結婚や旅行、車や家電の購入など、急な出費が必要になった場合、ローンを検討することもあるでしょう。ローンには、「目的ローン」「フリーローン」「多目的ローン」などの種類があり、選択に迷う場合もあるのではないでしょうか。
この記事では、「目的ローン」の種類やほかのローンとの違い、利用するときのポイントを解説します。自分の目的に合ったローンを選ぶ際の参考にしてください。
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【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩
一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。
結婚や旅行、車や家電の購入など、急な出費が必要になった場合、ローンを検討することもあるでしょう。ローンには、「目的ローン」「フリーローン」「多目的ローン」などの種類があり、選択に迷う場合もあるのではないでしょうか。
この記事では、「目的ローン」の種類やほかのローンとの違い、利用するときのポイントを解説します。自分の目的に合ったローンを選ぶ際の参考にしてください。
ローンにはさまざまな種類がありますが、主に4種類に分けられ、それぞれお金の使い道や金利、返済期間、審査スピードが異なります。
【お金の使い道が決まっているローン】
【お金の使い道が比較的自由なローン】
【お金の使い道が自由なローン】
お金の使い道が決まっている | お金の使い道が比較的自由 | お金の使い道が自由なローン | ||
---|---|---|---|---|
目的ローン | 多目的ローン | フリーローン | カードローン | |
審査 | 使い道の証明が必要 | 使い道の証明が必要 | 使い道の証明は不要 | 使い道の証明は不要 |
借入金利 | 0.5~8%程度 | 3~8%程度 | 2~15%程度 | 2~18%程度 |
用途 | 限定的(事業資金や投資専用ローン有) | 比較的自由 | 事業資金・投資資金以外はOK | 事業資金・投資資金以外はOK |
借入方法 | 1度に全額借り入れ(自由に出し入れできない) | 1度に全額借り入れ(自由に出し入れできない) | 1度に全額借り入れ(自由に出し入れできない) | 範囲内であれば何度でも自由に出し入れ可能 |
審査スピード | 1~3週間程度 | 1~2週間程度 | 1~2週間程度 | 最短即日 |
代表的な目的ローンに「住宅ローン」や「マイカーローン」があります。目的ローンのメリットは以下の通りです。
高額の融資が期待できる点は、目的ローンの大きなメリットです。
消費者金融のローンは総量規制の対象ですが、銀行が融資する目的ローンは対象外となります。総量規制とは、個人が借り入れをする場合、借入総額が年収の3分の1を超える融資が原則禁止となる仕組みです。
そのため、目的ローンは、年収の3分の1を超えた借り入れができる可能性があります。ただし、融資限度額は審査によって決まるため、必ずしも希望通りの金額の借り入れができるわけではありません。
総量規制について内部リンク:総量規制対象外のカードローンとは?おすすめ銀行や即日借りる方法も解説
金利設定が比較的低い点も、目的ローンのメリットです。
目的ローンは、目的が限定的な分、フリーローンやカードローンと比較すると金利が低めに設定されている傾向があります。
ただし、銀行によって金利に差があるため、借り入れる際には、条件を比較検討することが大切です。
目的ローンのデメリットは以下の通りです。
目的ローンはほかのローンと比べて提出書類が多く、用途によって必要な書類が異なります。
カードローンやフリーローンの場合は、一般的に「本人確認書類」と「収入証明」のみで審査が可能なため、提出書類の準備をわずらわしく感じるかもしれません。
追加融資がしにくい点も、目的ローンのデメリットです。目的ローンの場合、基本的に1回の審査で借り入れできるのは1度までです。
例えば、住宅ローンを借りた後に外構工事などで追加の借り入れが必要となった場合、再審査を行うか別のローンを検討することになります。
カードローンのように借入限度額まで何度も借り入れや返済を行うことはできないので注意が必要です。
審査に時間がかかる点も、目的ローンのデメリットです。目的ローンの審査は種類によって異なりますが、一般的に1~3週間程度の時間がかかります。
カードローンの場合、即日審査が完了する場合もあります。しかし、目的ローンは低金利である分、審査が厳しく、提出書類も多いことから、時間がかかる傾向があります。
