お金を増やす方法の1つとして、定期預金があります。「定期預金を利用し続けてもいいのだろうか」「より効率的な資産運用方法はないのか」と悩む人もいるでしょう。
定期預金は、金利が低く運用効率は高くありません。インフレの影響を受けやすいという特徴もあります。
この記事では、定期預金のデメリットや、より効率的にお金を増やせる資産運用方法を紹介します。
- 定期預金のデメリット
- 定期預金以外に効率の良い資産運用方法
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
お金を増やす方法の1つとして、定期預金があります。「定期預金を利用し続けてもいいのだろうか」「より効率的な資産運用方法はないのか」と悩む人もいるでしょう。
定期預金は、金利が低く運用効率は高くありません。インフレの影響を受けやすいという特徴もあります。
この記事では、定期預金のデメリットや、より効率的にお金を増やせる資産運用方法を紹介します。
定期預金とは、あらかじめ預入期間(満期)を決めてお金を預ける預金のことです。
定期預金は一定期間、お金を出したり預けたりできない代わりに、普通預金よりも金利が高く設定されています。
定期預金に一定期間預けた結果、どれくらいの利息が得られるかは、その定期預金が「固定金利か変動金利か」「単利か複利か」によって異なります。固定金利では満期まで金利が変わりませんが、変動金利は6ヵ月ごとなど定期的に金利が変更されます。
単利とは元本に対してのみ利息を付ける方式、複利は元本と利息を合計した元利に対して利息を付ける方式です。
定期預金には、いくつか種類があります。主な定期預金の概要は、以下の通りです。
定期預金は外貨定期預金を除けば、元本割れリスクがない安全な金融商品です。しかし、次のような理由から「おすすめできない」といわれることがあります。
定期預金はほかの金融商品に比べると収益性が低く、大きく資産を増やしたい場合には不向きです。また、インフレ局面で金利よりも物価上昇率が上回った場合、資産価値が目減りする恐れがあります。
定期預金の金利は普通預金よりは高いものの、ほかの金融商品に比べれば低いです。
定期預金に1年間、100万円を預けたときに得られる利益を見てみましょう。例えばSBI新生銀行は定期預金の金利が0.3%で、1年間預けると3,000円の利息が付きます。
ただし定期預金の利息には20.315%の税金がかかるため、実際に得られる利益は2,391円です。
金融機関名 | 定期預金の金利 | 税引き後の利益 |
---|---|---|
SBI新生銀行 | 0.3% | 2,391円 |
オリックス銀行 | 0.15% | 1,196円 |
auじぶん銀行 | 0.1% | 797円 |
三菱UFJ銀行 | 0.002%(4年まで) 0.2%(10年) |
16円 1,537円 |
定期預金は原則、預入期間中(満期前)に引き出しできませんが、解約することは可能です。ただし満期前に解約すると、契約時よりも低い金利が適用されます。
解約には満期前に全額引き出す「全部解約」と、一部を引き出す「一部解約」の2通りがあります。
一部解約をした場合、解約した金額については約束した金利よりも低い金利が適用されますが、残りの金額については満期まで預けていれば、預入当初の金利が適用されます。
定期預金はインフレや円安で物価が上昇した場合、資産価値が目減りする可能性があります。
例えば現在100万円の車を1年後に購入する予定があり、金利0.002%の定期預金に預けておいたとします。この定期預金に1年間預けておくと20円の利息(税引前)が付き、100万20円になります。
仮にインフレにより車の価格が年1%上昇した場合、1年後の車の価格は101万円です。したがって定期預金で運用した100万20円では購入できません。
このようにインフレ局面では、物価上昇率よりも利回りが高い金融商品で運用しなければ、資産価値は目減りしてしまいます。
「定期預金はおすすめしない」といわれることもありますが、方法次第では有効活用できるケースもあります。
定期預金は普通預金より金利が高い傾向があるほか、1ヵ月、3ヵ月、半年、1年、2年、5年など預入期間の選択肢が豊富なため、目的に応じて、複数の定期預金に預けるなど柔軟な運用が可能です。
固定金利の定期預金であれば、預入時の金利が適用されるため、今後のライフプランが立てやすいメリットもあります。
円で運用する定期預金であれば原則、元本割れのリスクがありません。金融機関が破綻しても預金保険制度の対象となるため、一金融機関あたり1000万円とその利息までは保証されます。
定期預金の金利は、同じ預入期間(満期)でも金融機関によって金利が異なります。預け入れる前に、各金融機関の金利を十分比較しましょう。
特にネット銀行は、金利が高い傾向があります。また通常よりも高い金利で定期預金を始められるキャンペーンを実施していることがあるため、期間中に申し込めば有利な金利で運用できるでしょう。
