※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

不動産投資はリスクしかない?7つのリスクと対策方法

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

不動産投資は比較的安定した資産運用方法とされている一方、さまざまなリスクがあります。「不動産投資にはどんなリスクがある?」「リスクを予防するにはどうすればいい?」という疑問を持つ人もいるでしょう。

不動産投資のリスクを理解し、対策をしておくことで、安定した資産運用ができる可能性は高まります。

この記事では、不動産投資のリスクの種類と、それぞれのリスクの対策について解説します。

この記事でわかること
  • 不動産投資のリスク
  • 不動産投資のリスクへの対処法
  • 不動産投資の失敗を回避するポイント

不動産投資のリスク

不動産投資には、次のようなリスクがあります。

  • 空室リスク
  • 滞納リスク
  • 建物老朽リスク
  • 家賃下落リスク
  • 物価下落リスク
  • 金利上昇リスク
  • 災害リスク

リスクをきちんと認識せず放置すると、投資収益の下落や運用費用の上昇を招き、損失が拡大する可能性があるため、注意してください。

空室リスクへの対策

賃貸マンションの運用は、想定される入居率をあらかじめ定め、そのうえで十分な収益を見込んで家賃を設定します。想定以上に空室率が高いと、予定していた家賃収入が入ってきません。

空室リスクを防ぐ具体的な方法は、以下の2点です。

  • 需要のある物件を慎重に選ぶ
  • 信頼できる管理会社を選ぶ

需要のある物件を慎重に選ぶ

何よりも、需要のある物件を慎重に選ぶことが重要です。それぞれの地域にはワンルームが合う、ファミリー向けが合うなどの地域特性があります。想定している家賃で、本当に入居者が見つかるのか慎重に検討しましょう。

もちろん、実際に購入し、稼働してみないとわからない部分はあります。不明な点に関しては、不動産仲介業者や専門性のあるコンサルタントなど、不動産の専門家と相談しながら解決することが大切です。

信頼のできる管理会社を選ぶ

空室リスクを軽減するためには、信頼できる管理会社を選ぶことが重要です。

管理会社は不動産投資のパートナーです。管理契約の内容にもよりますが、入居者との折衝や退去時の原状回復などは管理会社が担当するのが一般的です。

仕事の正確性やスピードはもちろん、やり取りをするうえでの相性も大切です。管理会社とのスムーズなやり取りは不動産投資の成果に影響します。

滞納リスクへの対策

入居者の確保ができて一安心しても、実際に家賃を受け取るまでは100%安心できません。入居者が家賃を支払わない滞納リスクがあるためです。

滞納リスクへの対策は、以下の通りです。

  • しっかり審査をしてもらう
  • 家賃保証会社への加入を必須にする
  • 仮に滞納が発生したら即対応する

しっかり審査をしてもらう

まずは、管理会社にしっかり審査をしてもらう必要があります。収入や預貯金、仕事の内容など表面的な情報はもちろんですが、人となりやコミュニケーション面について共有してもらうことも効果的といえるでしょう。

また、管理会社から入居審査の問い合わせが来た場合は、管理会社が判断を迷っている証拠です。不動産オーナー自身のリスクとならないように、詳細をしっかり確認のうえ検討してください。

家賃保証会社への加入を必須にする

家賃保証会社への加入を必須にすることも、リスク対策につながります。いざというときに保証会社から家賃が支払われるためです。

ただし、入居者に保証料を求めることになるため、入居を敬遠される可能性もあります。空室リスクに悩んでいる場合などは、どちらを優先させるか慎重に検討しなければなりません。

滞納が発生したら即対応する

滞納が発生した場合には、すぐに対応することが大切です。

滞納が解消されなければ、弁護士に依頼して法的に対処することになります。具体的には、退去の手続きに移行することになります。

強制退去の場合、滞納された家賃は回収できないと考えた方がよいでしょう。強制退去は、弁護士が裁判所に申し立てて実行されるため、タイムラグが生じます。その間の滞納期間を長引かせないためにも、早めに行動することが大切です。

