空き家を解体する際はまとまった資金が必要ですが、その際に活用できるローンがあります。「解体ローンってどんなもの?」「ローンを組んでまで解体しなきゃいけないの?」など、気になる人もいるのではないでしょうか。
空き家を放置するとリスクもあるので、解体ローンを上手く活用して空き家を適切に処分することも検討しましょう。
この記事では、空き家の解体費用に使えるローンを解説します。
- 空き家解体ローンの解説
- 空き家解体のポイント
- 空き家を放置するデメリット
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
空き家を解体する際はまとまった資金が必要ですが、その際に活用できるローンがあります。「解体ローンってどんなもの?」「ローンを組んでまで解体しなきゃいけないの?」など、気になる人もいるのではないでしょうか。
空き家を放置するとリスクもあるので、解体ローンを上手く活用して空き家を適切に処分することも検討しましょう。
この記事では、空き家の解体費用に使えるローンを解説します。
空き家の解体には費用がかかります。資金が足りない場合には、ローンを利用するのも1つの方法です。金融機関によっては、空き家解体専用のローンを提供しているところもあります。
解体費用に活用できるローンは、次の通りです。
空き家専門の解体ローンは、利用目的を空き家解体のみとしているため、利用条件のハードルが低いのが特徴です。
金利設定も、ほかのローン商品より低いことが多いです。空き家を解体したい場合には、特に利用しやすいローンといえるでしょう。
各地域の、空き家専門の解体ローンの例は下表の通りです。
地域 | 銀行名 | 所在地 | 商品名 |
---|---|---|---|
北海道 | 北海道銀行 | 北海道札幌市 | 道銀空き家解体・有効活用ローン |
東北 | 七十七銀行 | 宮城県仙台市 | 77くらしアップローン「フリープランワイド(空き家活用プラン)」 |
北関東 | 足利銀行 | 栃木県宇都宮市 | 空き家対策ローン |
首都圏 | 千葉銀行 | 千葉県千葉市 | ちばぎん空き家対策支援ローン |
関西 | JAバンク大阪 | 大阪府大阪市 | JA空き家解体ローン |
中国 | もみじ銀行 | 広島県広島市 | 空き家対策ローン |
四国 | 四国銀行 | 高知県高知市 | 空き家解体応援ローン |
九州 | 福岡銀行 | 福岡県福岡市 | 空き家解体ローン |
金融機関によっては、「リフォームローン」が解体費用も対象としていることがあります。前述した空き家専門の解体ローンと同じく、借入のハードルは低いです。原則として、担保や保証人は不要となっています。
住んでいる地域の銀行に空き家専門の解体ローンがない場合は、リフォームローンで空き家解体費用に充当できないか、銀行へ相談してみましょう。
各地域の、解体費用にも対応するリフォームローンの例は下表の通りです。
地域 | 銀行名 | 所在地 | 商品名 |
---|---|---|---|
北海道 | 北洋銀行 | 北海道札幌市 | 北洋ライフプラスローン(リビングリーン)空き家解体優遇 |
東北 | 盛岡信用金庫 | 岩手県盛岡市 | リフォームプラン |
北関東 | 茨城県信用組合 | 茨城県水戸市 | リフォームローン・ワイド |
首都圏 | 埼玉りそな銀行 | 埼玉県さいたま市 | りそな住宅ローン(リフォーム資金セット型) |
北陸・信越 | 山梨中央銀行 | 山梨県甲府市 | リフォームローン |
北陸・信越 | 長野銀行 | 長野県長野市 | 長野銀行リフォームローン |
東海 | 愛知県中央信用組合 | 愛知県碧南市 | けんしんリフォームローン |
東海 | 十六銀行 | 岐阜県岐阜市 | 空き家リフォーム・解体サポートローン |
関西 | 関西みらい銀行 | 大阪府大阪市 | 関西みらいリフォームローン |
中国 | 山陰合同銀行 | 島根県松江市 | リフォームローン1000 |
四国 | 高知銀行 | 高知県高知市 | こうぎんリフォームローン |
九州 | 熊本県信用組合 | 熊本県熊本市 | リフォームローン |