定期預金に、収益性が高い投資信託などを組み合わせる運用方法も有効です。この場合、使い道が決まっているお金は定期預金で運用し、収益性が高いものの元本割れリスクがある投資信託に余剰資金を活用するとよいでしょう。
定期預金は元本割れリスクがないため、リスクを抑えて着実にお金を増やしていきたい人に向いています。さまざまな預入期間(満期)の定期預金があるため、教育資金や住宅ローンの頭金、車の購入費用など運用の目的に応じて期間を選択しましょう。
定期預金は原則、満期までお金を引き出せないため、現金で持っているとお金を使ってしまうという人にもおすすめです。
資産を効率的に増やしていきたいときは、定期預金以外に次のような資産運用方法があります。
それぞれリスクや収益性が異なるため、各資産運用方法の特徴を理解して自身に合ったものを選ぶことが大切です。
多くの投資家から小口で集めた資金を、投資のプロであるファンドマネージャーが運用する金融商品です。投資のプロが分散投資をしてくれるため、比較的初心者向けの資産運用方法です。
投資信託の運用益や元本の一部を投資家に払い戻す、分配金が出る投資信託もあります。
株式を購入することで企業に事業資金を提供し、株価の値上がり益や、配当金、株主優待を狙う資産運用方法です。
株式は値動きが大きいため、定期預金よりも効率的にお金を増やせる可能性があります。反面、下落したときの下落幅が大きく、多くの銘柄から自分自身で投資先を選ばなければならないため、上級者向けの投資方法といえます。
投資家から集めた小口の資金を、運用会社が不動産で運用する金融商品です。値上がり益や、利益や元本の一部を投資家に還元する分配金などが期待できます。
一般的に定期預金の金利よりも、不動産投資で得られる賃料の方が利回りは高い傾向があります。運用会社が多くの不動産に分散投資をしてくれるため、比較的初心者に向いています。
債券とは国や地方公共団体、企業といった発行体が資金調達する際に発行する借用証書のことです。投資家が債券を購入すると、その発行体にお金を貸すことになり、お金を貸した見返りとして利息を受け取ります。債券には満期があり、満期がくると額面金額が戻ってきます。
債券は株式に比べるとリスクが低く、比較的安定した利息収入が狙えます。定期預金よりも金利が高く、効率的な資産運用方法といえるでしょう。ただし発行体の破綻により、元本が戻ってこないリスクがあります。
債券は満期前に売買することも可能ですが、売買するタイミングによっては利益や損失が生じます。
NISAやiDeCoといった国の制度を利用すると、より効率的に運用ができます。ここではNISAとiDeCoの特徴を紹介します。
NISAとは少額投資非課税制度のことです。一般的な投資では利益に対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用した場合、税金がかかりません。
NISAには年間投資枠が設けられています。成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円です。以前は非課税保有期間に制限がありましたが、2024年開始の新NISAでは無期限です。
また、非課税で保有できる金額の上限は1800万円(成長投資枠のみの場合は1200万円)となっています。
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、老後の資産形成を後押しするための制度です。自身で掛金を拠出し、あらかじめ用意された運用商品の中から商品を選んで運用します。
掛金は全額所得控除になるため、所得税・住民税が軽減される可能性があります、また、運用益に税金がかからない、受取時にも税制優遇が受けられることがメリットです。
ただし、掛金は原則60歳まで引き出せないというデメリットもあります。
資産運用はさまざまな方法があるうえ、自身の家計状況や今後のライフプランによって取り入れるべき資産運用方法は異なります。そのため、どの方法が自身に合っているのかわからないという人もいるでしょう。
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定期預金は、預入期間(満期)を決めてお金を預ける預金のことです。外貨定期預金を除けば元本割れリスクがなく、着実にお金を増やせる点がメリットです。
普通預金より金利は高いものの、それでもほかの金融商品と比べると運用効率は低めです。また、インフレや円安の影響も受けやすいです。そのため、「定期預金はおすすめしない」といわれることがあります。
より効率良くお金を増やしていきたいなら、投資信託や株式投資の方がよいでしょう。ただし、これらの方法は元本割れリスクがあります。自身に合った資産運用方法がわからないときは、まずはFPに相談してみるのもおすすめです。
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