公共料金はクレジットカードで払うのがお得?

執筆者:マネーFIX 編集部

近年は、公共料金もクレジットカードで支払えるようになりました。

公共料金をクレジットカードで支払うとカードのポイントが貯まるので、現金支払い・口座振替よりも得をする場合があります。

ここではクレジットカードで支払うことができる公共料金や、スマホ料金など恒常的に毎月(隔月)支払う必要がある費用について説明するほか、クレジットカードと口座振替のどちらがお得なのか、実際に比較した結果を紹介します。

クレジットカードで支払いができる公共料金は?

公共料金や家庭で毎月支払う生活インフラ費用(以下、これらも「公共料金」としてまとめてお話しします)などのうち、クレジットカードで支払えるものは以下の通りです。

  • 電気料金
  • ガス料金
  • 水道料金
  • 固定電話料金
  • スマホ料金
  • ネット料金
  • NHK受信料

上記のように、基本的な公共料金はクレジットカードの支払いに対応するようになりました。

ただ、すべての業者が対応しているわけではありません。会社によっては、クレジットカード払いには対応していないと説明しているケースもあります。もし、クレジットカード払いに対応していないのであれば、従来の方法での支払いを続けることになります。

クレジットカード支払い・口座振替・現金支払いのどれがお得?

実際にクレジットカードで支払った場合と、口座振替を利用した場合、どちらのほうが得をするのでしょうか。ここからは実際に比較した内容を紹介します。

■電気料金

電気料金は、契約している会社によって少し変わりますが、割引などのサービスは共通している傾向があります。口座振替を選んだ利用者に対しては、毎月55円の割引サービスを提供しています。この割引サービスにより、年間で660円の割引が実施されます。クレジットカードで支払う場合は、この660円という割引額をカードのポイント還元によって超えなければ、口座振替よりも損をする形となります。

では、年間でどれくらいの金額を支払えば、クレジットカードのほうが得になるのでしょうか。クレジットカードのポイント還元率が1%と0.5%の場合で検証していきます。

ポイント還元率に違いによる電気料金支払い金額別の獲得ポイント

電気料金
(月額)
ポイント還元率
0.5%
ポイント還元率
1.0%
5,000円 25ポイント
(年間300円)
50ポイント
(年間600円)
5,500円 27ポイント
(年間324円)
55ポイント
(年間660円)
6,000円 30ポイント
(年間360円)
60ポイント
(年間720円)
8,000円 40ポイント
(年間480円)
80ポイント
(年間960円)
10,000円 50ポイント
(年間600円)
100ポイント
(年間1,200円)
11,000円 55ポイント
(年間660円)
110ポイント
(年間1,320円)
12,000円 60ポイント
(年間720円)
120ポイント
(年間1,440円)

以上の通り、ポイント還元率によって、クレジットカードで得をするラインは変わっています。ポイント還元率が1%であれば、5,500円以上の電気料金を支払う場合、ポイント還元で得をする形となります。一方で、ポイント還元率が0.5%になると、11,000円を支払わない限り、ポイント還元では得をしません。つまり、口座振替を利用したほうが安くなる可能性が高いです。

このように、電気料金の場合はポイント還元率が重要となります。高いポイント還元率を持つクレジットカードを利用したほうが、クレジットカード払いのメリットが大きくなっていくのです。

■ガス料金

ガス料金は、東京ガスのみ口座振替の割引が採用されています。その金額は月額55円、年間660円となります。電気料金と同じ金額が割り引かれる形となりますので、ポイント還元率が1%であれば5,500円0.5%であれば11,000円以上の支払いをすれば、クレジットカードのほうが得をします

しかし、ガス料金が10,000円を超えるケースというのは、一般の家庭ではなかなかありませんガス料金の口座振替割引を採用している会社では、クレジットカードのほうが損をする可能性が高くなります

一方で、口座振替割引サービスを提供していない会社であれば、割引を受けられない分、クレジットカード払いのポイントで還元を受ければ得をします。東京ガスのサービスエリア以外でのガス料金は、クレジットカードでの支払いがおすすめです

