自動車ローンを一括返済（繰り上げ返済）するメリット・デメリット｜注意点も解説

執筆者：マネーFix 編集部

2023-04-18

2023-05-31

【監修】株式会社RKコンサルティング河合克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー（FP）として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

ローンの返済を繰り上げて、残額を一度に清算するのが「一括返済」です。利息負担を軽減できる点はメリットですが、事前に確認しておくべき注意点もあります。

この記事では、自動車ローンの一括返済を考えている人に向けて、一括返済のメリット・デメリット、一括返済を検討するタイミング、一括返済する際の注意点を解説します。

目次 [開く]

自動車ローンを一括返済するメリット

自動車ローンを一括返済する主なメリットは、以下の2点です。

自動車ローンの返済期間中は、利息が発生します。返済期間が長いほど、支払う利息が増え、返済総額が高くなります。

自動車ローンの残額を一括返済すると、それ以降は利息が発生しません。一括返済する時期が早いほどお金を借りている期間が短くなり、それだけ利息負担を軽減できます。

ディーラーが提携する信販会社を利用するディーラーローンや、自動車販売会社が独自に設ける自社ローンを利用すると、返済が終わるまで所有権はディーラーや信販会社にある状態となります。所有権がないと、自動車の買い替えや売却、譲渡などが自由に行えません。

自動車ローンの残額を一括返済すれば所有権が自分に移るため、買い替えや売却、譲渡なども可能になります。

自動車ローンを一括返済する主なデメリットは、以下の3点です。

自動車ローンの一括返済は、早期に行うほど利息負担が減るものの、一時的な支出は大きくなります。一括返済によって、家計を圧迫したり、ほかのローンの返済が困難になったりしないよう、しっかり試算してください。

生活費や緊急資金などの余剰資金に影響が出る場合、一括返済は慎重に検討したほうがよいでしょう。

自動車ローンの一括返済または繰り上げ返済には、一定の手数料がかかります。利用するローンによっても異なりますが、手数料の金額は数千円から数万円程度です。

自動車ローンの残金が少なくなった段階で一括返済しても、支払総額はほとんど変わらない可能性があります。軽減できる利息額が手数料を下回ると、かえって損をするため注意してください。

自動車ローンの一括返済を検討するべきタイミングは次の通りです。

なお、銀行マイカーローンの場合は自動車が本人名義となるため、返済途中であっても買い替えや売却などが自由に行えます。そのため、買い替えや売却を目的に一括返済を検討する必要はありません。

最後に、自動車ローンを一括返済する際に確認すべき、2つの注意点を紹介します。

一括返済を検討する場合、まず確認しなければならないのが手数料です。

一般的に銀行マイカーローンは、手数料が数千円程度で、一部では手数料無料の金融機関も存在します。一方、ディーラーローンは手数料が数万円程度と割高な傾向があります。

一般的なローンでは、残高に対して利息が発生するため、早く返済するほど負担が軽減されます。例えば、ローンの返済期間が3年の場合、1年以内に一括返済すると経済的なメリットが期待できます。

ただし、手数料の金額によっても変わるため、事前に計算してメリットがあるか確認してください。また、あらかじめ利息額を算出するアドオン方式の自動車ローンは、一括返済しても利息負担は軽減されません。

車のローンは、繰り上げ返済しないほうがいいケースもありますのでメリットがあるか確認してください。

自動車ローンの一括返済には、利息負担を軽減できる、車の名義を自分にできるなどのメリットがあります。一方、一時的に大きな支出になる、一括返済にも手数料がかかるなどのデメリットがあるため、注意が必要です。

一括返済を検討するタイミングは、経済的な余裕ができたとき、買い替え・乗り換えを検討しているとき、事故などで車を廃車にする必要があるときなどです。経済的なメリットがあるか確認したうえで、一括返済を検討してください。