家賃下落リスクへの対策

不動産物件には家賃下落リスクがあります。運用期間が長くなるほど、設定できる家賃が低くなります。

家賃下落リスクへの対策は、以下の通りです。

  • 築年数に注意して中古物件を選ぶ
  • ニーズに合わせてリノベーションを行う
  • 土地の人口や開発計画を確認する

築年数に注意して中古物件を選ぶ

新築物件と中古物件では、家賃下落リスクが異なります。

一般的に、新築物件よりも中古物件の方が家賃の下落リスクは低いとされています。新築から概ね5年が経過すると物件価格が80%前後に下がるといわれています。

不動産物件の価格と家賃設定は相互に影響するため、築年数が経過し価格変動が少なくなった物件を購入することで家賃設定の見通しが立つでしょう。

ニーズに合わせてリノベーションを行う

家賃の下落を防ぐためには、部屋づくりが重要です。ニーズに合わせてリノベーションを行うことで、家賃の下落を防げる可能性があります。

人気の設備や流行の間取りを把握し、適切なタイミングでリノベーションを行いましょう。

土地の人口や開発計画を確認する

物件のある街が発展段階にあると、人口流入が続くため、家賃相場が高く維持されます。

人口動態や開発計画は、地方自治体が誰でも閲覧できるよう情報発信しているので、物件購入前はもちろんのこと、購入後も定期的に目を通すようにしてください。

過去に事故や事件がないか確認する

いわゆる事故物件の場合、大きな家賃下落リスクがあります。物件購入時には過去に事件や事故がなかったか確認しましょう。

事故や事件の履歴は、不動産仲介会社から提示される重要事項説明に記載されるほか、購入時に近隣住民へ聞き込むことでも把握できます。また、インターネット上で情報が得られるケースもあります。

物価下落リスクへの対策


物価の変動も不動産運用において1つのリスクです。期待できる家賃が変わらないのに物価が上昇すると、その分物件の価値は目減りしていることになります。

物価下落化リスクへの対策は、以下の通りです。

  • 日頃から景気の動向に敏感になる
  • 不動産価値が下落しにくい立地の物件を選ぶ

日頃から景気の動向に敏感になる

物価傾向を知るためには、日頃から景気の動向について敏感になることが大切です。経済ニュースを日ごろからチェックするなど、時勢を知る習慣をつけると、自分なりの予測も立てやすくなるでしょう。

不動産価値が下落しにくい立地の物件を選ぶ

不動産価値が下落しにくい物件ならば、物価変動の影響をそれほど心配せずに済みます。そのため、物件選びも物価下落リスクの抑止効果につながるといえるでしょう。

建物老朽化リスクへの対策

不動産投資においては、建物老朽化リスクも懸念材料です。特に築年数の古い物件を購入した場合は、建物老朽化によるメンテナンスの頻度増加や、家賃減少の可能性があります。

建物老朽化リスクへの対策は、以下の通りです。

  • できるだけ丈夫で長持ちする物件を選ぶ
  • 修繕費を積み立てておく
  • 修繕に関する経験が豊富な賃貸管理会社を選ぶ

できるだけ丈夫で長持ちする物件を選ぶ

丈夫で長持ちする物件を選ぶことによって、メンテナンス費用を抑制できます。精査すべき主なポイントは、以下の通りです。

  • ゼネコンやディベロッパーの質
  • 管理会社の質
  • 重要事項調査報告書

物件の建築・管理に携わる関連会社の信頼度を確認しましょう。ただし、重要事項調査報告書は専門知識がないと解析できない点も多いため、専門家への相談も視野に入れてください。

修繕費を積み立てておく

日頃から修繕費を積み立てておくことも重要です。

分譲マンションに居住している場合に管理組合が集めるような形で修繕費を積み立てておくことで、いざというときのメンテナンス費用に充当できます。

賃料の3%を目安として修繕費の積立をしておくとよいでしょう。

修繕に関する経験が豊富な賃貸管理会社を選ぶ

賃貸管理会社の中には、メンテナンス工事に対応できる部署を持つ管理会社もあります。経験豊富で品質の高い会社ならば安心です。

物件の管理契約締結前に、専門部署があるか確認するようにしましょう。

金利上昇リスクへの対策

不動産投資をするにあたって、金利は切実な問題です。不動産投資ローンの多くは5年、10年単位で金利を見直す契約になっています。将来的に適用金利が上昇すると、返済総額が増えます。