また、目的ローンの場合、原則、銀行窓口に行く必須であり、Webでの申し込みができない場合も多いので注意が必要です。
急いでお金が必要という人には不向きと言えるでしょう。
目的ローンにはさまざまな種類があり、主なローンは以下の通りです。
金融機関によっては、働く女性を応援するローンや自転車ローン、趣味に使えるサブカルローンなどさまざまな目的に合わせたローンを提供しています。
住宅ローンは、住宅にかかる費用を借り入れする目的ローンです。
住宅ローンの特徴は、借り入れ限度額が高く、返済期間も長いため金利が優遇されている点です。金利は変動金利・固定金利から選択することができ、特に住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は人気があります。
また、住宅が担保となるため、団体信用生命保険(団信)への加入が必要です。
マイカーローンは、自動車の購入費用を借り入れする目的ローンで、新車・中古車どちらにも利用することができます。自動車の購入だけでなく、修理や車検・免許の取得といった用途にも利用できます。
信販会社が取り扱っているマイカーローンでは、信販会社が利用者の代わりに一括で支払いし、利用者が分割で支払う「立替払い方式」を採用している場合もあります。
教育ローンは、教育にかかる費用を借り入れする目的ローンで、民間の金融機関や日本政策金融公庫が取り扱っています。入学金や授業料以外にも、在学時のアパート代や留学資金としても利用することができます。
奨学金との違いは、教育を受ける学生の保護者が借り入れをする点です。奨学金は民間のローンよりも低金利で、条件によっては金利ゼロで借り入れることができますが、学生本人が返済する義務があります。
ブライダルローンは結婚にかかる費用を借り入れする目的ローンです。披露宴や新婚旅行・結婚指輪に加え、一部の商品では、家電の購入や新居の入居費用にも対応している場合もあります。
医療ローンは治療にかかる費用を借り入れする目的ローンです。脱毛や美容整形・インプラントやレーシックといった保険適応外の施術や、高額治療にも対応しています。
ペットローンは、主にペットの購入費用を借り入れする目的ローンです。ペットの購入だけでなく、トリミングや美容代・医療費にも利用することができます。
目的ローンを利用する際のチェックポイントは、以下の通りです。
目的ローンを利用する前に必ずチェックすべきポイントは、金利です。同じ目的ローンであっても金融機関によって金利は異なります。
利息は借入額や金利、返済期間により算出されます。金利が低ければ利息が減り、総支払額も少なくなります。
また、Webサイト等に記載されている最低金利は条件付きのケースもあり、はじめて利用する人が最低金利で優遇されることは稀です。金利を比較検討する際は、最低金利ではなく最大金利を比較するとよいでしょう。
保証料や手数料についても、チェックしておきましょう。目的ローンの借り入れる際、金融機関によっては保証料や手数料を支払うケースが発生します。
保証料や手数料の支払いは、「契約時に現金一括で支払う」場合と「金利を上乗せしてローンに組み込む」場合があります。
契約時にまとまった現金を用意できれば、総額の支払金額が安くなり、月々の支払いにも余裕ができます。一方、ある程度手元に資金を残しておきたい場合は、補償料や手数料をローンに組み込むことで契約時の諸費用を安く抑えることが可能です。資金計画をしっかり立てて、自分に合った支払方法を選択することが大切です。
銀行の目的ローンでは、利便性の高さもチェックしておきましょう。
インターネット銀行や大手銀行を中心にデジタル化が進んでおり、一連の手続きがWeb上ですべて完結するケースもあります。また、オンライン相談を受け付けているケースもあり、その場合は店舗まで足を運ぶ必要がありません。
一方、オンラインでのやりとりが苦手な人にとっては、「店舗が近くにあるか」「窓口対応は親切か」といった点も重要な判断材料です。
どのような点に利便性を感じるかは人によって異なります。自分のライフスタイルに合った金融機関を探すことをおすすめします。
お金の使い道によって利用できるローンは異なります。目的ローンは、住宅や自動車の購入だけでなく、結婚や医療費、ペットの購入など、目的に合わせて利用することができます。
各ローンの特徴を理解し、選ぶ際のポイント確認したうえで、自分に合った目的ローンを選ぶようにしましょう。
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