【定年後の仕事】「働かないと生きていけない」高齢者の生活事情とは?

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厚生労働省では高齢者の雇用を促進しており、企業は65歳までの定年引き上げ、再雇用などの継続雇用制度の導入、定年制の廃止など実施する必要があります。

高齢者の雇い入れや高齢者が働きやすい職場づくりに取り組む企業には助成金もあり、意欲や能力があれば、高齢になっても働き続けられる環境が整いつつあります。

出典:株式会社カラダノート「就労意識に関する調査」

株式会社カラダノートが、46歳から80歳までの男女244人を対象に行った「就労意識に関する調査」によると、「何歳まで仕事をしたいと思いますか?」という質問に対し、「働けるうちはいつまでも」と回答した人は29.7%、「70歳以上」は18%、「65歳~69歳」は17.3%という結果に。

定年65歳以上も働き続けたいという回答は34.3%。年齢に限らず働けるうちはいつまでも働きたいという回答を合わせると、64%にものぼりました。

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働く目的から見る定年後の生活実態とは?

定年後のセカンドライフに理想を抱く人も多いでしょう。しかし、現実はシビアです。

内閣府が行った令和3年度の「国民生活に関する世論調査」によると、60代の69.3%、70歳以上の35.2%が、それぞれ「お金を得るために働く」と回答しています。

中高年層やシニア層のなかには、定年後も日々の生活費を得るために働かざるを得ない人もいるようです。

では、実際に定年を迎えた人の所得はどのくらいあるのでしょうか。

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定年後の所得事情をチェック

厚生労働省の「2021年 国民生活基礎調査」では、高齢者世帯(※)の平均所得金額は約333万円となっています。

うち稼働所得は約72万円で、総所得に占める割合はおよそ21.5%です。

※65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯
出典:厚生労働省 「2021年 国民生活基礎調査」

ここで注目したいのが、「公的年金・恩給」です。

2010年~2021年の公的年金・恩給の推移

調査年 2010年 2013年 2016年 2019年 2021年
公的年金・恩給の平均所得金額(単位:万円) 216.2 211.9 201.5 199.0 207.4
平均所得金額の構成割合(単位:%) 70.2 68.6 65.4 63.7 62.3
出典:厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」(2010年~2021年)をもとに作成
2010年~2021年の高齢者世帯の「公的年金・恩給」を見ると、総所得に占める割合が減少していることがわかります。

2010年と比較すると、2019年は約17万円、少し持ち直した2021年度でも約9万円の減額となっています。

年金の減額によって老後の経済状況にゆとりがなくなっていることも、高齢者の労働を促している一つの要因かもしれません。

頼みの綱は「貯蓄」ですが、同2019年調査で「貯蓄がない」と回答した高齢者世帯の割合は、14.3%にのぼります。

同調査によると、高齢者の1世帯当たりの平均貯蓄額は1,213万円ほどですが、7世帯に1世帯は切り崩す貯蓄がありません。

生活費を補うためには、働かざるを得ない状態にある高齢者が一定の割合で存在しているといえます。

定年後の労働は、健康維持や社会参加、生きがいづくりなど、ポジティブな側面も期待できます。

しかし十分な貯蓄がない場合、今後も公的年金等の受給額が減少し続ける傾向にあれば、無理にでも働かなければならない、経済的に切迫した状態でなくとも働くことで不安を解消したいと考える中高年層・シニア層がさらに増えていくことでしょう。

老後生活を安心して過ごすためにも、若いうちから先々のライフプランを想定した準備が大切です。

出典
株式会社カラダノート「就労意識に関する調査」(調査期間2022年7月15日〜20日)
内閣府「国民生活に関する世論調査」(令和3年度)
厚生労働省 「2021年 国民生活基礎調査」
厚生労働省 「2016年 国民生活基礎調査」
厚生労働省 「2013年 国民生活基礎調査」
厚生労働省 「2010年 国民生活基礎調査」
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