物価上昇や日本企業の給与水準が上がらない、など憂鬱な話題が続いていますが、今年の夏のボーナスは、どのような傾向なのでしょうか。
キャリアや就職・転職に関する各種調査を行うJob総研は、全国の社会人男女(20代~50代)734人を対象に「2022年夏ボーナス実態調査」を行いました。
これによると、コロナ禍前の2019年と比べて、ボーナスの支給は増えているものの、支給額は低下していることがわかりました。
「夏のボーナス支給額」平均57.8万円。コロナ禍前を下回る結果に

夏のボーナス70%が「支給あり」
出典:Job総研「2022年夏ボーナス実態調査」(以下同)
今夏のボーナスについて、70%が「支給あり」と答えています。
コロナ禍前の2019年に実施した同調査では、「支給あり」が61.7%。
これと比較すると、8.3%上昇していることになります。
一方、支給額の平均は57.8万円。
2019年の70.8万円と比べて、13万円も下回っています。
ただし、ボーナス以外にコロナ支援金などの一時金を支給した企業もあるため、一概にネガティブな結果とはいえません。
各業界の今年のボーナス
経団連が、大手253社を対象に集計した「2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」によると、妥結額が把握できた105社の平均は、92万9,259円でした。
調査対象の16業種のうち、最高額は「建設業」の127万1,661円(従業員平均の数値を含む)。
最も低いのは「印刷業」の68万9,105円でした。
16業種のうち、14業種が前年対比で増加しています。
増加率が最も高かったのは「鉄鋼」。
2021年の妥結額が54万1,690円だったのに対し、2022年は101万9,071円となり、約88%増です。
一方、前年対比で減少したのは「建設」が1.14%減、「紙・パルプ」が0.87%減でした。
使うより、貯める・増やすが主流
ボーナスの使い道については、「預貯金」と回答した人が最多の64%。
年代別の回答でも、20代~50代まですべて1位は「預貯金」でした。
また、ボーナスを「ほぼ全額貯金」と回答した人は35%、「半分以上を貯金」は33.1%という結果に。
ボーナスの大半を貯金する人は、68.1%にものぼります。
注目したいのは、「投資」の32.7%です。
旅行や外食などのレジャーを抑えて3つ目に多い回答でした。
ボーナスを、貯蓄や資産運用に回す人が多いことがわかります。
20代~50代の平均貯金額は1,087万円
出典:Job総研「2022年 貯金実態調査」(以下同)
Job総研が、20歳~69歳までの社会人男女を対象に行った「2022年 貯金実態調査」によると、均貯金額は1,087万円でした。
年代別に見ると、20代は約273万円、30代が約1,006万円、40代が約1,106万円、50代が約1,622万円と、年代が上がるにつれて貯金額は増える傾向にあります。
一方、「毎月貯金をしている」と答えた人の割合は、20代が64.4%、50代が43%という結果で、若い世代の貯金に対する意欲の高さが伺えます。
貯金の理由については、「老後への備え」が最も多く、63.4%とでした。
次に多かった「子供の教育資金」31.8%と大きく差をつける結果です。
一方、貯金をする理由について「なんとなく(特に理由はない)」と答えた人も22.5%に昇ります。
目的は明確にできていないものの備えはしているという人が、一定数いることがわかります。
- Job総研「2022年夏ボーナス実態調査」https://job-q.me/articles/13684
- 経団連「2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」
- Job総研「2022年 貯金実態調査」https://job-q.me/articles/13504