金利上昇リスクへの対策は、以下の通りです。

  • 元金均等返済で返済する
  • 固定金利を選択する

元金均等返済で返済する

不動産投資ローンの返済方法には元金均等返済と元利均等返済があります。元金均等返済は元金が一定で利息が少しずつ減っていく返済方法で、元利均等返済は返済額が一定の返済方法です。

元金均等返済の方が元金返済額は多いため、元金にかかる利息も大きく減少します。そのため、元金均等返済は元利均等返済に比べて、金利上昇リスクが抑えられます。

固定金利を選択する

金利には固定金利と変動金利があります。金利が常に一定なのが固定金利、変動していくのが変動金利です。一定期間固定金利で、その後変動金利に変わるタイプもあります。

金利上昇リスクを避けたいのなら、固定金利を選択しましょう。ただし、変動金利よりも固定金利の方が金利は高くなります。

災害リスクへの対策

不動産投資を行う際には、物件への災害リスクも想定しなければなりません。東日本大震災では、数多くの不動産物件が損害を受けました。台風などによる水害リスクも年々深刻度を増しています。

災害リスクへの対策は、以下の通りです。

  • 火災保険に加入しておく
  • ハザードマップを確認しておく
  • エリアを分散して投資する

火災保険に加入しておく

不動産投資で物件を購入して入居者に貸す際、火災保険は入居者が加入する場合が多いですが、不動産オーナーが加入することもあります。

火災保険に加入することで、万が一の火災や水害の場合に補償が期待できます。地域によっては、火災保険とセットで地震保険にも加入しておくとより安心できるでしょう。

ハザードマップを確認しておく

地域により水害や土砂災害などのリスクを一覧化したものが、ハザードマップです。専門業者が作成し、行政の地域課や災害対策の部署などに常備されています。

不動産物件を購入する際には、市役所などに出向いてハザードマップを確認するようにしましょう。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」でも調べられます。

エリアを分散して投資する

複数の物件で不動産投資をする場合は、エリアを分散して投資することも大切です。

水害や土砂災害のリスクは地域によって左右されるため、離れた場所に複数の物件を所有すれば、リスクを軽減できます。

不動産投資の失敗を回避する方法

不動産投資の失敗を回避するには、次のような方法が有効です。

  • 不動産投資のゴールを設定する
  • 不動産投資に関する勉強や情報収集を行う
  • 複数の好条件が揃った物件を選ぶ
  • 内覧ができる物件で内装をしっかり確認する

不動産投資のゴールを設定する

まずは、不動産投資のゴールを設定しましょう。長期的に運用したいのか、それとも短期的に利益を出したいかなど、ビジョンをしっかり定めてください。それによって、事業計画や収益獲得のスケジュールなどが変わってきます。

不動産投資に関する勉強や情報収集を行う

不動産会社にすすめられるがまま物件を購入したり、利回りの良さだけで判断したりすることは避けるべきです。

日頃から投資や不動産、金融などの知識習得に時間をかけるようにしましょう。そうすることで、失敗を回避できる可能性が高まります。

複数の好条件が揃った物件を選ぶ

何か1つが大きく秀でているのではなく、複数の好条件が揃っている不動産物件を検討することも大切です。魅力的な点が多ければ多いほど、需要も高まります。

例えば、立地が良い、治安が良い、学校が近いなど、入居者の目線でメリットを考察することで、魅力ある物件が絞られていきます。

内覧できる物件で内装をしっかり確認する

投資物件には、購入前に内覧できるものも多いです。内覧の時間を十分に確保し、内装を確認しましょう。

自分が入居者になったつもりで、当事者の感覚を持って確認することが大切です。可能であれば性別や年齢が異なる人と一緒に内覧することをおすすめします。とりわけファミリータイプの物件の場合、女性の判断が決め手となることも多いです。

まとめ

不動産投資には、空室リスク、滞納リスク、建物老朽化リスク、家賃下落リスク、物価下落リスク、金利上昇リスク、災害リスクなど、さまざまなリスクがあります。それぞれのリスクについてきちんと理解したうえで、物件を選ぶようにしましょう。

リスクを予防したり、軽減したりするために対策をすることも重要です。日ごろから積極的に情報収集を行い、ときには現地で確認するようにしましょう。信頼できる不動産管理会社とパートナーシップを構築できるかどうかも大きなポイントです。

キーワードで記事を検索