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住宅ローンを一括返済できない人が家を売却する方法|注意点も解説

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

住宅ローンを組んで家を購入したものの、さまざまな事情からローン完済前に家の売却を検討する人もいます。その際、ローン残高を一括返済できれば問題ありませんが、できない場合はどうすればよいのでしょうか。

この記事では、ローン残高を家の売却額でも完済できない場合の対策や、実際に家を売却する際の注意点について解説します。ローンが残った状態で家の売却を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

家の売却は基本的に住宅ローンの完済が条件

住宅ローンの返済中でも、家を売却することは可能です。ただし、ローン残高を完済することが条件となります。

ローンが残っている物件には、抵当権(ローン返済が滞ったときのために、家を担保にする権利)が設定されています。そのため、家を売る際は、ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。

ローンの完済方法としては、財産から一括返済できるならそれに越したことはありません。あるいは、家を売却して得たお金でローン残高を完済できるのであれば、問題ないでしょう。

売却しても住宅ローンを完済できない場合の対策

家を売却しても、その代金がローンを完済するのに届かないケースがあります。特に、マンションよりも建物の劣化が目立ちやすい戸建ての場合、売却額は低くなることが多いです。

家の売却額がローン残高を下回ったときにとるべき対策は、次の3つです。

  • 自己資金と売却額を合わせて完済する
  • 住み替えの場合は住み替えローンを活用する
  • どうしても完済できない場合は任意売却する

自己資金と売却額を合わせて完済する

家の売却額をローン返済に充てたことで、ローン残高はかなり減ったはずです。残りは自己資金で完済できるようなら、それで問題ありません。

ローンの返済には、生活に影響の出ない範囲で余剰資金から回すようにしましょう。

住み替えの場合は住み替えローンを活用する

ローンを完済させるだけの自己資金がない場合は、住み替えローンの活用を検討してみましょう。

住み替えローンとは、現在の家のローン残高と、新居購入のための資金をまとめて借入できるローンのことです。本来なら現在の家と新居で二重ローンになるところを一本化でき、支払いにかかる費用や労力を抑えられます。

また、住み替えローンを利用すると、一般的な住み替えよりもかかる費用を減らせます。

現在の家を売却してから新居を購入するという流れだと、新居の購入が済むまでは仮住まいをしなければなりません。しかし、住み替えローンは現在の家の売却と新居の購入が同時なので、仮住まいにかかる費用を削減できます。

ただし、住み替えローンにも注意点があります。2つの家に関する資金をまとめて借入するため、借入額が大きくなってローンの審査が厳しくなったり、返済にかかる負担が大きくなったりします。

住み替えローンを申し込む際は、ほかの借入を控えたり、無理のない返済プランを立てたりすることが大切です。

どうしても完済できない場合は任意売却する

自己資金が乏しく、住み替えローンの利用も難しい場合は、家の任意売却を検討しましょう。任意売却とは、住宅ローンなどの返済が滞ったときに、借入先の金融機関の承諾を得たうえで家を売却することです。

ただし、売却を希望する家の市場価値が低く、ローン残高との間に大きな開きがある場合は、金融機関から任意売却を行う許可が得られない可能性があります。

任意売却は時間も労力もかかる方法なので、基本的には自己資金や住み替えローンでのローン完済を目指してください。

任意売却についてやメリット・デメリットはこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:任意売却とは?わかりやすくメリット・デメリットを徹底解説|一般社団法人 住宅ローン問題解決支援機構

家を売却するときに押さえておきたいポイント

家の売却を検討する際には、次の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 残債を確認する
  • 家を売却したら税金がかかる
  • 家を売却したら控除が受けられる

残債を確認する

まず行うべきは、住宅ローンの残債の確認です。残債とは未払いの借入金のことで、残債の金額によって「自己資金からの一括返済が可能か」「家を売却する際の希望価格をいくらにすべきか」が判断できます。

一括返済が可能な金額であれば自己資金でローンを完済し、できないのなら残債をまかなえるだけの価格をつけて家を売却します。残債は住宅ローンの借入先である金融機関で確認できるため、問い合わせてみてください。

家を売却したら税金がかかる

家を売却したときに得られる利益は譲渡所得となり、所得税や住民税、復興特別所得税がかかります。ただし、譲渡所得となるのはあくまで利益が出たときで、購入した価格よりも安く売った場合にはこれらの税金はかかりません。

一方で、家を売却する手続きの中で印紙税や消費税が発生します。また、抵当権を抹消する際に登録免許税がかかります。

家を売却したら控除・減税が受けられる

家の売却時には、控除や減税が受けられる可能性があります。主な内容は、以下の通りです。

居住用財産3000万円控除

居住しているマイホームの売却について、所得税や住民税の課税対象である譲渡所得から3000万円を差し引ける。

10年超所有軽減税率の特例

売却する家の所有期間が10年を超えている場合、譲渡所得に対して軽減税率が適用される。

譲渡損失の損益通算及び繰越控除

マイホームの売却で損失が出た場合、一定の要件のもとでほかの所得から控除(損益通算)できる。

まとめ

住宅ローンの返済途中で家を売却する場合は、ローンを完済することが条件です。自己資金で一括返済できない場合は、家の売却額と自己資金を合算したり、住み替えローンを利用したりすることになるでしょう。これら2つの方法が上手くいかなかったときは、任意売却を検討するのも1つの方法です。

ローンが残った状態で家の売却を検討している人は、この記事を参考にしてください。

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