クレカ積立は、クレジットカード払いで投資信託などの積立投資を行う投資方法です。
資産運用をしながら、カード利用によってポイントを貯めることができるのが特徴です。
この記事では、クレカ積立を利用するメリット・デメリットを解説します。
また、クレカ積立向けの証券会社と、おすすめのクレジットカードとの組み合わせも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
クレカ積立は、クレジットカード払いで投資信託などの積立投資を行う投資方法です。
資産運用をしながら、カード利用によってポイントを貯めることができるのが特徴です。
この記事では、クレカ積立を利用するメリット・デメリットを解説します。
また、クレカ積立向けの証券会社と、おすすめのクレジットカードとの組み合わせも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
クレカ積立とは、クレジットカード決済で投資信託などの金融商品に積立投資を行う方法です。
積立投資では、決まったタイミングで決まった金額の金融商品を購入します。
積立頻度や積立金額、購入する金融商品は契約時に自分で設定することが可能です。
なお、多くの証券会社で、クレカ積立は毎月の積立限度額が5万円と決まっています。
また、クレカ積立で選べる金融商品は投資信託が一般的で、株式投資やETF(上場投資信託)を購入できる証券会社は一部のみです。
クレカ積立の主なメリットは、口座残高を気にすることなく安定して積立投資でき、決済金額に応じてポイント還元も得られることです。
詳細について解説していきます。
クレカ積立を利用することで、クレジットカードの決済金額に対するポイント還元に加え、証券会社によっては投資信託の保有に対してもポイントが加算されます。
ただし、クレジットカード決済のポイント還元率は、クレジットカードによって異なるため注意が必要です。
ポイント還元率は、クレジットカードと証券会社の組み合わせによって0.1~3%と幅があります。
サービス名 | ポイント還元率 |
---|---|
楽天カード×楽天証券 | 0.5%~1% |
au PAYカード×auカブコム証券 | 1% |
三井住友カード×SBI証券 | 0.5%~2% |
エポスカード×tsumiki証券 | 0.1%~0.5% |
例えば、ポイント還元率1%のクレジットカードで、毎月の上限金額である5万円ずつクレカ積立を利用した場合、1ヵ月分の還元は500ポイントです。
年間(12ヵ月)では6,000ポイント貯まる計算になります。
積立投資では、事前に証券口座へ入金する必要があります。
残高不足により決済が行われないと、該当月の積立投資ができません。
一方、クレカ積立の場合はクレジットカード決済を利用するため、積立投資の引き落とし日には決済確定の通知を受け取るだけで済みます。
投資は必ずしも利益が出るとは限らず、損失が出ることもあります。
損失を最小限に抑えるためには、リスクをなるべく分散させることが重要です。
毎月一定金額を購入する積立投資では、「ドルコスト平均法」の効果が期待できます。
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を一定額で、定期的に購入する方法のことです。
決まった金額を機械的に投資するため、価格が安いときには多く、高いときには少なく購入することになり、結果的に平均購入単価を抑える効果があります。
一方で、クレカ決済にもデメリットがあります。
ここでは次の3点について、解説します。
毎月自動で投資を継続できる便利なクレカ積立ですが、一方で急な値動きに対応できないデメリットもあります。
さらに、買付日が固定されているため、任意の日付では購入できません。
ただし、日々の値動きに左右されず淡々と購入していくことで、前述したドルコスト平均法の効果を最大限に発揮できます。
安定して利益を出すためにも、毎月同じ日に買付することが重要です。
そもそもクレカ積立は毎月一定額を購入するサービスのため、単発で購入する仕組みになっていません。
また、より多くの金額を投資して大きな勝負に出ようとしても、大抵の証券会社で毎月の積立上限金額は5万円と定められています。
クレカ積立は、長期的に資産運用することで安定した利益を出す仕組みのため、短期的な利益にはあまり期待しない方が賢明です。
クレカ積立では、証券口座の残高不足を心配する必要はないものの、クレジットカードの引き落とし口座の残高確認は必須です。
残高がなければ支払い滞納となり、最悪の場合クレジットカードの利用停止処分を受ける可能性があります。
クレジットカードで毎月支払っている金額を把握し、余裕を持った資産運用を心がけましょう。
クレカ積立を始める証券会社を選ぶときは、まず自分が普段利用している「経済圏」で探してみてください。
また、購入を検討している銘柄がある場合には、取扱商品に焦点を合わせてみると比較しやすいでしょう。
ここでは、証券会社選びの具体的なポイントを解説します。
経済圏を統一することでポイント還元率がアップするため、効率的にポイントを貯められます。
主な経済圏について、下表にまとめました。
経済圏 | 楽天 | 三井住友SBI | au | LINE |
---|---|---|---|---|
クレカの種類 | 楽天カード | 三井住友カード | au PAYカード | Visa LINE Pay※1 |