「住宅諸費用ローン」とは、空き家の解体費用やリフォーム資金など住宅に関係する費用を対象とするローン商品です。金融機関によっては、「住宅関連ローン」という名称で提供されている場合もあります。
例えば、静岡県静岡市に本店を置く清水銀行では「しみず住宅諸費用ローン」を取り扱っています。
フリーローンは、事業用や投資用以外の目的であれば利用できるローン商品です。近隣の銀行で、空き家専門の解体ローンや、解体にも使えるリフォームローン、住宅諸費用ローンの取り扱いがない場合には、フリーローンを検討しましょう。
ただし、ここまで紹介したローンと比べて、フリーローンは金利が高い傾向があります。ほかのローンが利用できる場合は、そちらを優先する方がよいでしょう。
空き家解体に活用できるローン商品は、数多く存在します。どのローン商品を選べばよいのか迷う人もいるでしょう。
そこでおすすめなのが、クラウドローンです。
クラウドローンと提携している銀行は30行です。それらの中から、最適なローン商品を探すことができます。希望する条件等を登録すると、あとは金融機関から最適な商品の提案があるのを待つだけです。
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空き家を放置することで、次のようなデメリットがあります。
空き家を放置することで、建物の老朽化が進み、倒壊するリスクが考えられます。台風や豪雨など自然災害で空き家が倒壊した場合、近隣住民へ多大な迷惑をかけることになりかねません。
また、空き家のままにしておくと、防犯上のリスクも高まります。犯罪の温床になるほか、野生動物が住みついて近隣トラブルへ発展するケースもあるため注意が必要です。
空き家を解体し、建物の立っていない状態(更地)にすると、住宅用地の特例が適用されなくなるため、解体前よりも固定資産税が大幅に高くなります。具体的には、固定資産税は解体前の最大6倍に上がります(200㎡以下の小規模宅地の場合)。
一方で、空き家を解体しなくても、「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されると固定資産税が高くなります。
「特定空き家」に指定されると、自治体からの指導・勧告がされるほか、解体の強制執行が行われる場合もあります。特定空き家は、以下の項目に該当する空き家です。
「管理不全空き家」は、放置空き家が問題になっていることを受けて、2023年から新設されたものです。放置し続けると、特定空き家になる恐れがある場合に管理不全空き家に指定されます。
空き家の解体資金を準備する際に知っておきたいポイントは、以下の通りです。
自治体によって、空き家に関する補助金制度を実施している場合があります。まずは、空き家の存在する自治体の空き家対策を調べてみましょう。空き家解体費用を補助している自治体の一例は、以下の通りです。
自治体によって補助が受けられる要件は違いますが、老朽化した空き家に対する解体費用を助成する目的であることが多いです。
ほかにも、都市景観保護の観点から空き家対策として補助金を利用できる場合もあります。
空き家専門の解体ローンをはじめとした各種ローンは、契約から融資までに時間がかかります。カードローンやキャッシングと比べると、審査に必要な書類も多く、審査内容も厳しいです。実際に融資が実行されるまでの期間の目安として、フリーローンの場合で2週間程度かかります。
融資までには時間がかかるため、解体費用の借入を検討する場合には、早めに準備しておきましょう。空き家の老朽化で倒壊リスクが高まり、早急な解体が必要になってからでは資金繰りが間に合わないこともあり得ます。
空き家を解体するためには、まとまった資金が必要です。解体に利用できるローンがあるので、資金を用意する際には検討してみてください。複数の金融機関から提案が受けられる、クラウドローンもおすすめです。
空き家を放置するのはリスクがあります。倒壊リスクが高まっているなど早急な解体が必要となった場合に、資金繰りが間に合わないと手遅れになりかねません。この記事を参考に、あらかじめ使えるローンを調査しておきましょう。
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