社会人の学び直しのメリット・デメリット!お金の準備方法を紹介

執筆者:マネーFix 編集部

【監修】株式会社RKコンサルティング河合 克浩

一般企業、外資系金融機関を経て、現在はファイナンシャルプランナー(FP)として年間150件超のお金の相談に対応。難しく感じる経済やお金の話をわかりやすく説明することに定評がある。夢を実現するため相談者に寄り添い、人生が豊かになるサポートを心がけている。

高等学校や大学を卒業し、社会人になったあとに改めて大学や大学院で学ぶ人が増えています。背景には、もっと勉強して専門的な知識を深めたいというニーズの高まりがあります。しかし、仕事との両立や費用面でなかなか実行に移せないという人も多いでしょう。

この記事では、社会人の学び直しについて、学ぶ場所の種類や、国が行っている取り組みなどを解説します。

社会人の学び直しとは

社会人の学び直しとは、いったん学校教育を卒業し、社会人としての経験を積んだあとに、再び教育を受けることです。学校に入り直す方法もあり、学び直しのために仕事を辞める人もいます。ただし、養う家族がいるなどの経済的な問題が理由で、仕事を続けながらの学び直しが主流となっています。

近年は学び直しを行う社会人が増えていますが、世界と比べるとまだまだ少ないのが実情です。

文部科学省「社会人の学び直しに関する現状等について」によると、日本の社会人学生の比率は非大学型高等教育機関で21%(OECD加盟国平均34.6%)、大学型高等教育機関で1.9%(同平均18.1%)といずれもOECD加盟国平均を下回っています。

社会人の学び直しの種類

ここでは、以下の教育機関での学び直しについて解説します。

  • 大学
  • 大学院
  • 専門職大学院

大学

社会人の学び直しの中で、比較的取り組みやすいのが大学での学びです。

大学は1年、2年など期間を決めたコースや、履修科目ごとに履修できるなど選択肢が多い点が特徴です。

ただし、社会人に特化した履修科目を準備している大学は少ないため、社会人向けの授業というよりは在校生と一緒に講義を受けるスタイルが主流です。

大学院

大学よりもさらに専門知識を深めたい場合は、大学院で学ぶ方法があります。経営学の修士課程を修了すると得られる学位「MBA」が人気です。

ビジネス以外の理系や法律系の知識を深めるなら、それに合ったカリキュラムが用意されている大学院に進学することになります。ただ、大学院に進学するには、学士レベルの知識が必要です。入学してからも課題提出などがあるため、勉強に充てる時間が大学よりも多くなります。

専門職大学院

専門職大学院は、社会的・国際的に活躍できる高度な専門職業人を養成することを目的としています。法科大学院や教職大学院などがあり、ほかにも会計や技術経営、公衆衛生などさまざまな分野があります。

専門職大学院には、以下の特徴があります。

  • 少人数で実践的な教育方法を採用している
  • 研究や論文の審査を必要としない
  • 実務家の教員を一定割合置いている

通常の大学院と比べて修了要件が厳しく、専門職大学院数は2023年5月時点で118校とまだ少ないです。

社会人の学び直しを支援する取り組み

社会人の学び直しに際しては、国が認定・支援する以下のプログラムが利用できます。

  • 職業実践力育成プログラム
  • 職業実践専門課程
  • キャリア形成促進プログラム
  • ハロートレーニング

ハロートレーニング以外は文科省に認定されたプログラムです。

職業実践力育成プログラム

職業実践力育成プログラムは、主に社会人を対象としています。このプログラムにより、社会人は大学、大学院、短期大学、高等専門学校で学ぶことが可能です。

職業実践力育成プログラムでは、対象となる職業の種類や、習得可能な能力が明記されています。関連分野の企業の意見を取り入れており、実務に関する知識や技能を習得できるのが特徴です。

