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10年の自動車ローンは長すぎる?メリット・デメリットや返済期間を決めるポイントを紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

自動車を購入する際、最長で組めるのが「10年ローン」です。このような長期ローンを組んで車を買うことにリスクはないのでしょうか。

この記事では、自動車購入時に10年ローンを組むメリット・デメリット、注意点を解説し、自動車ローンの平均的な返済期間や返済期間を決めるポイントを紹介します。

自動車ローンの平均的な返済期間

返済期間の設定は、自動車ローンの種類によって異なります。

ディーラーローンは1~8年、銀行マイカーローンは1~10年というケースが一般的です。つまり、10年ローンは、銀行マイカーローンを利用する場合に設定できる最長の返済期間になります。

自動車ローンの返済期間は「3~5年」に設定する人が多いです。自動車購入から3年後、5年後は車検があり、このタイミングで買い替えを検討する人が多いことも、理由の1つと考えられます。

自動車ローンを10年で返済するメリット

自動車ローンを10年で返済するメリットは、以下の通りです。

  • 月々の返済額を減らすことができる
  • 手元に十分な資金がなくても車を購入できる

月々の返済額を減らすことができる

自動車ローンは返済回数が多いほど、1回あたりの返済負担額が少なくなります。

10年ローンのように返済期間が長いと、返済回数も多くなるため、返済期間が短い場合よりも月々の返済額を減らすことが可能です。

例えば、120万円の車を5年ローン(60回払い)で購入すると月々の返済額は2万円ですが、10年ローン(120回払い)にすると月々の返済額は1万円で済みます。

手元に十分な資金がなくても車を購入できる

10年ローンで車を購入すると、月々の返済額を抑えられるので、資金にあまり余裕がない場合でも、無理をせず車を購入できるかもしれません。

また、高級車に関しても、10年ローンにして月々の返済額を抑えることで、手が届く可能性が出てきます。

自動車ローンを10年で返済するデメリット

自動車ローンを10年で返済するデメリットは、以下の通りです。

  • 利息負担が増える
  • なかなか車の買い替えができない

利息負担が増える

返済期間が長くなると、それだけ利息負担が増え、支払総額が多くなります。

利息負担を減らして、支払総額を抑えたいなら、返済期間は短めに設定した方が賢明です。

なかなか車の買い替えができない

利用している自動車ローンによっては、返済が終わるまでは勝手に車の売却・買い替えができないケースがあります。返済期間中は、ディーラーやローン会社が車の所有権を持っているためです。

一般社団法人 日本自動車工業会が実施した「2019年度 乗用車市場動向調査」によれば、新車の保有予定期間(買い替え意向がある場合)は、平均7.8年です。数年で車を買い替えたい場合は、10年ローンは組まない方が賢明でしょう。

【返済期間別】自動車ローンの返済シミュレーション

返済期間によって、月々の返済額、支払総額、利息額にどのような違いが生じるのか、シミュレーションしてみましょう。

シミュレーション条件は以下の通りです。

  • 車の価格:500万円
  • 金利:固定金利9%
  • ボーナス払い:なし
5年(60回払い) 7年(84回払い) 10年(120回払い)
月々の返済額 8万5253円 6万1440円 4万3585円
支払総額 511万5180円 516万960円 523万200円
利息額 11万5180円 16万960円 23万200円

シミュレーションの結果、返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなるものの、支払総額や利息額が増えることがわかります。

10年の自動車ローンを組むときの注意点

自動車ローンを10年で組む際は、以下の2点に注意してください。

  • ほかのローンが組みにくくなる可能性がある
  • 車の買い替え時にローンが残ってしまう可能性がある

ほかのローンが組みにくくなる可能性がある

10年ローンを組むということは、「返済を終えていないローンが10年間残る」ことを意味します。このような状態で新しいローンを組もうとすると、審査基準の1つである「返済比率」に問題が生じる可能性があります。

返済比率とは、「年収に占める年間返済額の割合」のことで、年収の30%前後を適正とするケースが一般的です。

自動車ローンが残っていると返済比率に影響を及ぼすため、結果として新たなローンの審査に落ちたり、借入希望額が満額借りられなくなったりします。

車の買い替え時にローンが残る可能性がある

同じ車に長期間乗っていると、途中で車を買い替えたくなったり、故障などのやむを得ぬ事情で車を買い替えざるを得なくなったりする可能性が高くなります。

そうした際に、残債が少なければ一括返済する方法もありますが、残債が多い場合には、ある程度まとまった金額を用意しなければなりません。

また、事故で廃車にせざるを得ないケースでは、ローン会社から一括返済を求められる可能性があります。

自動車ローンの返済期間を決めるときのポイント

自動車ローンの返済期間を決める際のポイントは、以下の2点です。

  • 車の買い替えまでに完済できるようにする
  • 維持費を含めて月にいくらかかるか把握する

車の買い替えまでに完済できるようにする

自動車ローンの返済期間は「車の買い替えを希望するタイミング」を、目安にするとよいでしょう。

車の買い替えタイミングで返済が終わっていれば、売却・買い替えが自由にできます。

維持費を含めて月にいくらかかるか把握する

車を購入する際に忘れてはならないのが、月々の返済とは別にかかる「維持費」です。支払総額を抑えたいからと、返済期間をできるだけ短くして月々の返済額を高くすると、維持費が払えなくなる恐れもあるため注意してください。

車の維持費には以下のようなものがあります。

  • 車検代
  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 自動車税
  • 自賠責保険
  • 任意保険
  • 修理代
  • オイル・タイヤなどの消耗品の交換代

維持費については、車種によって変わってきます。詳しくはこちらの記事「車の維持費はどのくらい?軽・小型・普通自動車の違いを徹底比較!」も参考にしてください。

まとめ

10年は自動車ローンの返済期間としては長めですが、月々の返済額を減らしたい、家計にゆとりがない、高級車の購入を検討している人などにはメリットがあります。ただし、支払総額が増える点、車の買い替えが自由にできない期間が長くなる点、ほかのローンが組みにくくなる点などに注意が必要です。

記事を参考に、自分に合った返済期間を検討してみてください。

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