住宅ローンの借り換え手数料の相場は|手数料の詳細や準備ができない場合の対策

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

住宅ローンの借り換えをすると、毎月の返済額や返済総額を抑えられる可能性があります。また、変動金利から固定金利のローンに借り換えることで、金利の変動リスクに備えることもできます。

住宅ローンの借り換えを検討する際には、「手数料」がどの程度かかるのかも考慮に入れておく必要があるでしょう。この記事では、住宅ローンの借り換えにかかる手数料について解説します。

住宅ローンの借り換えでかかる手数料の相場

住宅ローンを借り換える際の手数料は、主に以下の3種類があります。

  • 新規のローンにかかる手数料
  • 借り換え前のローンにかかる手数料
  • 登記にかかる手数料
新規のローンにかかる手数料 印紙税 印紙税法で定められた課税文書において納付する税金 契約金額によって異なる
保証料 保証会社に支払う費用 金額は条件により変動。20万~100万円のケースが多い
事務手数料(融資手数料・取扱手数料) 借入手続きにかかる事務費用として、借入先の金融機関に支払う費用 一般的には「借入金額×2.2%」。定額の場合、2万~11万円程度
借り換え前のローンにかかる手数料 全額繰上返済手数料 返済計画を繰り上げて返済する際、金融機関に支払う手数料 金融機関によって異なるが、5000~3万円程度
保証会社事務手数料 保証料の返金にかかる手数料 1万円程度
登記にかかる手数料 抵当権抹消費用 借り換え前の銀行に設定されている抵当権(担保)を解消する手続きにかかる費用 不動産1件につき1000円。土地と建物の場合2000円
抵当権設定費用 借り換え先の銀行に抵当権設定をするための費用 「借入金額×0.4%」 
司法書士依頼費用 登記手続きを司法書士に依頼する際にかかる費用 5万~10万円程度

新規のローンにかかる手数料

新規のローンにかかる手数料は以下の通りです。

  • 印紙税
  • 保証料
  • 事務手数料

印紙税

印紙税は、契約書などの文書にかかる税金で、書類に印紙を貼り付けて納めます。

借入金額に応じて納税額が変わります。例えば、「500万~1000万円以下」なら1万円、「1000万~5000万円以下」なら2万円です。

ただし、電子契約の場合、印紙税はかかりません。費用を抑えたい場合は電子契約をするのがおすすめです。

保証料

保証料は、契約者がローンを返済できなくなった場合、返済を立て替えてくれる保証会社に支払う費用です。

支払方式は「外枠」「内枠」の2種類があり、外枠方式では借入時に一括前払い、内枠方式では分割払いになります。内枠方式の場合、金利が上乗せされます。

保証料は無料や、20万~100万円のケースが多いですが、金融機関によって異なります。

事務手数料

事務手数料とは、借入手続きにかかる融資手数料・取扱手数料です。

支払方法は「定率型」と「定額型」の2種類があります。定率型は、借入金額に対して一定の割合を支払う方法で、定額型は借入金額に関係なく一定の手数料を支払う方法です。

定率型の手数料は「借入金額×2.2%」が相場ですが、金融機関によって異なるので、各金融機関の情報を確認しましょう。

定額型は2万~11万円程度のことが多いですが、金融機関によって異なります。

借り換え前のローンにかかる手数料

現在契約しているローンにかかる手数料は、以下の通りです。

  • 全額繰上返済手数料
  • 保証会社の事務手数料

全額繰上返済手数料

全額繰上返済手数料は、全額を繰り上げて返済する際に金融機関に支払う手数料です。

金融機関によって金額は異なりますが、5000~3万円のケースが多く、全額繰上返済手数料がかからない場合もあります。

保証会社事務手数料

保証会社事務手数料は、保証料の返金にかかる手数料です。金額は1万円程度で、繰上返済時に支払います。

ただし、保証会社を利用していない場合、事務手数料は発生しません。契約中のローンについて保証会社を利用しているか確認してください。

登記の手数料

登記にかかる手数料は、以下の通りです。

  • 抵当権抹消費用
  • 抵当権設定費用
  • 司法書士依頼費用

抵当権抹消費用

抵当権抹消費用は、借り換え前のローンを契約する際に設定した抵当権(担保)を解消する手続きにかかる費用です。

不動産1個につき1000円(土地と建物の場合は2000円)がかかります。

抵当権設定費用

抵当設定費用は、借り換え先の金融機関に新たに抵当権を設定するための費用です。

基本的に「借入金額×0.4%」ですが、中古住宅の場合、一定の条件を満たす場合において「借入金額×0.1%」が適用されます。ただし、借り換えの場合、0.1%の軽減税率が適用されることはほとんどありません。

