債務整理の手段の1つが「任意整理」です。 任意整理中にカーローンの審査に通るケースはゼロではありません。しかし、基本的にはカーローンを組むことが難しくなります。
この記事では、任意整理中にカーローンを組みたい人に向けて、任意整理中にカーローンを組むことが難しい理由や、任意整理中に車が必要になったときの対策を紹介します。任意整理の完了後にローン申請する際の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
債務整理の手段の1つが「任意整理」です。 任意整理中にカーローンの審査に通るケースはゼロではありません。しかし、基本的にはカーローンを組むことが難しくなります。
この記事では、任意整理中にカーローンを組みたい人に向けて、任意整理中にカーローンを組むことが難しい理由や、任意整理中に車が必要になったときの対策を紹介します。任意整理の完了後にローン申請する際の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
任意整理中にカーローンを組める可能性はあるものの、非常に難しいと考えてください。ここでは、任意整理の意味を確認してから、任意整理中にカーローンを組むのが難しい理由を解説します。
任意整理は、債務整理の1種です。多重債務に陥るなどして返済が困難な際に、借金を整理する方法の1つです。
弁護士・司法書士などを通じて債権者と交渉したうえで、月々の返済額を無理のないものに決定します。
任意整理中のカーローン利用が難しい理由は、審査の際に信用情報機関に記録が照会されるためです。
照会して任意整理中であることが判明すると、安定した返済能力がないと判断され審査に通りづらくなります。
任意整理の記録は、一定期間、信用情報機関に保存されます。そのため、過去に任意整理を行った記録があると、すでに返済を終えていても審査で不利になる可能性があります。
任意整理中でも、自動車が必要な場面はあるかもしれません。対策は、以下の3つです。
カーローンは「自社ローン」「ディーラーローン」「銀行マイカーローン」の3種類に大別できます。
自社ローン | ディーラーローン | 銀行マイカーローン | |
---|---|---|---|
審査の通りやすさ | 通りやすい | 比較的通りやすい | 通りにくい |
審査基準 | 独自の基準 | 信用情報 | 信用情報 |
金利 | 金利はないが金利相当の手数料が上乗せされる | 銀行マイカーローンより高め | 比較的低め |
メリット | 審査に通りやすい | 自動車購入と一緒にローンの手続きができる | 口座利用状況によって金利優遇がある |
デメリット | 中古車が中心で、新車にはほとんど対応していない | 銀行マイカーローンより金利が高い | 審査に時間がかかる |
自社ローンだけは、信用情報機関の記録を照会せず、独自の基準で審査を実施しています。任意整理中でもローンが組める望みがあるでしょう。
本人が任意整理中でも、信用情報に問題のない家族名義でローンを組む方法があります。ローンを申し込む家族の収入が安定していることが条件です。
ただし、家族以外をローンの名義人にすると、違法行為(名義貸し)となる可能性があるため、避けてください。
カーリース、サブスクとは定額料金を支払うことで、マイカーと同じように利用できるサービスです。
一方、カーシェアとは必要に応じて数十分?数日間、車を借りることができるサービスです。利用した時間によって料金がかかります。
ローンを組めない人でも、これらのサービスなら好きなときに車を利用できます。
ただし、いずれのサービスにも審査があります。カーリース、サブスク、カーシェアの審査にも通らなかった場合は、レンタカーを利用する方法もあります。レンタカーは審査不要で車が借りられます。
任意整理完了後は問題なくカーローンに申し込めますが、以下の点に注意してください。
任意整理の履歴は、完済時から5年は残ります。信用情報機関に任意整理の履歴が残っている間は、カーローンを組むことは難しいのが現実です。
KSC(全国銀行個人信用情報センター)では、個人再生や自己破産などの履歴については「最長10年保存する」としています。
任意整理後にローンを申し込むときは、信用情報から事故情報が消えていることを確認してください。各信用情報機関の開示請求の方法は、下表の通りです。
信用情報機関 | JICC(株式会社日本信用情報機構) | CIC(貸金業法指定信用情報機構) | KSC(全国銀行個人信用情報センター) |
---|---|---|---|
保管される情報 | 延滞など、返済状況に関する情報債務整理、破産申立 | クレジットカードやローンの支払状況 | クレジットカードやローンの契約内容とその返済状況破産申立、民事再生手続 |
保管期間 | 契約継続中および契約終了後5年以内 | 契約期間中および契約終了後5年以内 | 契約期間中および契約終了日から5年以内 |
請求手段 | Web、郵送、窓口 | Web、郵送、窓口 | Web、郵送 |
開示費用 | Web・郵送:1,000円 窓口:500円 |
Web・郵送:1,000円 窓口:500円 |
Web:1,000円 郵送:1,200円程度 |
「債務整理」の名目で事故情報が登録されるのはJICCのみです。ただし、保証会社が代位返済した事実は、CIC ・KSCでも登録され、CICでは「異動」、KSCでは「保証履行(代位弁済)」などの名称で登録されます。開示書類を見る際にはこれらの文言をチェックしてください。
同時期に何度もローンの申し込みをしたり、複数社にローンの申し込みをしたりすると、審査に通りにくくなります。
審査に落ちると、信用情報機関に落ちた履歴が残るため、その後の審査にも影響します。
仮審査は、本審査の前に実施する任意の審査です。氏名・生年月日・住所・収入などいくつかの審査項目に回答することで、本審査に通る可能性があるかを事前に知ることができます。
本審査とは違い、仮審査は落ちても履歴には残りません。そのため、まずは仮審査で様子を見て、問題が見つかれば対策を講じてから本審査にチャレンジするといったことができます。
任意整理を行うと、その記録が信用情報機関に登録されます。そのため、審査で信用情報機関を照会するディーラーローンや銀行マイカーローンは通らない可能性が高いです。一方、自社ローンは、信用情報機関への照会をしないため、審査に通る可能性があります。
また、任意整理中に車が必要になったら、家族名義でローンを組んだり、カーリースやサブスク、カーシェアを利用したりする方法もあります。
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