれません。

この退職所得控除が、現行制度から変わるかもしれません。どのように変わる可能性があるのか確認しましょう。

退職所得控除額が一律になる可能性も


2022年10月18日に行われた政府の税制調査会では、「退職所得控除は勤続年数で差を設けず一律にすべき」という意見が出ています。

このような意見が出ている背景には、勤続20年を超える中高年の転職や、人材の流動を促す目的があるようです。

退職金所得控除額が一律になった場合、勤続年数が少ない人にとっては、メリットがあるかもしれません。

仮に、退職所得控除額が一律1,000万円と定められたら、掛金拠出期間が22年以下の場合、現行制度より控除額が増えることになります。

・掛金拠出期間22年:800万円+70万円×(22年-20年)=940万円
(控除額が一律1,000万円の場合、控除額が60万円増加する)

一方で、掛金拠出期間が23年以上の場合、控除額が減ることになります。

・掛金拠出期間23年:800万円+70万円×(23年-20年)=1,010万円
(控除額が一律1,000万円の場合、控除額が10万円減少する)

今は、税制調査会での「意見」の段階ですが、今後どのような議論がされるか、注目が集まります。

iDeCo(イデコ)メリット・デメリットはこちらの記事で詳しく解説されています!ぜひ参考にしてみてください。

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