司法書士依頼費用

登記手続きを司法書士に依頼する際にかかる費用です。依頼費用の相場は5万~10万円です。

登記は自身で行うこともできるため、費用を抑えたい場合は自分で行ってもよいでしょう。

これらの各種手数料を合わせると、住宅ローンを借り換えるには、30万~100万円程度の手数料がかかります。

まとまった金額が必要になるため、ローンの借り換えを検討する際には、各種手数料についてもシミュレーションしておくことをおすすめします。

住宅ローンを借り換えることでメリットを得られるケース

手数料を払ってでも住宅ローンの借り換えをするべきでしょうか。以下の条件に該当する場合、住宅ローンを借り換えることでメリットを得られる可能性があります。

  • 借り換え前後の金利差が1%以上ある
  • ローン残高が1000万円以上ある
  • 支払い期間が10年以上残っている

借り換え前後の金利差が1%以上ある

金利差が1%以上ある場合、メリットが得られる可能性があります。例えば、ローン残額2500万円、期間20年でシミュレーションしてみましょう。

借り換え前 借り換え後
残高 2500万円 2500万円
期間 20年 20年
金利 1.5% 0.38%
毎月返済額 12万636円 10万8191円
返済総額 2895万2640円 2596万5840円

金利の低いローンに借り換えることで、月の返済額が1万2445円安くなります。返済総額は約300万円少なくなるので、手数料分を差し引いても、メリットが得られるでしょう。

金利の差が少ない場合、支払い総額があまり変わらないため、手数料を差し引くとメリットが得られない可能性があります。

ローン残高が1000万円以上ある

ローン残高が1000万円以上の人は借り換えをすることでメリットを得やすいでしょう。残高が多いほど、借り換えの前後で利息負担に差が出るからです。例えば、残高2000万円、期間25年でシミュレーションしてみましょう。

借り換え前 借り換え後
残高 2000万円 2000万円
期間 25年 25年
金利 2.5% 1.3%
毎月返済額 8万9723円 7万8121円
返済総額 2691万6835円 2401万1320円

返済総額で約200万円の差額が出ました。一方、1000万円を下回る残高の場合、利息に差が出にくいため、手数料などを差し引くと大きなメリットは得られなくなってしまいます。

支払い期間が10年以上残っている

住宅ローンの支払い期間が10年以上ある人も借り換えをすることでメリットを得やすいでしょう。

金利が同じなら、返済期間が長いほど利息負担は増加します。逆に返済期間が短くなると、利息負担の総額は小さくなります。そのため、住宅ローンの返済期間が10年以上ある場合、借り換えによって返済期間を短くすれば利息負担の総額を少なくできる可能性があります。

一方、残存期間が10年以下の場合、返済期間を短くできたとしても、利息負担の総額は手数料の負担に見合うほど大きくは変わらないでしょう。

住宅ローンの借り換え手数料を準備できない場合の対策

住宅ローンの借り換えにかかる手数料が準備できない場合は、以下のような方法で対処できます。

  • 手数料も含めて借りる
  • 保証料や手数料が安い住宅ローンを選ぶ
  • 「保証料内枠方式」で借りる

手数料も含めて借りる

借り換えにかかる手数料も含めて新たなローンを組みます。手数料を上乗せして組むことができるローンを選ぶことで、借り換え時に費用が準備できなくても分割して支払うことができます。

手数料をローンに組み込んだ場合、住宅ローンの金利で借りることができるので、カードローンなどを利用して手数料分のお金を準備するよりも金利を抑えることができます

ただし、借り換え後の住宅ローンの残高は大きくなります。手数料を上乗せしてローンに組み込んだ場合と、一括で支払った場合との返済額を比較して、メリットの大きい方を選んでください。

保証料・手数料が安い住宅ローンを選ぶ

保証料や手数料がなるべく安い住宅ローンを選びます。

多くの銀行が、融資事務手数料を「借入金額×2.2%」に設定しています。この場合、2000万円のローンを組むと、融資事務手数料は44万円です。

定額型の手数料を採用しているローンを選ぶことで、手数料の負担を軽減することができます。

たとえば、SBI新生銀行は融資事務手数料が定額5万5000円から設定されているため、手数料を大幅に抑えることができます。また、北海道銀行のように、住宅ローンの借り換え専用の手数料が設定されている場合もあります。

ただし、融資事務手数料が安くても、ほかの手数料などを合わせると、結果的に同じくらいの金額になるということもあります。必ず費用を計算し、総額を比較してください。

「保証料内枠方式」で借りる

保証料内枠方式は、保証料を金利に上乗せし、先に払う手数料を少なくする方法です。

「手数料も含めて借りる」方法と似ていますが、保証料のみ毎月の返済に組み込みます。保証料以外の手数料は先に払っておきたい人などにおすすめです。

ただし、保証料内枠方式を利用すると金利が上乗せされるため、「金利を低くして返済額を抑える」というメリットが得られなくなる可能性があります。

また、ネット銀行の住宅ローンでは保証料内枠方式が使えないことも多いので、利用できる金融機関をあらかじめ確認しておく必要があります。

まとめ

住宅ローンの借り換えには、30万~100万円程度の手数料がかかります。たとえ金利が低い住宅ローンに借り換えても、手数料を差し引くとメリットが得られない場合もあります。

住宅ローンの借り換えを検討する際は、金利だけをみるのではなく、手数料も比較することをおすすめします。

手数料を含めた総返済額を比較すると、固定金利の住宅ローンのほうが、変動金利よりもお得になる場合があります。固定金利でおすすめの住宅ローンを『住宅ローンの借り換えで固定金利に変更するメリットは?おすすめランキング』で紹介しています。借り換えを検討する際には、固定金利の住宅ローンも検討してみましょう。

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