就職内定率が3年連続で上昇。初任給を引き上げた企業も。内定率上昇の背景や見通しをFPが解説

執筆者:川辺 拓也

【記事執筆】FP川辺 拓也

3,000人を超える顧客からの相談実績をもとに、社会保障制度や家計に必要な金融知識を分かりやすく提供。2級ファイナンシャルプランニング技能士。金融全般から、お金に関する政策まで幅広く専門領域があり、複数の金融メディアに多数寄稿。

文部科学省と厚生労働省は、2024年3月に卒業する大学生の就職内定率が2023年10月1日時点で74.8%であることを発表しました。

前年同月と比べて、0.7ポイント上回り、3年連続で上昇しています。

就職内定率や初任給などの新卒社会人を取り巻く実態と、国内の経済情勢はどのように関係しているのでしょうか。

この記事では、就職内定率が上昇した背景や、今後の見通しについて解説します。

就職内定率が3年連続で上昇している背景

2023年10月1日時点での男女別の就職内定率は、以下の通りです。

  • 男性:73.9%
  • 女性:75.8%

いずれも前年同月と比べて増加しています。

就職内定率が上昇している要因の1つには、企業の採用活動が活発化していることが挙げられます。

コロナ禍の影響を受けた2021年卒の就職内定率は、69.8%でした。

コロナ禍で落ち込んでいた企業の業績が徐々に回復し、採用活動が活発化してきていることが伺えます。

また、就職内定率が上昇している要因として、人材不足の影響も挙げられます。

多くの業界で人手不足の状態が続いており、優秀な人材を確保するために企業の採用活動が活発化していると考えられます。

初任給を引き上げた企業の割合や目的

より優秀な人材を確保するために、企業は新卒社員に対する待遇面を改善して採用活動を実施しています。

特に、顕著な結果として表れているのが、新卒社員の初任給です。

株式会社産労総合研究所の「2023年度 決定初任給調査」によると、初任給を引き上げた企業は、全体の68.1%でした。

1998年度以降の調査では最も高い割合で、2022年度と比べても、27.1ポイント増加しています。

2023年度の初任給の水準は、以下の通りです。

  • 大卒:21万8324円
  • 高卒:17万9680円

初任給を引き上げた理由については、「人材の確保」(70.2%)が最も多く、「在籍者のベースアップがあったため」(49.0%)と続きました。

このように、就職内定率が上昇しているのは、経済情勢がコロナ禍前の状態まで回復してきていることや、人材不足に陥っていることが影響していると考えられます。

一般的に、就職内定率は国内の経済情勢が影響すると考えられています。

人手不足が続くと考えられるなか、就職内定率や新卒初任給がどのように推移していくのか、引き続き注目が集まります。

出典
  • 株式会社産労総合研究所「2023年度 決定初任給調査」

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