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車のローンに保証人が必要なのはどんなとき?審査のポイントや保証人の条件を解説

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

車のローンを組む際に、保証人が必要なことがあります。しかし、保証人をお願いできる人がいない、あるいは保証人をお願いしたくないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、車のローンに保証人が必要なのか詳しく解説します。保証人に関する悩みがある人は、ぜひ参考にしてください。

車のローンに保証人は必要?

結論からいえば、車のローン契約では保証人が必要ないケースが多いです。車のローンでは、一般的に保証会社に保証料を支払い保証人代わりとします。また、ディーラーローンでは、ディーラーが車の所有権を持つケースが多く、その場合は車自体が担保となるため保証人は必要ありません。

ただし、車のローンを契約するために連帯保証人が必要となるケースもあります。保証人と連帯保証人は責任の範囲が異なるため、違いをきちんと理解しましょう。

車のローンの保証人は2種類

車のローンの保証人は、保証人と連帯保証人の2種類です。どちらも債務者が返済できなくなったときに代わりに返済義務を負う立場ですが、責任の範囲が異なります。

大まかなポイントは、以下の通りです。

保証人・・・債務者に返済能力がない場合のみ返済義務を負う

連帯保証人・・・債務者と同等の返済義務を負う

保証人、連帯保証人それぞれについて、詳しく解説します。

保証人

保証人は、債務者に返済能力がない場合のみ返済義務が発生します。

保証人の場合、債務者の代わりに返済を求められても、「まずは債務者への請求をお願いします」と主張することが可能です。債務者の返済能力が完全に失われた場合のみ、保証人が返済する必要があります。

また、保証人が複数人設定されている場合、保証人1人あたりが返済する額は、債務額を保証人の人数で割った金額に限られます。

つまり保証人は、債務者の代わりに返済する義務が発生しますが、責任の範囲は限定されている立場といえます。

連帯保証人

連帯保証人は、債務者本人と同等の返済義務を負います。

保証人との大きな違いは、債務者の返済能力に関係なく返済義務が発生する恐れがある点です。

保証人は債務の返済を求められても「まずは債務者に請求してほしい」と主張できますが、連帯保証人は返済請求を拒否できません。債務者に資金がある、あるいは返済能力を有している場合でも、債権者からの請求次第で連帯保証人が返済義務を負うケースがあります。

つまり、連帯保証人は保証人に比べてより重い責任を負う立場といえます。

連帯保証人が必要な状況とは

車のローンで求められる保証人は、多くが連帯保証人です。連帯保証人が求められるケースと、必要な理由は以下の通りです。

連帯保証人が必要になる場合 理由
未成年 未成年は原則として契約行為ができないから
収入が少ない 支払能力が低いと判断されるから
収入が不安定 債権者が重視する継続性・安定性が低いと判断されるから
信用情報に傷がある ローンの可否を判断するうえで信用情報は重要な材料だから
ほかにも借入れがある 年収に占める返済額の割合には一定の基準が定められているから
ローンの審査が厳しい 審査基準をクリアできない恐れが大きいから

連帯保証人が必要になるケースについて、それぞれ詳しく解説します。

未成年

契約者が未成年だと、連帯保証人が必要となる可能性が高いです。

民法では、未成年者は原則として契約行為ができないと定められています。未成年者がローン契約を行う場合、本人の収入の有無に関係なく法定代理人の同意が必要です。また、法定代理人の同意に加え、連帯保証人も求められるケースが多く見られます。

民法改正によって成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたため、18~19歳の人は法定代理人を立てなくてもローン契約はできます。ただし、19歳以下は依然として連帯保証人が求められることが多いです。

収入が少ない

ローンを申し込む本人の収入が少ない場合も、連帯保証人を求められる可能性が高いです。

車に限らず、ローン契約では返済能力の有無が重視されます。収入が少ないと返済に充てられる資金的余裕も小さくなるため、返済能力が低いと判断されやすくなるのです。

また、収入額が同じでも、借入金額によって連帯保証人の必要有無が異なるケースもあります。借入金額が高いほど、求められる収入水準も上がります。

収入が不安定

収入が不安定な場合も、連帯保証人を求められるケースが多いです。収入が不安定と判断される職業として、以下の例が挙げられます。

  • フリーランス:特に芸能関係やスポーツ選手など、収入の増減が激しい人は、収入が不安定と判断されやすい傾向にあります。
  • 起業・法人成りしたばかりの人:事業がまだ安定しておらず、売上の実績が証明できない時期なので、収入が不安定と判断されやすくなります。
  • 勤続年数が短い人:あくまで目安ですが、勤続年数1年未満の人は収入が不安定と判断される可能性が高いです。

車のローンは年単位で継続的な支払いを行うため、ローン審査においては、収入額そのものではなく、安定性・継続性が重視されます。

信用情報に傷がある

信用情報に傷がある場合も、連帯保証人を求められる可能性が高いです。信用情報に傷がつく原因としては、以下が挙げられます。

  • クレジットカードやキャッシングの滞納
  • 未納分の存在
  • 債務整理・自己破産

信用情報は、ローンの可否を判断するうえで重要な材料です。信用情報に傷がある状態は、過去に債務の返済で問題があったことを意味します。返済能力の懸念が大きくなるため、連帯保証人の必要性が高まります。

ほかにも借入れがある

すでに、ほかの借入れをしている場合も、連帯保証人が必要となる可能性が高くなります。年収に占める返済額の割合に一定の基準が定められているためです。年収に占める返済額の割合を「返済比率」と呼びます。

返済比率の目安は25~35%です。返済比率は1つのローンではなく、すべてのローンのトータルで計算されます。

ほかに借入れがあり、追加で車のローンを契約しようとすると、返済比率が高くなりやすいです。そのため、車のローンの金額がそれほど大きくなくても、連帯保証人が必要となります。

ローンの審査が厳しい

ローン会社の審査基準が厳しい場合、連帯保証人が必要になるケースがあります。

ここまで紹介したどの理由にも当てはまらないのに連帯保証人が求められた場合は、ローン会社の審査基準が通常よりも厳しい可能性が考えられます。

連帯保証人になれるのはどんな人?