社会人が学びやすいように、週末や夜間に開講する点も特徴です。

職業実践専門課程

専門学校の学科のうち、企業などと連携し、最新の実務知識や技能を身につけられる職業教育に取り組むのが「職業実践専門課程」です。

学べる内容には、商業実務分野(接客や販売実習など)、文化・教養分野(ホテル実習など)、工業分野(電気工事実務やIT・ゲーム作品制作実習など)があります。

キャリア形成促進プログラム

キャリア形成促進プログラムとは、職業に必要な実践的かつ専門的な能力の育成を目的とした、専門学校の専門課程もしくは特別課程です。

キャリア形成促進プログラムは、講習期間が2年未満であることや、企業と連携する授業時間の割合が授業総時間数の半分以上を占めるなどの特徴があります。

ハロートレーニング

ハロートレーニングとは、ハローワークの求職者を対象に行う訓練です。雇用保険受給者に対しては「公共職業訓練」を、雇用保険を受給できない人に対しては「求職者支援訓練」を行っています。

訓練を受講している期間中は受講手当が支給される点は、どちらも同じです。公共職業訓練の訓練期間が概ね3ヵ月~2年なのに対し、求職者支援訓練の訓練期間は2~6ヵ月と短いのが異なります。

また、公共職業訓練には、在職者向けの数日間の訓練や、学卒者向けの1年もしくは2年の訓練、障害者向けの3ヵ月~1年の訓練も用意されています。

社会人が学び直しをするメリット

社会人が学び直しをすることで得られるメリットは、以下の通りです。

  • 物事をより深く多角的に考えられるようになる
  • キャリアアップの可能性が広がる
  • 人脈を広げることができる

物事をより深く多角的に考えられるようになる

社会人は、「学んでいる知識が実務にどのように役立つかどうか」という目線で学び直しができます。学んだことをすぐに実践できる点も、社会人が学び直しをするメリットです。

実務と合わせて学習することで、自分の業務内容についてより深く、多角的に考えられるようになるほか、深い専門知識を得られます。この点は、転職や定年後の再就職を考える際にも役立つはずです。

キャリアアップの可能性が広がる

社会人が学び直すきっかけや目的は、キャリアアップであることが多いです。仕事で必要となる専門知識を得られるため、会社員なら学んだ内容を社内にアピールできるのもメリットといえるでしょう。

目的が明確なので、学習効率が高くなります。学び直し始めてから結果が出るまでが早いため、キャリアアップの可能性を広げやすいでしょう。

人脈を広げることができる

社会人の学び直しの場には、幅広い年齢層の人が集まります。一緒に勉強し、活動していく中で、さまざまな経験を持った人や考え方に触れることができるでしょう。大学では教授や研究者とのつながりができ、企業が参画しているプログラムだとその企業の内部にも人脈ができます。

人脈はビジネスシーンに役立つことも多いでしょう。また、自分の考え方に大きな影響を与える人物との出会いもあるかもしれません。人脈が広がると、視野が広がり、人間的にも成長できる可能性があります。

社会人が学び直しをするデメリット

社会人の学び直しには、以下のようなデメリットもあります。

  • 仕事との両立が大変
  • まとまった費用が必要

仕事との両立が大変

社会人の学び直しでは、仕事をしながらという人が多いですが、勉強と仕事を両立させるのは大変です。カリキュラムによっては、勤務時間を調整したり、仕事を休んだりしなくてはならなくなります。まずは、職場の理解を得ることが大切です。

スケジュールを上手くやりくりし、時間的な問題をクリアできたとしても、両立させるためには体力も必要です。会社帰りに通う場合などは、仕事で疲れたあとに勉強するのはなかなか大変でしょう。

ある程度まとまった費用が必要

仕事との両立と合わせて大きなデメリットとなるのが、学び直しにかかる費用の工面です。

大学や大学院で学び直すためには、入学金や授業料が必要です。授業料は前期、後期で一括払いとなっている学校が一般的です。

学び直しにかかる費用の目安は、以下の通りです。

学び直しにかかる費用目安
  • 国公立大学:入学金 約30万円 / 年間授業料 約53万円
  • 私立大学:入学金 約25万円 / 年間授業料 約93万円
  • 通信制大学:入学金 約3万円 / 年間授業料 約20万円
  • 国公立大学院:入学金 約30万円 / 年間授業料 約53万円
  • 私立大学:入学金 約20万円 / 年間授業料 約85万円
  • 専門職大学院:入学金 約30万円 / 年間授業料 約150万円
  • 法科大学院:入学金 約30万円 / 年間授業料 約140万円
  • 教職大学院:入学金 約20万円 / 年間授業料 約120万円