■水道料金

水道事業は各自治体で運営されているため、水道料金は地域によって、口座振替割引の導入をしているところと、していないところがあります。また、割引額についても地域によって異なります

口座振替割引は、多くの自治体で月額55円(年間660円)で、高いところでも月額110円 (年間1,320円)となります。これらの金額をクレジットカードのポイントで上回れば、クレジットカードで支払ったほうが得をします。ポイント還元率が1%であれば、水道料金の場合も月額5,500円を超えると、多くの自治体でクレジットカードのポイントが口座振替割引を上回ります。つまりクレジットカードで支払ったほうが得をするのです。

ただし、注意しておきたい点として、クレジットカード支払いに対応していない自治体があります。クレジットカード支払いを導入しているかどうか、事前にしっかりと確認しておきましょう。導入していない場合は口座振替を利用したいところです。

■固定電話料金

固定電話の割引額は、契約する回線ごとに異なります。また契約プランによっても変わりますので、思っていた以上に割引サービスが多くなる可能性もあります。

ただ、口座振替割引は用意されていないため、基本的に固定電話料金はクレジットカードを使ったほうが得をします。基本料金はダイヤル回線で1,595円、プッシュ回線で1,760円となりますので、クレジットカードを使うと最低でも以下のポイント還元が期待できます。

ポイント還元率の違いによる固定電話利用回線別の獲得ポイント

固定電話基本料金(月額) ポイント還元率
0.5%
ポイント還元率
1.0%
1,595円(ダイヤル回線) 7ポイント
(年間84円)
15ポイント
(年間180円)
1,760円(プッシュ回線) 8ポイント
(年間96円)
17ポイント
(年間204円)

基本料金以外にも通話時間に応じた通話料金が上乗せされるのと、他にも追加で契約しているサービスがあれば、その分だけ固定電話料金は上昇しますので、得られるポイントは増えていきます

■スマホ料金

多くの人が利用しているスマホですが、口座振替割引は用意されていません。一方で、クレジットカードを利用した際の割引もありませんが、クレジットカードで支払ったほうがポイント還元を受けられるため得をします。支払う料金に対して、以下のポイントが付与されます

ポイント還元率の違いによるスマホ料金支払い金額別の獲得ポイント

スマホ料金
(月額)
ポイント還元率
0.5%
ポイント還元率
1.0%
5,000円 25ポイント
(年間300円)
50ポイント
(年間600円)
10,000円 50ポイント
(年間600円)
100ポイント
(年間1,200円)

このポイントを得られれば、スマホ料金を少しだけ安く利用できていると判断していいでしょう。

ただ、スマホ料金をクレジットで支払う際は、契約しているキャリアに合わせたクレジットカードを使ったほうがいいでしょう。理由としては、ポイントを利用してスマホの料金を支払えるサービスがあるためです。普段はクレジットカードで支払い、もしもの時はポイントを利用して支払えば、よりお得にスマホ料金を決済できるのです。

■ネット料金

ネット料金も、スマホ料金と同様に口座振替割引はないため、口座振替よりもクレジットカードを使って支払ったほうがポイント分だけ得をします

契約先やプランによって異なりますが、ネット料金は5,000円程度の金額に収まることが多いと思われます。これを1年間クレジットカードによって決済をすると、ポイント還元が0.5%で300ポイント、ポイント還元が1%で600ポイントを得ることができます。クレジットカードで支払ったほうが、ネット料金は確実に安くなると言えるでしょう

■NHK受信料

NHKの受信料は、地上波のみと衛星放送を追加で見られるプランで料金が異なります。また、まとめて受信料の前払いをすると、前払いの支払額に応じてお得な割引サービスが受けられます。この割引サービスは、口座振替でもクレジットカード払いでも同じ金額となっています。

支払い方法の違いによるNHK受信料の支払金額と割引金額

地上放送のみ 衛星放送込み
月払い 1,260円 2,230円
6ヶ月前払い 7,190円
(月払いより370円お得)
12,730円
(月払いより650円お得)
1年間前払い 13,990円
(月払いより1,130円お得)
24,770円
(月払いより1,990円お得)