ポイント | 楽天ポイント | Vポイント | Pontaポイント | LINEポイント |
証券 | 楽天証券 | SBI証券 | auカブコム証券 | LINE証券 |
携帯 | 楽天モバイル | ― | au | LINEモバイル |
例えば、楽天市場でよく買い物する場合、現金決済であればポイント還元率1.5%のところ、楽天カード決済に変えるだけで3.5%にポイント還元率がアップします。
より高いポイント還元率を目指すのであれば、利用するサービスなどを同じ経済圏に統一することを検討してみてください。
同じようなクレカ積立のサービスを提供している証券会社であっても、取り扱っている金融商品は証券会社ごとに異なります。
わざわざ証券口座を開設したにもかかわらず、購入したい銘柄がなければ無駄な労力になりかねません。
口座開設手続きを進める前に今一度、取扱商品を確認してみましょう。
ここからはクレカ積立におすすめの、証券会社とクレジットカードの組み合わせを紹介します。
効率よくポイント還元率アップを目指したい人には、楽天経済圏で統一することをおすすめします。
また、つみたてNISAを検討中であれば、取扱銘柄が豊富な楽天証券を検討してみてください。
毎月の積立上限金額が5万円のところ、楽天キャッシュ決済を併用することで最大10万円まで積立投資が可能になります。
また、決済方法が異なる積立の場合、別々の金融商品を購入できるため、分散投資のメリットもより活かすことができるでしょう。
SBI証券Vポイントサービスに登録してから口座開設すると一律100Vポイント、さらに対象の投資信託を保有しているだけで年率0.1%のVポイントが還元されます。
また、投資信託を年間1000万円以上保有していたり、SBI証券プレミアムチョイス銘柄を購入したりすると、ポイント還元率がアップする点も見逃せません。
通常カードの場合、クレカ積立のポイント還元率は0.5%ですが、年会費5,500円の三井住友カードゴールド(NL)に変更するだけでポイント還元率が2倍の1%になります。
さらにグレードの高い三井住友カードプラチナプリファードであれば、ポイント還元率2%で年間12,000Vポイント獲得可能です。
特別な条件を満たさなくてもポイント還元率1%を得られる組み合わせが、au PAYカード×auカブコム信託証券です。
クレカ積立を利用すると、ローソンなどで使えるPontaポイントが毎月500ポイント貯まります。
auスマート・ベーシックやauスマート・プライムなどのauの投資信託を、月間平均100万円保有していた場合、年0.02~0.05%のポイント還元対象です。
さらに、auの通信契約者であれば、ポイント還元率が2倍の年0.04~0.1%になります。
100万円保有と聞くと高額に感じる人もいるかもしれませんが、100万円は毎月5万円のクレカ積立を一度も売却せずに20ヵ月貯めた金額と同等です。
正確には運用損益により前後しますが、順調にいけば2年待たずに達成できます。
毎月の積立上限金額5万円を維持できる資金があるなら、クレカ積立によるポイントが最大3%還元される東急カード×SBI証券がおすすめです。
運用ポイントは通常最大0.2%還元ですが、SBIプレミアムチョイス対象銘柄を保有している場合には最大0.25%還元されます。
ポイントを効率良く貯めたいのなら、還元率の高い対象銘柄を優先して購入するようにしましょう。
さらにTOKYU ROYAL CLUBの会員であれば、ステージが上がるとポイント還元率がアップします。
エポスカードでも還元されるポイントは「がんぱってるね!ポイント」です。
クレカ積立を1年継続するごとに、年0.1%ずつアップし、年間積立金額に対して最大0.5%のポイント還元があります。
エポスカードでクレカ積立を始める際には、一般カードよりもゴールドカードやプラチナカードの方が有利です。
クレジットカードは、利用金額に応じてさまざまな特典が受けられます。
クレカ積立の投資金額はクレジットカードの利用金額から除外されることが多いのですが、エポスカードではゴールド・プラチナ会員なら除外されません。
マネックス証券×マネックスカードは、即時出金の手数料がもったいないと感じている人におすすめです。
通常であれば証券総合取引口座から即時出金すると手数料がかかりますが、マネックス証券では月5回まで無料で行えます。
クレカ積立を利用すると100円ごとに1ポイント、1,000円ごとにさらに1ポイント還元されます。
合計でポイント還元率1.1%になり、無条件で還元されるポイントとしてはダントツです。
マネックスカードは年会費550円(税込)が必要ですが、1年間で1回でもマネックスカードで決済すれば、年会費は無料になります。
また、発行初年度は年会費無料です。
クレカ積立は自動で継続的に投資できるため、リスク分散につながり、利益が出やすいのが特徴です。
ただし、証券会社ごとの買付指定日と、クレジットカードごとの引き落とし日が異なる点には注意してください。
クレカ積立を始めたい人は、本記事でおすすめしたクレジットカードとの組み合わせを検討してみてはいかがでしょうか。
三井住友カードについては、こちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:【SBI証券】三井住友カード経由のデメリット「3選」仲介口座とSBI経済圏 | マネーの研究室
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