私立の大学や大学院では、年間授業料に100万円弱かかります。専門職大学院の入学金は大学や大学院とそこまで差はないものの、年間の授業料が高いことがわかります。

これらの費用を工面するためには、預貯金だけでは足りないという人もいるかもしれません。そこで、社会人が学び直しの費用を準備する方法を知っておく必要があります。

社会人が学び直しの費用を準備する方法

社会人が学び直しの費用を準備する方法は、以下の通りです。

  • 教育訓練給付制度
  • 奨学金
  • 教育ローン

教育訓練給付制度

厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、修了した人に対して、教育訓練受講費用の一部が支給される制度です。

教育訓練には「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3つがあり、それぞれ支給される費用の割合や上限額が異なります。

受講者はいったん費用を自分で立て替え、訓練受講後に支払った費用の一部を受給します。支給される割合と上限額は、以下の通りです。

  • 一般教育訓練給付:費用の20%(上限10万円)
  • 特定一般教育訓練給付:費用の40%(上限20万円)
  • 専門実践教育訓練給付:費用の50%(上限40万円)

利用できるのは、原則として雇用保険の被保険者です。ただし、離職して1年以内の人も対象となる場合があります。現在会社に勤めていて、働きながら学び直しを考えている人におすすめの制度です。

働きながら資格取得で利用できる補助金ついては、教育訓練給付金の利用条件や申請方法を紹介で詳しく解説しています。

奨学金

奨学金は、就学を支援するために必要な資金を給付もしくは貸与する制度です。

最も利用者が多い日本学生支援機構(JASSO)の奨学金では、給付型奨学金と貸与型奨学金があり、貸与型奨学金には無利息のものと有利息のものの2種類があります。

給付型奨学金は返済不要ですが、高校卒業後2年以内の人が対象となるため、多くの社会人は利用できないでしょう。貸与型奨学金も無利息のものは、基本的に社会人は利用できません。

社会人でも利用できるのは有利息の貸与型奨学金です。大学に通うなら、毎月2万~12万円の間で自分が決めた額が貸与されます。

奨学金の借り方ついては、奨学金の申請方法や審査基準・借りるときの注意点で詳しく解説しています。

教育ローン

教育ローンとは、借入する資金の使途が教育に関する費用に限定されたローンのことで、学び直しのための受講費用や資格試験受験料などに利用できます。

資金使途が明確なので、使途自由なローンよりも低い金利で借入できる点がメリットです。

奨学金が振り込まれるのは入学してからです。そのため、入学金や前期の授業料は自分で工面しなければなりません。また、教育訓練給付金も受給できるのは受講終了後です。

入学金や授業料、受講費用の資金が準備できない場合には、教育ローンの利用がおすすめです。

教育ローン選びで迷ったらクラウドローン

クラウドローンは、低金利のローンを複数比較できるサービスです。基本情報や希望内容を登録すれば、複数の金融機関から条件に合うプランの提案を受け取れます。

クラウドローンを利用することで、比較検討の時間を大幅に削減でき、自分に合ったローンが見つかる可能性が高くなります。教育ローン選びで迷ったら、クラウドローンの利用がおすすめです。

クラウドローンの詳しい内容を知りたい人はこちら

まとめ

社会人の学び直しの場は増えており、国も学び直しを支援するためのさまざまな取り組みを行っています。しかし、学び直しには仕事との両立や資金調達などの課題もあります。

資金調達の問題を解決するためには、教育訓練給付制度や奨学金、教育ローンなどの利用が有効です。学び直しを検討している社会人は、記事を参考にしてください。

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