なんと、1年間まとめて支払いを済ませると7.5%も得をする形となります。

これをクレジットカードで支払った場合、さらにポイントの還元サービスが受けられます。ポイントの還元を追加すれば、衛星放送込みの場合、年間では2,000円以上得をしていることになるのです。NHK受信料を支払うのであれば、ぜひクレジットカードを利用したいところです

公共料金をクレジットカードで支払うメリットとデメリット

公共料金の支払いにクレジットカードを利用する場合、メリットとデメリットが生じます。順番に見ていきます。

公共料金をクレジットカードで支払うメリットは?

■クレジットカードのポイントが得られる

一番大きなメリットは、クレジットカードのポイントが得られる点です。クレジットカードごとに決められているポイント還元率により、支払った料金に対してポイントを得られます。還元率によっては大きなポイントを獲得できる可能性もありますので、普段からポイントを貯めている人にはメリットが大きくなるでしょう。

■一部の公共料金は割引となる

一部の公共料金はクレジットカード払いで割引が期待できます。クレジットカードを利用して1年分をまとめて支払うことで、他の方法で支払うよりも安くなるケースがあります。対象となる公共料金はあまり多くはないものの、割引料金で支払えるのは大きなメリットです。

■毎月の明細がWEBで確認できる

毎月の支払いがWEBや紙の明細で確認できます。クレジットカードの明細を確認するだけで、毎月の公共料金がどのように支払われているか、しっかりと確認でき、家計の管理につながるのです。こうした点もクレジットカード払いのメリットと言えるでしょう。

公共料金をクレジットカードで支払うデメリットは?

■口座振替割引が使えない

口座振替割引が使えなくなるため、支払い額によっては毎月の公共料金の割引額が減ってしまいます。とくに季節によって使用料が変化する電気料金やガス料金、あるいは水道料金では、口座振替割引を使ったほうが得をする月もあります。支払い方法を頻繁に変更することは難しいので、どちらを利用すればいいのか、毎月の公共料金の金額をきちんと把握し、使い分けをしっかりと考えて支払い方法を選びましょう。

■クレジットカードの利用枠が圧迫される

公共料金の支払いにより、クレジットカードのショッピング枠を毎月利用している状態となります大きな買い物にクレジットカードを使いたいと思ったものの、クレジットカードの利用枠が足りないという問題が発生します。クレジットカードの利用枠の残りは、常に確認しておきましょう。

■対応していない公共料金もある

クレジットカード払いに対応していない公共料金もあることもデメリットと言えるでしょう。会社や自治体によって対応は変わりますので、クレジットカードが使えるかしっかりと確認しておきましょう。以前は水道料金をクレジットカードで払っていたのに、引っ越しした先の自治体では対応していなかった、などというケースもあると思います。クレジットカードが使えないサービスは、口座振替を利用してください。

コンビニで公共料金のクレジットカード支払いはできる?

コンビニで公共料金を支払う人も増えていますが、コンビニでの公共料金の支払いにクレジットカードが使えるのはファミリーマートだけです。

ファミリーマートを利用する場合でも、ファミマTカードを持っていない限り、クレジットカードでの支払いをすることができません。ファミマTカードは、クレジット機能が付けられていないものもあります。クレジット機能のないものを提示しても支払いはできませんので、必ずクレジット機能が付いているか確認をしておきましょう。

なお、セブンイレブンやミニストップでは、クレジットカードで電子マネーにチャージすれば支払うことができます。

まとめ

公共料金の支払いにクレジットカードを利用すると、支払額に応じたポイントが付与されます。同時に割引などを受けられる可能性もあるため、結果的に普段よりも公共料金を安く支払える可能性も高まります。ただ、口座振替のほうがお得なケースも多々あります。しっかりと支払い方法の使い分けを考えたうえで、最適な方法でクレジットカードを使いましょう。

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