連帯保証人は、契約者の親や配偶者がなるのが一般的です。ローン会社側から、親や配偶者を連帯保証人にするよう求められるケースもあります。

親や配偶者以外でも、条件を満たせば連帯保証人になることができます。主な条件は、以下の通りです。

  • 65歳未満の成人
  • 雇用が安定していて一定の収入がある
  • 信用情報に問題がない
  • 多額の借入がない

65歳未満の成人

連帯保証人の条件の1つに、65歳未満の成人が挙げられます。

連帯保証人になるには、契約行為ができなければなりません。民法において、未成年は原則として契約行為ができないと定められています。

また、65歳以上の高齢者は、収入が年金のみというケースも少なくありません。年金額や総資産額にもよりますが、多くの場合は返済能力が低い、あるいは継続的かつ安定した返済が難しいと判断され、連帯保証人になることができません。

雇用が安定していて一定の収入がある

雇用が安定していて一定の収入があることも、連帯保証人に求められる条件の1つです。連帯保証人は、契約者本人の返済能力が低い場合に必要とされます。

連帯保証人には、契約者本人よりも高い継続性・安定性が求められます。勤続年数が長く、年収が高いほど、審査で有利になるでしょう。

信用情報に問題がない

信用情報に問題がないことも大切なポイントです。

連帯保証人が必要な状況の一例として、本人の信用情報に傷があるケースが挙げられます。連帯保証人の条件を満たすか否かを判断する際も、同じように信用情報をチェックされます。一定期間内にクレジットカードやキャッシングの滞納、債務整理や自己破産などの履歴があると、連帯保証人として認められません。

多額の借入がない

連帯保証人になれるのは、多額の借入れがない人のみです。

連帯保証人は債務者である契約者本人と同等の責任を負うため、返済できるだけの経済的余裕があるかチェックされます。多額の借入れを抱えていると、返済できない恐れが大きく、連帯保証人としては不適切です。

連帯保証人をお願いする際は、ほかにローンを組んでいない人、返済比率が小さい人にしましょう。

連帯保証人が立てられない場合は

連帯保証人になれる人の条件は複数あり、一定の基準を満たす必要があります。そのため、身近に連帯保証人となれる人がいないケースもあるでしょう。連帯保証人になれる条件を満たしていても、何らかの事情からお願いできない、頼んでも断られるということも考えられます。

連帯保証人を立てられず、いまのままでは車のローンを組めそうにない場合、以下の手段によって解決できる可能性があります。

  • 頭金を用意する・増やす
  • 安い車に変える
  • 審査のやさしいローンに変える
  • 返済期間を延ばす

頭金を用意する・増やす

頭金を用意する、あるいは頭金を増やすことで、連帯保証人なしでもローンを組める可能性が高くなります。

車の購入に際して頭金を支払えば、そのぶん借入額を抑えることができます。借入額が小さくなればローンの審査もゆるくなるため、連帯保証人が不要となるケースがあります。

ただし、頭金の支払いにはまとまった資金が必要です。ローン審査の通過率を高めるために無理して高額な頭金を支払うと、その後の家計に大きな影響を与える恐れがあります。頭金は自分にとって無理のない金額に設定することが大切です。

安い車に変える

購入を考えている車よりも安い車に変えるのも、ローンの審査をゆるくする方法の1つです。

ローンの審査では、借入金が大きいほど審査が厳しくなります。購入する車の金額が安くできれば、借入金も小さくなるため、連帯保証人が不要になるかもしれません。

新車ではなく中古車、最新型より少し前の型を選ぶなど、方法によっては車の金額を大幅に抑えられます。

審査のやさしいローンに変える

審査のやさしいローンに変える方法もあります。

連帯保証人が必要な状況として、ローン会社の審査が厳しいというケースが挙げられます。審査基準はローン会社によってさまざまです。そのため、借入金額などの条件がまったく同じでも、ローン会社によって連帯保証人の必要有無が異なります。

雇用形態や収入額、信用情報などに問題がないのに連帯保証人を求められた場合、審査が厳しいローン会社なのかもしれません。審査がやさしいローン会社に変えれば、連帯保証人が不要になる可能性があります。

返済期間を延ばす

返済期間を延ばすことで、連帯保証人が不要になるケースもあります。

同じ借入額でも、返済期間が長いほど1回当たりの支払額が小さくなります。月々の返済額が小さければ無理なく返済できる可能性が高くなるため、連帯保証人も不要になるでしょう。

ただし返済期間を延ばすと利息額が増えるため、支払総額が大きくなります。1回当たりの支払額だけでなく、支払総額も確認するようにしましょう。

まとめ

車のローンを契約する際には、必ずしも保証人を立てる必要はありません。連帯保証人を求められるのは、契約者の返済能力が低いと判断された場合です。

連帯保証人を立てられない人は、どのような方法を取るとよいかも記事で紹介しました。車のローンを契約する際には、ぜひ参考にしてください。

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